2018年3月18日日曜日

映画『幼な子われらに生まれ』

2017年 監督:三島有紀子
製作国:日本
at ギンレイホール




バツイチの田中信(浅野忠信)は同じくナツイチの奈苗(田中麗奈)と再婚し、奈苗の二人の娘と一緒に暮らしている。
信の元妻(寺島しのぶ)との間にも娘が一人いて、年に4回きりの娘との再会を信は楽しみにしている。
全てがうまく行っていたはずだが奈苗のお腹に赤ん坊ができてから少しずつ家族関係やら仕事やらがずれはじめていく。

なかなか面白かった。
家族関係っていうのが一番身近で一番難しいよね。
なんだかんだいってもスーツ姿で待つ宮藤官九郎演じる沢田や、ラストシーンの娘の表情とか泣ける。
あと誰も得しない浅野忠信と寺島しのぶのベッドシーンも泣ける。

ノータイのワイシャツを第一ボタンまではめた浅野忠信には狂気しか感じない。
浅野忠信が演じてきた役柄のイメージもあるけど『淵に立つ』のイメージが強いからかな。
小憎たらしい連れ子に業を煮やして、無表情に包丁持ち出して大虐殺が始まるのではないかとびくびくしてしまう。
仕事は定時帰りで仕事関係の飲みの誘いは基本お断りっていう少しずれた面(本当はそれが正しいのだけれど)も狂気を煽る。
が、第一ボタンはめるのは狂気ではなく論理的でルールに対してクソ真面目な性格の現れだったらしい。
この役柄は浅野忠信以外なら安心して見れそうだが、浅野忠信だからこそのひりひり感や佇ましはこの映画の不思議なアクセントになっている。

田中麗奈は結婚しているんだっけかな。奥さん、母親役がものすごくしっくり来ている。

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