2025年2月25日火曜日

映画『バトル・ロワイアル』

2000年 監督:深作欣二
製作国:日本
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これも当時ヒットしていたよな。
初めて見たけど、めちゃくちゃ面白かった。
ジュブナイルでやくざ映画!
無人島でやくざ映画!
こんなぞくぞくする設定で面白くないわけがない。
それに加えて
B級映画すれすれの圧倒的エンタメ演出!
北野武の圧倒的存在感!
有名俳優達の若き日の初々しさ!
狂気と仁義のバイオレンスアクションの中の少年少女の切ない純愛!
突っ込みどころも多々あるバイオレンスの中の笑い!
全てが絶妙なバランスの神映画。

血だらけのぬいぐるみを抱えた少女が不気味な笑みを見せる冒頭からこのチープさにぞくぞくする。
時折インサートされる字幕とかも懐古趣味で切なくて可笑しい。
音楽と効果音なんかばちっとはまりすぎてコントレベルに楽しい。バスで七原が殴られるシーンとか首輪爆発のシーンとか。
宮村優子のビデオ説明とキタノのやり取りがこの映画のすべてを物語っている気がする。
真面目の中の笑い。リアルさとエンタメ。

どのシーンも面白くて書いていたらキリがないよな。
細かいところだと
のぶ君が殴られた時の足の回転がブレイクダンスみたいで美しい。
キタノがぬかるみに少し足を滑らしてかわいい。

各々の死にっぷりも皆美学があって映える。
千草貴子役の栗山千明がびっくりするくらい美人。
そんな千草より琴弾ってどういうこっちゃ。
杉村君の唐突な死に方から「喋ったこともなくて」(は?)からの「死ねばいいの」からの狂人対決っていう、混乱の中の静と動の激しい切り替わりは脳汁出るw

allcinemaのコメント見ると圧倒的低評価でびびる。
そうか、原作ファンが原作との差異に不満があるとか、リアリティ求める人が多いとかなのかなぁ。
ストーリーはまあよく分からなくはあるんだけど。
ただの中学教師だったキタノがなんであんなに権力あるのかとか。

ああ、あとプログラミングしている画面を停止して見てみると(おそらくC言語っぽい)、printinteractiveusage()ってusageなんか作っている場合かよって思った。どっから拾ってきたのか。

2025年2月22日土曜日

映画『シュリ』

1999年 監督:カン・ジェギュ
製作国:韓国
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なんか当時大ヒットしていたな。
この頃韓国映画だと確かキム・ギヨンの『破戒』見て衝撃受けていた時で、シュリがそれを超えるとは到底思えず全く興味なく見ていなかった。
なんかデジタルリマスターで最近再公開されたらしい。アマプラにあったので見てみた。

冒頭どことどこが戦っているのか全くわからないゲリラ戦が繰り広げられる。
結構グロい。
その中でも線の細い女性兵士がなんだかめちゃつよ。
射撃の腕は天才的で、格闘もゴリラみたいに強い。
どうも北朝鮮と韓国が戦っていたみたいね。
この激強い女性兵士イ・バンヒは後に韓国に潜入して韓国の核物理学者とかそういう重要人物をばんばん暗殺した後姿を消す。
で、このイ・バンヒを追う二人の韓国情報部員ユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)とイ・ジャンギル(ソン・ガンホ)がダブル主人公っぽい。

ジュンウォンと恋人イ・ミョンヒョン(キム・ユンジン)のイチャイチャや興味ないなれそめ話など聞かされたりした後、3人で食事しているシーンで一旦限界がくる。
なんかつまらないぞー。
もうすぐ結婚するとかって死亡フラグ立てるな!とか、この恋人がイ・バンヒなんじゃね、とかもうありきたりな展開が予想されてほぼ確実にそうなりそうだからどうしたもんかと思う。
ちなみにこの食事シーンの箸使いの下手さが最後につながっていたりする。

ストーリーはジャッキーのポリスストーリーとかそんな感じのレベルの話で、ストーリーはどうでもよくてアクションとラブロマンスが主軸なのかな。
それにしてもチープなメロドラマだった。

ストーリーの細かいところはよくわからなかったけどまあいいか。
雨の中3人で走っていたのにいつの間にか当たり前のようにジャンギルが消えていたりとか、旅客機テロ事件でパク・ムヨン(チェ・ミンシク)はどうやって逃げたのかとか。

2025年2月16日日曜日

映画『VIDEOPHOBIA』

2019年 監督:宮崎大祐
製作国:日本
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全編モノクロームの静かな映画。
のはずなのに音楽がうるさい。
エンディング曲とか余韻もなにもすべて吹っ飛ばす破壊力w
予告編見ていると、この映像と音楽のミスマッチは意図的にやっているのかなという気もする。

大阪コリアンタウンに住む青山(朴)愛(廣田朋菜)は、ある日自分のとある映像がエロサイトにアップロードされているのを見つける。
そこからじわじわと不安と妄想が侵食していき、何が現実なのかわからなくなっていく。

現代でモノクロで撮るなんて大体イキった作品が多い中、この映画はなかなか面白かった。
コリアンタウンとモノクロが時代を超越してあやふやな現実感を与えていて見応えがある。
妄想がはっきりとした妄想ではないので、見ている方も何が現実か、どこまでが現実だったのか、わからない恐怖がある。
ジャンルとしてはホラー・サスペンスに分類されているのね。
被害者の会のシーンなんか笑いと意味不明な恐怖、宗教的怪しさの狭間でなかなか怖かった。

主人公は感情をあまり表に出さない。
動画を見つけた時のショックも受けているのか分からないほどに。
しかし、後の精神が蝕まれているかのような現実の崩壊を見ていると、泣き叫ぶシーンを見せられるよりずしんとくる。

いいシーンはいろいろあったが、中でも商店街を部屋着で駆けているシーンが一番好きだな。

映画のジャンルでいうと、コメディを付け加えてもいいかもしれない。
ワークショップのシーンの反抗とか、被害者の会もそうだし、ラストのあのもぐりっぽい医者とか、別人じゃん!とか。
着ぐるみっていう物自体も笑いと恐怖が共存している存在だしな。コメディ的要素も少しは意識しているはず。

出演は他には忍成修吾、芦那すみれ、サヘル・ローズ。

2025年2月11日火曜日

映画『Winny』

2022年 監督:松本優作
製作国:日本
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東出君っていつも一人だけ別世界の住人のように浮いた感じになるイメージがある。
でも「プログラミング言語以外の言語で喋る術を知らない」とか言ってしまう天才プログラマーでプログラム以外のことはからっきしというどこか浮いた存在の役柄がよく合っている。
東出君自体のプライベートも浮いてるしある意味この人も天才なのかも。
ラストに金子勇のインタビュー映像が流れて、それを見る限り流暢に喋るしそんなにずれた人に見えなかったけどどうなんだろう。

腐敗した京都府警や司法、それにそれほど関係ない滋賀県警の裏金事件とか絡めて、善と悪っていう対立がはっきり描かれている。
小悪党がよく似合う渡辺いっけいとか、地味に怖い渋川清彦とか、腐敗っぷりを効果的に演出している。
そして一番悪役っぽい吹越満はなぜか善の弁護側。
っていうのが善悪をあまりに区別しすぎるとうさん臭くなるから針の穴ほどの緩みを与えるためにとった配役なのかも。
といってもあまりにも善悪の構図がはっきりしすぎてうさん臭いことに変わりはないけどね。
たった2行書き換えるだけで今ある情報漏洩を止めることができる、ってそんな簡単な事なら逮捕前に直しとけよと思わないでもない。まあ脆弱性ってそんなもんか。突かれるまで気づかない。

Winny事件って話題になっていたものの詳細はよく知らなかった。
映画見た後でもよくわからないっちゃ分からない。
包丁が犯罪で使われたらその包丁を作った人が罪に問われるのか?っていうのは当時からよく耳にした気がする。
弁護団事務局長の壇氏はこの刃物の例えは使ったことがなく、例えるなら「高速道路でみんなが速度違反をしていることを知っていたら、国土交通省の大臣は捕まるのか」っていうのをよく言っていたらしい。
高速というインフラの上で違法行為が行われているっていうのでこっちの方が多少わかりやすいか。


この動画なかなかに気持ち悪い。
優秀な弁護人っていうジョークのひろゆきとのやりとりとか、その程度のオツムとか。。

例えでいうと川上量生の「殺人につかう刀を作って、包丁だと言い張っていた」っていうのがしっくりくる。
Winny自体に一貫して否定的な産業技術総合研究所の高木浩光は「Winnyネットワークはワームプラットフォームである」「Winnyはネットワークに参加する人が全員適法に使わない限り、適法に使えない」と言っている。
高速道路の例えでいうと、麻薬の運び屋御用達の高速道路を作って、さらにはこの高速道路を走った車には勝手に麻薬が搭載される機能付き、みたいな話か。(例えが下手か)
金子勇が天才プログラマーであったことは確かだけど、Winnyが「世界にも類を見ない危険なツールであった」っていうのはちゃんと認識していた方がいいだろうな。

2025年2月8日土曜日

映画『バトルクリーク・ブロー』

1980年 監督:ロバート・クローズ
製作国:アメリカ / 香港
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ジャッキーチェンの昔の映画はだいたい見ている気になっていたけど、なんか見たことないやつが何本かありそう。
これもその一つ。

舞台はアメリカ。
マフィアに店を脅かされなんやかんやでバトルクリーク格闘技選手権とかいうのに出る話。
ストーリー上の面白さはなきに等しいかな。
ローラースケートの賭けレースにしろ、格闘大会にしろ、ルールがなんでもありすぎて大らかというかぶっ飛んでいて面白い。
レースなんか選手同士の妨害ありどころか、観客まであからさまに妨害して、それでなんとなくレースが成り立つんだから、無法地帯どころかむしろかなりお行儀がいい。
格闘技大会も、決着の場面を観客が誰も目撃していないのに優勝者が決まって誰も文句言わないという。。
思えば冒頭の高所での謎の筋トレ(しかもドライブデート中?)からぶっ飛んでいたな。普通に凄くはあるので構わないけど。
暴力反対の父がジェリー(ジャッキー)の格闘技大会での活躍を大喜びしているのも深い謎。

中国人同士のカンフー対決が少しあるくらいで後は巨漢アメリカ人に小柄なジャッキーが無双する。
強敵と戦うって感じは一切なく、無駄な邪魔が入る以外は基本的に無双。
なんか物足りない感じ。。

師匠役にマコ岩松が出ている。
ラスボスのH・B・ハガティは日本でも活躍した往年のプロレスラーらしい。

格闘技大会の出場者がほとんど喋らないのは中国語喋れないからかと思ったけど、字幕版見てみたら皆英語だった。
監督のロバート・クローズは燃えよドラゴンの監督。アメリカ人。
ジャッキーの初のアメリカ進出映画とのこと。
ジャッキーは当時アジアではすでにスーパースターだったが、アメリカでは無名すぎて撮影に口を出すことも武術指導することもできなかったらしい。
この不満が後の80年代の数々の名作誕生につながったりしているのかも。

2025年2月1日土曜日

映画『ビリーバーズ 』

2022年 監督:城定秀夫
製作国:日本
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一応サスペンスなのかな。
ジャンルはどうあれ、久しぶりに面白い恋愛ものを見た気持ち。
そしてエロティック。
孤島に男二人と女一人、って野獣のような本能でめちゃくちゃになりそうなんだけど、孤島といっても食料は定期的に運ばれてくるし、それほど原始的な生活はしていない。
何より彼らの教義から性欲は抑制されているので、気持ち悪いくらい清らかに健全(?)。
(新興宗教の信者だから別の方向で何か狂気があるけど)
副議長さんと呼ばれる女性も若くてきれいな人だがエロいオーラが何もない。
それなのに、雨のシーンを皮切りにスイッチが切り替わったように突如としてエロさが顔を出してくる。
以降はもうエロの塊。我慢しろというのが無理なくらい。
演じた北村優衣さんが体当たりで凄いわ。(綾瀬はるかに少し似ている)
セクシー系の人だったりするのかと思ったら普通に女優さんだった。
出演作見ていたら女子グルメバーガー部っていうドラマで見ているな。あれから数年でこんな体当たりしているとは。

原作は山本直樹の漫画。山本直樹も重要な人物でちょい役で出演している。
ストーリーは細かいところよくわからなかったけど(オペレーターさんの記憶が飛ぶ理由とか大波とかラストとか)、漫画読むとわかるのかなぁ。

冒頭ドローンから始まり、3人の周りをカメラがぐるぐる回るのが受け付けずに速攻見るのやめかけた。やめないでよかったー、面白かった。