at ギンレイホール

勝手にほのぼのムービーだと思っていたから余計ギャップに戸惑う。
親子の感情の疎通が波打つたびに身を削られるように痛い。
痛いんだけどラストの唖然さに止めをさされるとぽっかり胸が空洞になって次第に今までの痛みが慈しみに変わる。
人間ってなんてめんどくさいんだろうとうんざりしながらも今このとき一日一日を全身で受け止めながら生きていこう、っていうようなチープで感傷的な説明したって誰にも伝わらないだろう事は重々分かりながらもディテイルを忘れてしまった今これくらいしか書けない。
母と息子二人は父がいなくてもそれなりに幸せに暮らしていた。
ある日兄弟二人が帰宅するとそこに突然父が帰ってきていた。
ベッドで熟睡する父を二人はじっと見詰め続ける。写真でしか見たことないような父。この知らないおっさんが父なのだ。
戸惑いと期待が交錯する。
翌日、父、兄弟二人は車で旅行に出かけるのだが。
ストーリー展開で楽しむ感じではないが、この映画の映像が持つ吸引力は並々ならない。
スクリーン表層では実に淡々としているけれど、スクリーンよりもっと奥深いところで揺ぎ無い大きな力が常に存在しているような。
うーん・・・
調べてみたらこの監督ってこれがデビュー作らしい。
そして兄アンドレイを演じたウラジーミル君は撮影完了後にロケ地でもあったラドガ湖で溺死してしまったらしい。
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