2015年12月13日日曜日

映画『雪の轍』

2014年 監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
製作国:トルコ/フランス/ドイツ
at ギンレイホール




上映時間120分を超えたらそれだけで悪だと思う。
196分。
120分を少し超えるどこの話じゃない。
パルム・ドールとったかなんか知らないが今回はパスしようかと思ったけど、併映がバフマン・ゴバディなんだよなぁということでとりあえず見ることにする。
・・・まあ、意外と面白かった。

舞台はトルコのカッパドキア。
元舞台役者のアイドゥン(ハルク・ビルギナー)は親の遺産を引き継いでホテルの経営等をしている資産家。
地元紙にコラムを書く執筆業もやったりしてインテリ、ぶっている。
若い妻は慈善活動に勤しんでいる。
アイドゥンの妹は離婚してアイドゥンのいる実家のホテルに居候している。
この三者の確執、とアイドゥンが家を貸している家族とのいざこざが絡んで196分。

カッパドキアの奇妙な風景の中繰り広げられる物語は、うんざりするくらい面倒な普遍的な人間関係の物語だった。
基本会話劇。
風景と物語のギャップがすさまじい。

阿呆そうな妻が慈善事業の仲間を家に呼んだときのアイドゥンに対するいらつく言動やら、家賃を滞納する家族とか、最初アイドゥンだけがまともだと思っていたけど、アイドゥンはアイドゥンで大概嫌味な男だったりする。
別に殺人事件が起きるとかそんなんじゃないけど、会話劇の節々に人間の嫌な部分とかプライドとか悲しい部分が吹きだまっていて、面倒くせえなぁと思いつつも会話のやりとりでゆっくりと顕になる登場人物達の心情に引き込まれていく。

0 件のコメント:

コメントを投稿