2005年5月15日日曜日

映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』

2003年 監督:フランソワ・デュペイロン
at ギンレイホール


イブラヒムおじさんとコーランの花たち

1960年代、パリの裏町ブルー通りに暮らす13歳のモモ(ピエール・ブーランジェ)は父親と二人暮らし。
父親は仕事が上手くいっていないのかいつもくら~い。
家族の愛に飢えるモモの専らの関心は早く大人になることで、家の窓から見える街娼を買って初体験を済ませる計画を立てる。
計画は上手くいき、見事大人になったモモ。
しかし生活がどう変わるというわけでもない。
向かいの食料品店でいつものように食料を万引きして小遣いを浮かす。
この食料品店の店主がトルコ移民の老人イブラヒム(オマー・シャリフ)なのね。
イブラヒムはモモの万引きなど昔からお見通しだったけれど、モモの家庭環境を知っているイブラヒムは暖かく見守っていた。
ある時モモはこのろくに話をしたことも無い店主が自分の万引きを知っていた事を知り、それからモモとイブラヒムの間が急速に接近していく。

老人イブラヒムと少年モモの心の交流がみずみずしく描かれる。
幸せな人だけが笑っているのじゃなくて、いつも笑っている人が幸せになる、って教えは面白い。街娼や好きな子には通用しても父親には通用しなかったり。
ラストはこれからモモはどう生きるのだろうっていう過程に対する期待があっさり流されて普通な展開で終わってしまう。
まあ、それでもイブラヒムの故郷に近い村でモモの後をずっと付いて来た子供のなんともいえない表情が素晴らしかったからそれなりに満足。

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