2018年3月4日日曜日

映画『あさがくるまえに』

2016年 監督:カテル・キレヴェレ
製作国:フランス/ベルギー
at ギンレイホール




ラストの表情が素晴らしくて泣ける上にデヴィド・ボウイの『Five Years』が流れるもんだからたまらない。

一人の若き青年が脳死状態となる。
家族、ガールフレンドの悲しみ。
医師は家族に臓器提供の決断をせまる。
脳死状態の患者は非常に貴重なので臓器提供を受けてほしいが、家族は息子の死を受け止めきれない状態ですぐには判断できない。
家族と医師との葛藤。
一方音楽家のクレール(アンヌ・ドルヴァル)の心臓は末期状態にあり、生き延びるためにはもう心臓移植しかない。
しかし若くない自分が人の心臓まで使って生き延びることにクレールは抵抗を感じている。

監督は気鋭の若い女性監督らしい。
女性って感じがするわ。
凄いのは淡々と、瑞々しくもえぐってくる映像。
青春の爽やかな一ページはきらきらと輝き、家族の悲しみは地の底に沈みそうなほどにどんよりしている。
生を諦めつつあるクレールの穏やかさと悲しさは美しい映像の中で痛いほど浮き立つ。
そしてリアルすぎる手術シーン。心臓どくどくいってるし。。

クレール役のアンヌ・ドルヴァルはいくつくらいなんだろう。
すごく可愛らしいおばさんだった。

それにしても医者ってすごいよな。
人の命をあずかるってだけでもう吐きそうだ。
死ぬほど勉強して死ぬほど働いて医療ミスでも起こそうものならのほほんと生きている人たちから責められ。

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