2019年6月9日日曜日

映画『アリー/ スター誕生:アンコール・バージョン』

2018年 監督:ブラッドリー・クーパー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




ロックスターの男がライブ会場で彼女をステージに上げようとして、彼女はいやいや私なんてとお決まりに拒否するものの、その後厚かましくもステージに上がって朗々と歌い始め、歌声を聞いた観客がウォーって叫ぶ。
スター誕生。
レディー・ガガ。
っていう予告編見たときに、これくそつまんないでしょっ、て思うじゃん。
しかも136分。
で、期待もしていなかったけど、意外と飽きずに楽しめた。

ライブで歌うのがピークかと思ったら、結構な前半のシーンで、その後も話が続く。
最後はなにその展開と思ったけど、というか1937年の映画『スタア誕生』から始まって数々のリメイクが作られ続けているテンプレ話らしい。
栄光やら挫折やら恋やら悲劇やら精神衰弱やら、確かにアメリカ人が好きそうではある。

それにしてもレディー・ガガが普通の女優さんみたいに何の違和感もなく、というより普通の女優さん以上の存在感を持って演じているのが凄い。
一方相手役のブラッドリー・クーパーも自身の生歌っぽいのにうまいし雰囲気もある。
歌はいうまでもないレディー・ガガが演技もこなし、役者であるブラッドリー・クーパーが歌もこなす、っていう両者のぶつかりあいだけでも見ごたえがある。
ブラッドリー・クーパーは撮影の一年半前からボーカルレッスンに取り組んでいたらしい。

役者を背後から映すのが印象的。

ストーリー的には、今の時代SNSで荒れないのが不思議。
だって観客はスタージャクソン・メインを見るためにライブに来ているのに、どこの誰とも知らない素人がどんなに歌がうまかろうがステージに立って歌っていたら「はぁ?」ってなるよな。
「お、なかなかいいじゃない」と思うよりもまず「誰だてめー!」だよ。
っていうのはまあこの王道ドラマと役者と音楽による圧倒的パワーの前では取るに足らない些事なんだけどさ。

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