2008年 監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ
製作国:タイ
BS録画
タイに侵攻してきているヤクザマサシ(阿部寛)と現地のマフィアナンバー8(ポンパット・ワチラバンジョン)がなんかいがみ合っている。
お互いの手打ちの場かなんかに出席しているマフィア側の女ジン(アマラー・シリポン)。
この派手な女が見た目通りの派手なアクションを見せてくれるのかと期待。
しかし一触即発かと思いきやお互いの不可侵を取り決めてなぜか穏便に終わる。
穏便だったけど、マサシはジンに一目惚れしていて(ジンというかジンの眉の傷に)、密かに逢瀬を重ねる。
嫉妬に狂ったナンバー8とひと悶着あった後、なぜかマサシは引き下がって美しいケツだけ見せて日本に帰る。
・・・早くアクション見せろや!
ジンは実は妊娠していて女の子を出産。
この子は自閉症だとわかる。
マフィアを抜けていたジンだがナンバー8は未練たらたらで、ジンがマサシに手紙を送ったことを嗅ぎつけ家に押しかけてくる。
子供に危害を加えようとするナンバー8。いよいよアクションかと思いきやなんか弱!
その後子供が家の向かいのムエタイ道場を眺めてキックの練習を始める。こっちか!
ストーリーは結構どうでもいい。日本の漫画が原作みたいね。
自閉症の少女ゼン役を演じるヤーニン・ウィサミタナンが素晴らしい。
華奢な体で美麗な足技を見せてくれる。
お花のアップリケが付いたTシャツでマフィアとやりあっている姿が神々しい。
特にお気に入りはバンダナ男との死闘で男の腿を駆け上がって膝チョップをかますシーン。
シャイニングウィザードを始めて見たときなみの衝撃だよ。膝蹴りじゃなくて膝チョップだからね。
しかも丁度電車(CG?)がやってきているところにかぶせるしスローモーションだし。
後は空中を回転しながら立っている相手の後頭部に蹴りをかましたり、ブレイクのトーマスフレア中のジャージ男の上を回転しながら飛び越えて着地寸前ですくい上げるように顔面に蹴りを入れるやつとか美しい。
あと、倉庫の戦いで「ムン」と呼んだときの声のかわいいこと。
というように、おおーっと思うアクションはそこそこあるけど、全体的にはアクションは少しスピード感にかける気がする。
ジャッキーとかだと絶えずちょこまか動くなり手数を出すし、リー・リンチェイなら技のスピードが尋常じゃない。
やっぱり香港カンフー映画は偉大だなと見ていて思った。
その香港カンフー映画に多大なオマージュがあるからなおさらそう思ったのかもしれない。製氷場での怪鳥音とか、ロッカーを使ったアクションとか、ガラスのテーブルに背中から落ちたり、高所での戦い等々。
ああ、でもエンドロールのNGシーンはなんか痛々しいだけでちょっとしらけてしまった。
飛んできたボールをつかむシーンは逆再生だろうか。
やくざの親分がいる家がありえないくらいの純和風の家だったりとか、外国から見た日本っていうベタは面白いよな。
ストーリーを補足すると、
ゼンがなぜ強いかというと、格闘技や技を見ただけでコピーできる能力があるかららしい。
あの怪鳥音はブルース・リーの映画でも見たのか。
病院通いは最初まだ親指の傷が治ってないのかと思ったけどガンっぽいな、と思ったら実は白血病らしい。
なかなかコメディ要素も強く、精肉場だけで展開されるコメディアクションはジャッキーチェンへのオマージュだろう。
ただ、コメディは戸惑うばかりで笑えない上に結構残酷なシーンも盛り込まれていて微妙だったけど。
ケツに刺さった釘を抜いたところでゼンに蹴られてまたぶすっと刺さるのはMが喜びそうだと思った。
そしてなんといっても一番のコメディは、マフィア側の人間が十数年の時を経て貫禄を増すのではなく、なぜかビジュアル系バンドかと思う容姿に変貌するところ。
黒髪ロン毛をオールバックで後ろに束ねて貫禄のあったボスが、なぜ茶髪中分けロン毛になるんだ~。
そしてこのボスはHPが9999くらいあって、何回殴られようが腹刺されようが刀でがっつり斬られようが何事もなかったかのように平然としてひたすら逃げ回っているのはギャグだよね。
もともとゼンの攻撃力が弱いらしく、雑魚敵も倒したはずなのにすぐ復活してまた襲いかかってくる。
バンダナ男もHP5000くらいはあって、ゼンにやられる度に「うー」と唸って倒れるけど気づいたらすぐ復活してまたお前かという感じのしつこさ。というかこいつ最初に撃たれていたよな。
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