2004年2月29日日曜日

映画『コレクションする女』

1967年 監督:エリック・ロメール
BS2 録画


エリック・ロメール・コレクション コレクションする女

再生したら『コレクションする女』という映画が入っていたが録画した記憶が全く無く、ああ、きっと他の作品録ったけど番組変更かなんかあったのだろうと思った。
止めようと思ったけどそのまま見ていると、オープニング浜辺でビキニの女が1人歩いている。
カメラはしっとりと脚や背中、鎖骨を映し出す。抜群の体のラインを持つ女。ただし恐ろしく貧乳だったりする。
この魅力的なビキニ女アイデ(エデ・ポリトフ?アイデ・ポリトフ?)を見るだけでも有意義そうだと思って最後まで見ようと思う。

暫くして、男女が恋愛論についてめんどーな会話をしているのを見て思い出した。
あ、これエリック・ロメールだ。確かに一月前くらいに録画したや。

主な登場人物は、仕事と休暇を兼ねて別荘にやってきたアドリアン(パトリック・ボーショー)と、その別荘に滞在している友人の画家ダニエル(ダニエル・ポムルール)、そして謎の尻軽ビキニ女アイデの三人。
アドリアンは恋人がロンドンに行ってしまったため、一人別荘にやってくる。彼はここで静かに"無"の時間を過ごしたいと望む。
しかしこの別荘には男をとっかえひっかえ連れ込む尻軽女のアイデがいる。
アドリアンにとって彼女は邪魔以外の何者でもない上、不道徳な女だと軽蔑しさえする・・・表面上は、っていう話。

アイデのエロさと笑顔に次第に心揺れるアドリアン。寝たい!しかしなんだか上手くいかない!
アドリアン、ダニエル、アイデの恋の駆け引き。
男どもは本能を知性でコーディングし、アイデは本能で、豊富な経験で、(いや、女の勘でと言おうか)男達と駆け引きする。
アドリアンが言う。「アイデ、僕は君の笑顔の意味をよく考える」「意味はないわ」「なるほどね」
アイデは正にピンポイントでこの瞬間って時にさいこーに愛くるしい笑顔を見せる。意味なんてない。本能だから。
男達は本心を隠したりぽろっとこぼしたり言っている事とやっていることが全然違かったりするから見ているこっちとしてはややこしい。
自分がアイデに興味あるくせに他人に勧めたり。
人間に上下関係なんてない、と言っておきながら、「しつけが悪くて」と完全にアイデの事を格下扱いしたり。

物語はアドリアンの視点で描かれるから見えづらいけど、もしかしたらアイデはただ肉体関係のない友人の男をアドリアンに期待していたのかもしれない。
アドリアンに救いを求めていたのかもしれない。
しかしナルシストアドリアンはアイデは自分に気があると思い込んでいるし、彼女の不可解な行動も全て駆け引きやゲームだと思っている。
映画はなんとなく道徳的に終わるが、三人とも悲しいやつらだし救いが無い。
知性を持つ人間という生物の悲しみ。
また、アイデの行動が本当に駆け引きなのであれば、三人の男女による恋愛駆け引きの映画であり、三者三様の生き方があるっていう映画なのかもしれない。

あんまり見終わった後でストーリーをあれこれ解釈すると見ていた時の感覚が捻じ曲げられていくからもうやめよう。
映像の雰囲気だけでもころっとイカレちゃいそうな面白い映画です。
ストーリーの解釈も含め、何度でも愛でながら見れる映画だと思う。

それにしてもエリック・ロメールは貧乳好きなのだろうか。
ぱっと思い浮かぶのは『海辺のポーリーヌ』や『夏物語』でのアマンダ・ラングレくらいしか思い浮かばないけど。

2004年2月28日土曜日

映画『座頭市』

2003年 監督:北野武
at ギンレイホール


座頭市 <北野武監督作品>

タップシーンでは死んだ奴も全て含めて登場させて欲しかったな。

音楽が少しうざいと思っていたら鈴木慶一さんじゃないか。そうか・・・
久石譲ならはっきり嫌いと言えるけど。

映画『キル・ビル』

2003年 監督:クエンティン・タランティーノ
at ギンレイホール


キル・ビル Vol.1 (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第2弾)

1部と2部に分かれていてこれはVol.1などということを僕が知る由も無く、あれっと思ったら終わってしまうのだが、むしろああ終わったかとほっとする次第。

首や手や足が無残に切り落とされるような映画をここ数年見た記憶が無いため、以前培った免疫力が少しも効果を発揮することなく、ただ心の中で「あうっ!」「うげっ!」と思い続けて113分。

武術指導がユエン・ウーピンで、それなりにスタントマン織り交ぜユマ・サーマンにアクションさせているのだけど、やっぱり物足りない。
・・・マトリックスばりに反り返りながら二刀で背後の敵を切り倒すのはかっこいい。

ストーリーは復讐を誓ったユマ・サーマンがビルとその部下をたった一人で倒していくというもの。
オーレン・イシイ(ルーシー・リュー)の過去を説明するシーンなどはかったるい。
アニメーションシーン(キャラクターデザイン: 石井克人 )なども挿入されるけど、きっちりアニメでもうげっと思うシーンを入れているところはむしろ感心する。

千葉真一の役名が服部半蔵。影の軍団?
沖縄ですし屋を開いている半蔵の裏の顔は、伝説の刀鍛冶職人でした。
このすし屋には半蔵ともう1人つるっぱげがいて、調べてみたら宇宙刑事ギャバンだった!
♪俺もお前も名もない花を、踏みつけられない男にぃ・・・なるのさー!!ういー!ういー!

ユマ・サーマンよりかルーシー・リューの方が日本語が上手い。

ゴーゴー夕張(栗山千明)強いね!
鎖のついた鉄球をぶんぶん振り回したり足で鉄球を蹴り出したりさ。
天井に必死こいてへばりついて隠れているユマ・サーマンに気づきもしない間抜けさが可愛い。

全体的に(わざとやってるんだろうが)微妙に不自然なことをこれ見よがしに平然とやっているところがウケる。
飛行機の機内でユマ・サーマンのとなりにごく当たり前に日本刀が置いてあったり。

小学生以下の感想文をだらだら書いてしまった。
この映画ちょっと疲れたなぁ。

2004年2月22日日曜日

出張

昨日広島に出張に行って今日帰る。
旅行記みたいなもの書いたけど読んでみると大して面白くないな。
特に面白いこともなかったし。
こちら

2004年2月17日火曜日

映画『めまい』

1958年 監督:アルフレッド・ヒッチコック
BS2 録画


めまい (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】

映画って始まるとまず役者名やらプロデューサー、監督名などが出るじゃん。
黒い画面に白い文字で表れたり、導入シーンと共に文字が出たり。
タイトルクレジットって言うのかな。
『鮫肌男と桃尻女』のタイトルクレジットは最初っからぐいぐいいかしてたし、『秋日和』はちょっとした工夫でオーソドックスなくせに素晴らしいタイトルクレジットだったし、『燃えつきた納屋』は凍えそうなどきどきするタイトルクレジットだったし・・・
だけど、この『めまい』のタイトルクレジットときたらもう群を抜いて素晴らしすぎる。
むなしくなるからどんなタイトルクレジットか書かないけれど、タイトルクレジットから震えた映画なんて鈴木清順の『殺しの烙印』以来だと思う。

高所恐怖症の男スコティ(ジェームズ・スチュワート)が主人公。
ヒロインにキム・ノヴァクとバーバラ・ベル・ゲデス。

ヒッチコックは観客の感情を動かすのが上手い。
ヒッチコックの映画を見ていて沸き起こる感情は、楽しい、とか悲しい、と簡単に説明できそうでいて、とてもじゃないがこの感情を説明なんかできないと思いたくなる。
この映画には様々な感情が渦を巻いている。(くるくるカールしている)
様々と言っても主に感じる感情は"やるせなさ"。
怒りを伴ったやるせなさだったり、幸せになりたいのにその幸せには危険が伴ってしまうというやるせなさ、あと一歩を上手く踏み出せないやるせなさ、等々。
物語が展開するにつれやるせなさのニュアンスが微妙に、時に大胆に変化し、各登場人物の感情が複雑に絡み合いながら渦を巻く。
そしてヒッチコックの魔法で登場人物の感情が自分に乗り移る。
映画を見ている自分の中の感情が映画の中のぐるぐる回る渦に襲われる。
この時の感覚は不思議としか言いようがなく、映画でしか体験し得ない感動だと思う。

面白いのはラストで、映画の中のやるせない渦に唐突にストンと大きな石を落としている。
最後に一発観客と登場人物に対してのやるせなさのプレゼントで終わる、ということ。
少し呆けるが、ラストの余韻に浸るというより探り出せない意識の深部に渦が落ちた感じ。

この映画、結構ラストがどこか分からない。
あれ?終わり?と思うとまだ続きがあって…という連続で、つまりラストかな?と思った時点で自分の中で疑問と余韻に浸るモードに入りかけたところで、まだあんのかい!という具合にかき回される。

まあ、一言で言えばこの映画、面白い。

2004年2月15日日曜日

ライブ

映画見た後、秋葉原で友人がライブをやるというので見に行く。
行くかどうか分からないと曖昧な返事をしていたので、詳しい場所を聞き忘れた。
ライブハウスの名前を頼りにふらついて、たどり着いたときには友人のライブはとっくに終わっていた。

映画『エデンより彼方に』

2002年 監督:トッド・ヘインズ
at ギンレイホール


エデンより彼方に

人種差別やホモを扱った映画。恋愛もあり。時代設定は50年代くらい。

主演ジュリアン・ムーア。
ジュリアン・ムーアが幸せな一家の奥さん役を演じても、必ずその一家には裏がある(なにか起こる)と感じずにはいられない。
本当すごい女優だジュリアン・ムーア。
残酷な冷たさと温もりをごく自然に共存させることができる人。

映画の内容は忘れた。
ジュリアン・ムーアの衣装ばかりに気をとられていた気がする。

映画『永遠のマリア・カラス』

2002年 監督:フランコ・ゼフィレッリ
at ギンレイホール


永遠のマリア・カラス

数週間前にこの劇場で予告編を見たときはマリアカラスをファニーアルダンが演じるってところに心動かされた。

マリアカラスを扱ってるくせに冒頭いきなりクラッシュの曲が流れたのや、その後続くチープな映像の雰囲気に「えっ?」と思いつつも、この映画に対してさらに期待を膨らます。
でも冒頭のクラッシュは大して意味なかったみたい。なんとなく入れてみたのだろう。
映画の内容自体はもうほとんど思い出せない。

オペラを生で聴いてみたいなぁ。

2004年2月14日土曜日

コート

数日前、スーツの上に着るコートをもう一着欲しくて、どうせなら私服でも着れるコートを、と思って探していた。
どんな種類のコートにするか当たりを付けておこうと、ネットで検索して考える。
そのとき、ネット通販のページで16800円が5980円にまで下がっているダッフルコートを見つける。
ダッフルコートは今まで一度も着たことないし、なんか微妙だなと思って4,5日保留にしておく。
でもなんだかもう考えるのも面倒なので、そのダッフルを買うことにする。

今日届いた。
見た目は写真で見たとおりのダッフルだったが、フリース生地だった。
そういえばポリエステル100%ってサイトに書いてあったなぁと思い出す。
フリースでダッフルコートの形をしたコートを作ってみました、というダッフル。
本当に定価が16800円なのかなぁ。フリースって言ってもピンからキリまであるから、少しは上質の部類にはいるフリースなのだろうか。
肌触りはかなりいい。
スーツにダッフルは問題ないと思っていたけど、このフリースダッフルだと少々まずい気がしてくる。
まあ、いっか。月曜にスーツの上に着ていこう。

映画『カラマリ・ユニオン』

1985年 監督:アキ・カウリスマキ
BS2 録画


カラマリ・ユニオン

この映画を1回見てストーリーと登場人物を全て把握した、という人はいないだろう。
いや、何回見ても結局分からないと思う。

怪しげな会合を開いている10数人の年齢もまばらな男達。
彼らは皆貧乏で今いる街にうんざりしている。
だから彼らは祖父母から聞いた街の反対側にあるという理想郷エイラに向けて出発する。

とりあえず地下鉄を乗っ取って街の中央まで行き、そこからは各自ばらばらにエイラに向けて旅立つ。
この道程には危険がつきまとう。
なんだかよく分からんが彼らには敵が多い。
一体誰がエイラにたどり着くことが出来るのか?
街で繰り広げられる冒険ロードムービー。
と言ったらこの映画について少し勘違いされることは間違いない。

彼らは名前をフランクと言う。彼ら一人一人の名前が皆フランクなのだ。
しかも多くはサングラスをかけて怪しい雰囲気。
皆同じ名前の上サングラスをかけているもんだから本当誰が誰だかわかんない(サングラスを一度もかけない男もいるが)。
一回見終わってから再び再生して、髪形や服装や体形で特徴つかみながら人物の答え合わせした。
そうしないと分からない。

彼らは一人だったり二人組みだったり、三人、四人と組になって行動する。
この組は流動的で固定しない。
街は相当広いはずだが、彼らは街を歩いたり適当にカフェに入ったりすると偶然か必然か、遭遇する。
しかし彼らに偶然という驚きはない。「やあフランク」と、いたって自然。
彼らはゴキブリのように街のいたる所にいる。ように錯覚する。
朝になり、走る車のボンネットにグラサンの男が寝そべっていたかと思えば、その車が走り去った後にマンホールからこれまたグラサンの髭男がにょきっと現れ、その男が木の上を見上げるとそこには別のグラサン男がいたりする。
サングラスかけた男達は誰が誰でもどうでもいいのだろうか。
いや、フランクという同じ名前、そして同じサングラス姿だが彼ら一人一人には強烈な個性とドラマが付与されている。
ダンディなおっさん、変なおっさん、かっこいい男、孤独な男、変な喋り方する男、とかげみたいな男、素朴な男、等々。
彼らは皆社会の秩序に生きていないが、秩序通りに生き、ドアボーイをする男もいる。
人と人を識別する名前を封じられ、目がサングラスで隠されると、内面に目が行く。
たぶん一度見ただけでは、違う人物を同一人物と捉える勘違いを普通にする可能性もある。
あるシーンで得た男の印象と、後のシーンで得た別の男の印象が合わさって、一人の男の印象が出来上がるのもまた面白いし、気に食わなければ何度も見直してあそこでああいう行動していたやつが後のあのシーンでああいう死に方したやつだな、ときっちり一人一人を識別してもいい。
無個性と個性の融合っていうのは、なにか間近で人物を凝視している様でもあり、どこか遠い所から壮大なスケールで人間を包括的に見つめている様でもあって面白い。

ロックで詩的な映画と言えばいいか。
しかも結構笑える。おもろい。

冒頭の、おっさんが叩くドラムにいかれたらこの映画にはまるだろうな。

2004年2月8日日曜日

映画『恋恋風塵』

1987年 監督:ホー・シャオシェン
BS2 録画


恋恋風塵

真っ暗の画面に小さい緑色の顔のようなものが現れる。
顔は段々と近づいてくる。
手前まで近づいてきたとき、それが顔ではなくトンネルの出口だったと知る。
電車が山間のトンネルを走っているのだ。
トンネルを抜けるとまばゆいばかりの木々の緑が溢れ出す。緑というか黄緑に近い。
右へ左へ、ゆったりとした速度でカーブしながら幻想的に進む電車。トンネルに入っては抜け、その度に優しい緑が満ちる。
見とれていると車内が映る。
車内には少年と少女が椅子に座らずに立ちながら本を読んでいる。
電車がトンネルに入る。すると車内が闇に包まれる。
この包まれ方が、正に闇が襲ってくるとでも言いたいような包まれ方をする。

こんな拙い描写じゃわかんないけど、あまりに素晴らしいオープニング。
映画館の闇の中で遭遇できなかったことが少し悔やまれる。

台湾の鉱村で育った少年ワンと少女ホン。
鉱村だけあって、貧しい大家族や鉱山で働く男の事故、労働者のストライキなどおよそセオリーどおりの事象が描かれる。
しかしその描き方が面白い。
食い物がなくて、調味料や歯磨き粉、しまいには胃酸の薬までつまみ食いしてしまう子供。
当然親は怒る。そんなもん食ったら体に悪いじゃないか!っていう理由じゃなくて、胃酸の薬なんていう高価なもの食いやがって!悪い子だ。石ころでも食ってろ!と言って子供を追い回す。

金がないんだから・・・
ワンは学業優秀な子らしいが、中学卒業と同時に台北に出て働きながら夜学に通うことになる。
ほどなくホンも台北に出稼ぎに来る。

ワンとホンは幼馴染だが恋人同士なのかはよく分からない。しかし仲間や親同士では二人は恋人であり、当然近い将来結婚するものと考えているらしいと次第に分かってくる。
本人たちも将来一緒に暮らすことを当然のことのように考えていることが最後のほうでやっと分かる。
極めて淡々とした描写。

ストーリーに"過程"はほとんどない。
事実と結果がただ静かに流れていくが、その時間の展開は驚くほど早い。
突然仲間を見舞いに行くシーンになり、よく見るとそいつは指を切断するほどの大怪我を負っているのだが、なぜそうなったのかは全く描かれなかったり。
トンネルを抜けるたびに時間と世界が突然表出するように。しかもその世界はもとから当然のようにしてそこに"ある"。

時折挿入される美しい自然の光景は、シーンの余韻の中でさりげなく現れる。
どのシーンでもこれ見よがしに美しいシーンはないのだけど、シーンとシーンがピースとなって紡ぐ全体が恐ろしいほどに美しい。
特に冒頭とラスト。
ワンとホンの恋が痛々しいほどにくっきりと表出したあとに訪れるラストなんて、もう、素晴らしすぎる。

2004年2月3日火曜日

映画『泥棒成金』

1954年 監督:アルフレッド・ヒッチコック
BS2 録画


泥棒成金 スペシャル・コレクターズ・エディション

うん、ふつーに面白かった。

一番面白かったのはケイリー・グラントがバスに乗っているシーン。
後部座席に座ったケイリー・グラントが右に座るおばちゃんとの間に置かれた鳥かごに視線を落とし、次に正面を向いてじっとカメラ目線。そして左を向くとそこには仏頂面したヒッチコックが座っている。
この時のね、ケイリー・グラントの首の、不自然なロボットの様な動きと無表情さがサンダーバードの人形みたいで凄い・・・&笑える。

あとグレイス・ケリーの気品に目が犯されたら、社会復帰できなくなるかのーせーあり。
車上でのケイリー・グラントとのキスシーンは、でこの生え際まで美しい。

2004年2月2日月曜日

映画『風が踊る』

1981年 監督:ホウ・シャオシェン
BS2 録画


風が踊る

オモチャ箱をひっくり返したように色が溢れる。
赤や黄色、青やピンク等々。
特に赤、鮮やかな赤が不自然なほどに画面のパレットの中で光を放っている。
色の反乱は見ていて疲れない程度に抑制されている。

ストーリーは盲目で色を知らない男が角膜手術で目が見えるようになり、刺激的な色の世界に歓喜する話・・・ではなくて、 台湾のアイドルフォン・フェイフェイとケニー・ビーによる爽やかな恋愛映画。
恋愛物の王道すぎるストーリーが清廉な印象。
そしてケニービーのおどけが少しも笑えないどころか痛い上に、ストーカーじゃねえの?と思うシーンが多々あり。
フォン・フェイフェイと親と婚約者の3人で食事するシーンがあるのだけど、そこでフォン・フェイフェイが飯をほおばる姿が笑える。アイドルのくせに口ひん曲げてゴリラみたいにもぐもぐ食ってるから。