製作国:日本
at ギンレイホール
音をよく拾うのね。音響が素晴らしい。音聞いているだけでも何時間でも見ていられそう。
音楽もほぼ無く、あっても和音の響きだけ、みたいな。
好きだわ、こういうの。
映像の方は、ワンシーンワンシーンが恐ろしく長い。
手を洗っているだけのシーンを何十秒も見させられたりとか、長いわって突っ込みたくもなるけど、段々慣れてくる。
むしろそういうゆったりした時間の流れが心地良い。
最近テンポのいい映画しか見ていないから、昔の名作映画とかまた見ていこうかなって思った。
ストーリーは、1mmもわからなかった。
たまに映るおかっぱの子は誰なのよ。
隣の部屋の子かと思った。いつ主人公とからむのかと。
主人公沙知は、周りから何か心配で気にかけられている雰囲気で、どうやら最近大事な人を亡くしたらしい。
それがおかっぱの子かな。
窓枠上映のシーンなんかは、もしや実は沙知は亡くなっていて、追悼で皆が沙知の映像見ているんじゃないかみたいな、それまでのシーンを少し思い返せば辻褄合わないとすぐ分かるような妄想までしてしまうほど混乱はしていた。
主演は荒木知佳という人で、おっとりした感じが映像によく合っている。
映像に映える役者さんってたまにいるけど、この子は映えるというか優しく溶け込む感じで、いつまででも見ていられる。
コロナ禍の撮影だからか、皆普通にマスクしているし、帰宅して入念に手も洗う。
なんかちゃんと現代をありのままに切り取っているのが、普通のことなのに感心した。
映画にしろドラマにしろ、現代ものの話なのにコロナなんかないかのように誰もマスクしていないじゃん。
フィクションであっても時代設定が現代ならマスクしていないとおかしい、っていう当たり前のことになぜ気づかなかったのか。
役者の顔見せることよりも重要なことだよなぁ。
どのシーン、どの登場人物も印象的だった。
人物だと、アパートの前の住人の彼女らしき人がすごくよかった。
なんだろう、一言で言えば「いい人」って感じだけど、なんかすごくリアルな感じなんだよね。喋り方とか。笑顔とか。おどけた感じとか。
シーンだと、いろいろあるけど、雨の中でカッパ着てスクーターに乗る準備しているところかな。
二人の立ち姿とか、ヘルメット拭いたりとかのやりとりがよかった。
あとは道案内でゆったり歩いているところとか、どらやき食っているところとか、突然の書道が本格的でびびったり。
https://www.nobodymag.com/interview/haruharasannouta/interview.html
インタビュー記事が面白い。
書道のシーンは最初の方に撮影されたらしく、その頃にはまだ映画の骨格すら決まっていなかったらしい。
それでよくあんな異様なシチュエーションのシーン撮ったなぁ。
舞台はどこかの地方かと思っていたら聖蹟桜ヶ丘らしい。いいところだねぇ。
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