2013年 監督:安藤桃子
製作国:日本
at ギンレイホール
明日から出張だし『百円の恋』は113分もあったのにこの『0.5ミリ』は196分もあるし、5時間近くも安藤サクラを見続けるってどうなんだろう、と思って今回ギンレイに行くのを躊躇していたけど、見てよかった。
196分は確かに長い。でもけずれそうなエピソードは無い。
予告編見たときは、おしかけヘルパーするじいさんが何人か入れ替わるみたいだから一人くらいけずって120分以内に収めろよと思ったけど、すべてのエピソードを経てこそのあのラストなので、196分、かなり首が痛くなって疲れたものの満足した。
主演安藤サクラ。
この子の演技しているのに演技していないように見える自然な感じが恐ろしい。才能という意味で。
茂(坂田利夫)に初めて話しかかるときの
「おじいちゃんなにやってるんですか~?」
からの一連の流れは、なにかこう暗くも明るくも無い女が無理に人懐こい声で話しかけているような、もしくはヘルパーとしての職業柄の事務的な声色というか、または生きるために切羽詰った決意を内包しているために声音が演技っぽくなっているというか、、とにかく安藤サクラ演じるサワという女がこの場面この状況この心情でしゃべったらこうなる、というのを安藤サクラはさらっと実践している。
単純に自然な人懐っこい声を出せないという素なのかもしれないけどさ。
調べてみると安藤サクラはどの映画でも演技が絶賛されているみたい。
あと、圧巻だったのは津川雅彦の長回し。
7,8分くらいの独白シーンで、不安で不穏な空気を漂わせながらの台詞回しには引き込まれる。
坂田利夫が出演している映画を見るのはこれが初めてだけど、何この人、ものすごい名役者じゃん。
特に哀愁漂うおっさんとか愛嬌のあるおっさん演じさせたら日本一だな。
安藤サクラの夫って柄本佑なんだね。
ということは、この映画、実際の家族が大いに関わっているんだな、
まず、監督の安藤桃子は安藤サクラの実姉でしょ。
で、佐々木健役の柄本明は安藤サクラの義理の父親。
浜田役の角替和枝は安藤サクラの義理の母親。
フードスタイリストとして参加している安藤和津は安藤サクラの母親。
その他出演者も書いておく。
織本順吉、木内みどり、井上竜夫、ベンガル、浅田美代子(この人も凄い女優だよな)、東出昌大(どこに出ているかわからなかったけどカラオケ店員だったっぽい)、土屋希望。
なかなか豪華。
しれっといれた土屋希望だけど、俺も誰か知らない。この映画がデビュー作で、他には出ていない模様。
そもそも男か女かわからなくて、調べてみたら女性っぽい。失礼しました。
それにしても、検索すると埼玉の高校の野球部員として紹介されていたり、つぶれる寸前のお菓子屋かなんかのブログにベテラン店員として紹介されていたりと謎が多い。
公式ページによるとこの子の父親と安藤桃子が知り合いという縁からスカウトされて出演したらしい。
もう女優はやらないのかな。
2015年7月12日日曜日
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