2018年 監督:クリント・イーストウッド
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
退役軍人のアール(クリント・イーストウッド)はデイリリーというユリの栽培に情熱を燃やし、園芸界では名を馳せた人物だった。
ユーモアのある紳士なじいさんで、皆から称賛されて幸せの絶頂にいるようだが、仕事優先(娘の結婚式よりも!)で家族をないがしろにしてきたため、家族からは疎まれている。
時が経ちそんなじいさんのよりどころである農園もインターネットの普及に押されて遂に閉園。
家族とは絶縁(もう離婚しているんだったかな)に近いため一人孤独に生きているが、ある時車を運転するだけで金をもらえるという怪しい話を持ちかけられる。
これが麻薬の運び屋。
普通に考えて孫娘の交友関係ってやばいよね。反社会的勢力とつながりがあるとかそういうレベルじゃないし。
メキシコのギャングが皆ごつくて怖い。
そんなギャングにへこへこするイーストウッドに時の流れを感じるが、そこはやはりイーストウッド、へこへこしているわけじゃなくて愛想のいいじいさんだったってだけで次第にギャングもなんのそのの自由さを見せていく。
ギャングに少しも怖じない態度がかっこいいが、よくよく考えると役柄のアールは元軍人とはいえただの花屋だよな。
カットされていたけどギャングにぼこぼこにされるシーンは見たかったな。
ぼこぼこにされている最中でも少しも恐れない姿を見て初めてあの強気が本物になるけど、さすがに90近いじいさんへの暴力シーンは無理なのか。
なかなか面白かった。
刑事役にブラッドリー・クーパー。
その親分にローレンス・フィッシュバーン。
ギャングボスにアンディ・ガルシア。
妻役にダイアン・ウィースト。
2019年8月18日日曜日
映画『荒野にて』
2017年 監督:アンドリュー・ヘイ
製作国:イギリス
at ギンレイホール
父と二人暮らしの15歳(年齢は何度も偽る)の少年チャーリー(チャーリー・プラマー)。
貧乏で今は学校にも行っていない模様。
いろいろあって天涯孤独になった少年は、世話してきた競走馬を連れて旅に出る。
昔かわいがってくれた叔母を探しに。
ロードムービーっぽく思うけど、中盤まで旅に出ない。
それに少年が旅に出て様々な経験をして、、とかいう生ぬるい状況でもない。
少年が旅に出る事情は、暇な少年が自分を見つめ直す旅出たとかいうのがちゃんちゃらおかしくなるくらい切実で感情に溢れた事情からくるものだ。
暗い部屋の窓辺に佇むチャーリーのシーンが何度かあって、まばゆい外の世界とは別の暗い場所にいるみたいな暗喩があるのだろうけど、単純に外の光で輝く窓辺と暗い部屋にうっすら浮かぶチャーリーのシルエットが美しい。
なかなか面白かったが、122分はちょっと長い。
心優しく真面目なチャーリーが孤独と悲しみを常に湛えながら必死に生きていく様が胸にぐっとくる。でもやっぱり長い。
製作国:イギリス
at ギンレイホール
父と二人暮らしの15歳(年齢は何度も偽る)の少年チャーリー(チャーリー・プラマー)。
貧乏で今は学校にも行っていない模様。
いろいろあって天涯孤独になった少年は、世話してきた競走馬を連れて旅に出る。
昔かわいがってくれた叔母を探しに。
ロードムービーっぽく思うけど、中盤まで旅に出ない。
それに少年が旅に出て様々な経験をして、、とかいう生ぬるい状況でもない。
少年が旅に出る事情は、暇な少年が自分を見つめ直す旅出たとかいうのがちゃんちゃらおかしくなるくらい切実で感情に溢れた事情からくるものだ。
暗い部屋の窓辺に佇むチャーリーのシーンが何度かあって、まばゆい外の世界とは別の暗い場所にいるみたいな暗喩があるのだろうけど、単純に外の光で輝く窓辺と暗い部屋にうっすら浮かぶチャーリーのシルエットが美しい。
なかなか面白かったが、122分はちょっと長い。
心優しく真面目なチャーリーが孤独と悲しみを常に湛えながら必死に生きていく様が胸にぐっとくる。でもやっぱり長い。
2019年8月4日日曜日
映画『女王陛下のお気に入り』
2018年 監督:ヨルゴス・ランティモス
製作国:アイルランド/アメリカ/イギリス
at ギンレイホール
18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)の側には幼馴染である公爵夫人レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)がいつもいた。
女王はサラに頼りっきりで、実質サラが最高権力を握っているかのよう。
そのサラの従姉妹で、今は上流階級から没落してしまったアビゲイル(エマ・ストーン)が仕事を求めてやってくる。
身分がすべての世界で、没落したアビゲイルは必死だった。
アビゲイルはアン女王に近づいていき。。
さっき見た映画がなんてクリーンでおしとやかなんだろうと思うくらいどろどろしている。
下ネタあり、謀略あり、女同士のかけひきあり。
調度品の美しさや表面上の優雅さに対しての醜さが際立つ。
女優三人のぶつかりあいも見どころで、若く美しいエマ・ストーン、気品高く凛々しいレイチェル・ワイズ、美しくはない女王オリヴィア・コールマン。
オリヴィア・コールマンは役どころが一心に孤独や悲しみや不条理に耐えるといったタイプってこともあって、着飾った姿からすっぴんやら醜態まで幅広くさらけ出し、常に漂うやつれた感や狂気など、なかなか強烈な印象を残す。
さらけ出すオリヴィア・コールマンに触発されたのかは不明だが、エマ・ストーンがアドリブで脱いだらしい。
らしいというのは、そういえば脱いでいた気がするけどなんかはっきりと覚えていないんだよな。
演出は魚眼レンズのような映像を何度も挟んで覗き見感や不安感を煽るのはまあいいとして、たまに音楽がちょっときつかった。
ピアノとヴァイオリンだったかな、短い一音を交互に鳴らしていくのは拷問かと思う。
こういう不快感を煽るのはわざとだと思うけど、音でやるのは強烈だからやめてほしい。
とか思っていたけど、ラストシーンのちゃちな合成(うさぎ可愛い)とどんどん大きくなる音楽聞いていたら以外にありかもと思ってしまった。くさやみたいな。
なかなか面白かった。
製作国:アイルランド/アメリカ/イギリス
at ギンレイホール
18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)の側には幼馴染である公爵夫人レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)がいつもいた。
女王はサラに頼りっきりで、実質サラが最高権力を握っているかのよう。
そのサラの従姉妹で、今は上流階級から没落してしまったアビゲイル(エマ・ストーン)が仕事を求めてやってくる。
身分がすべての世界で、没落したアビゲイルは必死だった。
アビゲイルはアン女王に近づいていき。。
さっき見た映画がなんてクリーンでおしとやかなんだろうと思うくらいどろどろしている。
下ネタあり、謀略あり、女同士のかけひきあり。
調度品の美しさや表面上の優雅さに対しての醜さが際立つ。
女優三人のぶつかりあいも見どころで、若く美しいエマ・ストーン、気品高く凛々しいレイチェル・ワイズ、美しくはない女王オリヴィア・コールマン。
オリヴィア・コールマンは役どころが一心に孤独や悲しみや不条理に耐えるといったタイプってこともあって、着飾った姿からすっぴんやら醜態まで幅広くさらけ出し、常に漂うやつれた感や狂気など、なかなか強烈な印象を残す。
さらけ出すオリヴィア・コールマンに触発されたのかは不明だが、エマ・ストーンがアドリブで脱いだらしい。
らしいというのは、そういえば脱いでいた気がするけどなんかはっきりと覚えていないんだよな。
演出は魚眼レンズのような映像を何度も挟んで覗き見感や不安感を煽るのはまあいいとして、たまに音楽がちょっときつかった。
ピアノとヴァイオリンだったかな、短い一音を交互に鳴らしていくのは拷問かと思う。
こういう不快感を煽るのはわざとだと思うけど、音でやるのは強烈だからやめてほしい。
とか思っていたけど、ラストシーンのちゃちな合成(うさぎ可愛い)とどんどん大きくなる音楽聞いていたら以外にありかもと思ってしまった。くさやみたいな。
なかなか面白かった。
映画『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
2017年 監督:スティーヴン・フリアーズ
製作国:イギリス/アメリカ
at ギンレイホール
ヴィクトリア女王が晩年最も心を許したのはインド人の青年だった。
っていう実話に基づいたお話。
ヴィクトリア女王の即位50周年記念式典で記念金貨を贈呈する役を担ってイギリスにやってきたアブドゥル・カリム(アリ・ファザール)は、なんやかんやで女王の従僕に迎えられる。
物怖じしない明るいアブドゥルは女王(ジュディ・デンチ)に敬意を払いながらも友人のように接する。
そんな関係性が新鮮なのか、女王はアブドゥルとインドにますます興味を惹かれていくが、女王周辺の人達は存在自体が宮廷の作法から外れるこのインド人の存在を疎ましく思う。
この、しきたりや身分もなんのそので自由に振る舞う様が、『きっと、うまくいく』とかの近年のインド映画に似ていて、脚本は絶対インド人だろうと思ったけど、原作がインドの人みたいだな。
アブドゥルが意外と打算的なところがあって、そこでなんか冷めてしまった。
ジュディ・デンチってどちらかというと親しみやすい庶民系おばちゃんといったイメージだったけど、高貴な役もよく似合う。
最初の記念式典中の近寄りがたい高貴さは素晴らしい。
食事を恐ろしい速さでがっついても、席でぐーすか眠っても高貴だった。
アブドゥル役のイケメンアリ・ファザールは、『きっと、うまくいく』のジョイ・ロボ役の人。
製作国:イギリス/アメリカ
at ギンレイホール
ヴィクトリア女王が晩年最も心を許したのはインド人の青年だった。
っていう実話に基づいたお話。
ヴィクトリア女王の即位50周年記念式典で記念金貨を贈呈する役を担ってイギリスにやってきたアブドゥル・カリム(アリ・ファザール)は、なんやかんやで女王の従僕に迎えられる。
物怖じしない明るいアブドゥルは女王(ジュディ・デンチ)に敬意を払いながらも友人のように接する。
そんな関係性が新鮮なのか、女王はアブドゥルとインドにますます興味を惹かれていくが、女王周辺の人達は存在自体が宮廷の作法から外れるこのインド人の存在を疎ましく思う。
この、しきたりや身分もなんのそので自由に振る舞う様が、『きっと、うまくいく』とかの近年のインド映画に似ていて、脚本は絶対インド人だろうと思ったけど、原作がインドの人みたいだな。
アブドゥルが意外と打算的なところがあって、そこでなんか冷めてしまった。
ジュディ・デンチってどちらかというと親しみやすい庶民系おばちゃんといったイメージだったけど、高貴な役もよく似合う。
最初の記念式典中の近寄りがたい高貴さは素晴らしい。
食事を恐ろしい速さでがっついても、席でぐーすか眠っても高貴だった。
アブドゥル役のイケメンアリ・ファザールは、『きっと、うまくいく』のジョイ・ロボ役の人。
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