2022年9月23日金曜日

映画『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』

2019年 監督:フィリッポ・メネゲッティ
製作国:フランス / ルクセンブルク / ベルギー
at ギンレイホール




冒頭の少女二人のかくれんぼ、カラスの鳴き声が不気味な中、一人の少女が忽然と姿を消す。
そんな不穏な映像から、薄暗い部屋のシーンへ。
ベッドに腰掛ける女性と、左奥の鏡越しに女性が小さく映っている。
薄明かりの暖かさと、奥行きがあるようで鏡越しという窮屈なようでもある絶妙な映像。
この冒頭数分だけでただものじゃない映画になっているよなぁ。

南仏モンペリエのアパートの最上階で向かい合った2つの部屋にそれぞれ暮らすニナ(バルバラ・スコヴァ)とマドレーヌ(マルティーヌ・シュヴァリエ)は、長年の恋人関係にある。
二人はアパートの部屋を売り払ってそのお金で二人でローマで暮らす計画を立てていて、いよいよ実行に移すって段階まで来ているものの、マドレーヌは事実をなかなか家族に打ち明けられないでいる。
ニナは独身だがマドレーヌは結婚していて孫までいるのね。
結婚といってもあまり幸せといえない結婚生活だったっぽい。
いつまでたっても家族に言えないマドレーヌにニナは怒るのだが、そんな折マドレーヌの身に。。。

障害があるほど燃える恋、っていうか障害しか無いっていうね。

介護士のおばさんは仕事に対する責任とプライドを持っていて、彼女のニナに対する対応は至極当然のことだったからこそ、可哀想に、って思っていたのに。。。

かくれんぼの少女達は誰かの少女時代とか同じ時代に生きる少女達とかではなく、暗喩的なものだったみたいだ。
黒と白、白をそのまま水中に沈めるか、白を命がけですくい上げるか、っていう。

なかなかおもしろかった。

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