2006年11月26日日曜日

映画『ドッペルゲンガー』

2002年 監督:黒沢清
TV 録画


ドッペルゲンガー

ドッペルゲンガーが喋る、ドッペルゲンガーが他者から見える、触れられる、ドッペルゲンガーが死ぬ。
存在はしていたが実体としては存在していなかったものが今確実に存在して、そして実体は消えても存在としては確実に存在している。
黒沢清の映画はいつも存在と非存在の境が曖昧でいて存在に対する希求が切なくて強い。
早崎(役所広司)から派生したドッペルゲンガーは早崎の内なる欲望を行動に移す力があった。
社会の規範を外れながらも社会に生きる一人の男として存在するドッペルゲンガー。
憎んでも恐れてもドッペルゲンガーは早崎自身の姿だった。
見たくない自分の内なる部分を実体として見る。
と、ストーリーの軸としては自分をもっとよく見つめなさい、っていうような単純なお話。
でも「自分を見つめなおす」というテーマを大仰に語るなんてこっぱずかしい事はしない。
自分を見つめなおそうと思い立った人間をあっけなく(お笑いっぽく)死なすし。
展開としては100%シリアスにコメディが侵食していって、そしてブラックユーモア絡めたチープでポップなロードムービーへ。
思い出すと結構滅茶苦茶でふざけた展開をしているのだけど見ているときはすんなり見たなぁ。
早崎以外の登場人物も皆二面性を持っていてこいつドッペルゲンガー?と思うけどなんかもうどっちでもいい。
とにかく面白いしラストの手をばたばたさせているところなんか思わず泣きそうになる。
ロードムービーの場面なんてこのノリは凄い楽しい。
何なの?あのミラーボールは。ユースケが真剣に逃げてるし。
何なの?ダンカン殴った後のシーンは。役所がかっこいいアウトローみたいで「由佳行くぞ!」「うん」と答える永作博美はそんなかっこいいアウトローの可愛い彼女気取り。
あと、ユースケ・サンタマリアが演じた役ってふと永瀬正敏が演じている錯覚に。顔全然似てないのに。

2006年11月25日土曜日

こたつ

寒いと思ってコタツを出す。

映画『凸凹太閤記』

1953年 監督:加戸敏
BS2 録画


森繁主演。ドタバタ喜劇だと思っていたのだけど、結構真面目。
半分まともなストーリーの中で森繁が喜劇的台詞回しのアクセントを加える。
するときりっとして真面目だった犬千代=前田利家(坂東好太郎)が次第にコメディキャラになり、威厳のある信長(黒川弥太郎)までも首曲がり演技を真面目にやり始める。

「おうとつ」じゃなくて「でこぼこたいこうき」と読むらしい。

2006年11月24日金曜日

映画『ローズ・イン・タイドランド』

2005年 監督:テリー・ギリアム
at ギンレイホール


ローズ・イン・タイドランド

子役ジョデル・フェルランドのために作られた映画だな、これは。
ジョデル・フェルランドは凄く可愛らしくてしかも大人っぽい色気もあるのだけど、段々野暮ったくなってくる。
だってひっきりなしに一人で喋りまくるんだもん。
喋りまくりジョデル・フェルランドの妄想一人空間に中盤からはディケンズ(ブレンダン・フレッチャー)という障害を持って脳手術を受けた男が加わるからきつい。
眠気に襲われるたびに突如挿入される電車や爆発の轟音。ね、寝かしてもくれないのか~。

映画『家の鍵』

2004年 監督:ジャンニ・アメリオ
at ギンレイホール


家の鍵

ヒューマンドラマっていうから全然見る気しなかったのだけど、これはかなり面白い。
かつて難産で恋人を失ったジャンニ(キム・ロッシ・スチュアート)は、今では結婚し子供も生まれている。
しかしジャンニには難産で死んだ母親から取り出されて障害を持って生まれた息子パオロがいて、ジャンニはパオロを手放していた。
ジャンニは15年の時を経て初めて息子に会う。
戸惑いややりきれなさが常に影を射しながらも血のつながった息子との間に確固として存在している愛情を次第に確信していく。

障害児の親たちの決して表情豊かではないが複雑な厚みを持った表情をカメラが切ないくらいに捉え続ける。
キム・ロッシ・スチュアート、シャーロット・ランプリング、役者陣が見事だからこそ。
一瞬も目が離せない位に眼差しを追い続けるまさにヒューマンドラマ。

2006年11月23日木曜日

映画『回路』

2000年 監督:黒沢清
TV 録画


回路 デラックス版

わからない。
なぜ加藤晴彦は会ったばかりで大して親しくもない小雪をいきなり下の名前で軽々しく呼べるのだ。「春江」「春江~!」

ほとんど自然光だけなのか画面が暗すぎてよく分からない。
冒頭のバスのシーンはこれから異世界に行きますって感じでどきどきする。
やってきた異世界は・・・ほとんど意味が分からない。
幽霊サイトとあかずの間の関係って何?
武田真治が仮説として、霊魂のエリアが満杯になりそして現世に溢れ出す装置(回路)が何か馬鹿みたいなきっかけで確立された、と言うのだが大体魂は輪廻転生すれば溢れないじゃない。
その装置ってあかずの間の事?
人間があかずの間をいたるところに作っているけどその意図は何なの?
幽霊の目的は?現世に来たけりゃ勝手に来なさいよ。
人間に接触して生きる気力を無くさせて、しまいには黒い壁の染みにしてしまう意図は?
壁の染みになった奴らが助けてって言うのは幽霊にもなれずに永遠の孤独の世界に閉じ込められたから?

とにもかくにも「何か」が意味不明なまま起こって東京、そして世界から人々が次々に消えていなくなった。
人々は死して永遠の孤独となり、生き残ったわずかな者も周りの人間を失った孤独に苦しみながら当ても無く前に進むしかなかった。

2006年11月22日水曜日

映画『暴れ豪右衛門』

1966年 監督:稲垣浩
BS2 録画


10年位前に大井武蔵野館で見て、懐かしかったので録画。
50年代くらいの作品だと思っていたけど66年だったのか。
ストーリーは全く覚えてなかったのだけど、最後まで見てそういえばこんな中途半端なラストだったなと思い出す。

豪放磊落な郷士の頭豪右衛門はまさに三船そのもの。
46歳くらい?騎馬のシーンといい凄く生き生きしている。
談合シーンや合戦シーン等の奔放なカメラワークも三船と共に力に溢れていて楽しい。
村の焼き討ちシーンの燃え盛る炎は圧倒的。見事な燃えっぷり。

汐留

新しい私になって

月曜深夜から火曜朝にかけて栃木で深夜作業。
明けの火曜日は午後3時頃帰宅。
夜の8時頃まで頑張って起きてから就寝。
18時間くらい寝て今日午後2時頃起床。

コンビニでマガジン買ってきて読む。2時間。
17時頃家を出て会社に。
交通費の精算しようと思ったのに社長がおらず。
汐留へ。

『新しい私になって』本日発売。
熊木杏里。
18時半より汐留のWAVE前でイベントライブ開催。
今回は5分前くらいに到着。
人だかりに突入。待機。
登場。
ステージが高くないため全く見えません。
最前列のおやじの頭が全てを隠す。
まあ、歌が聴ければよしとしよう。
5曲。
チラッと見えた熊木杏里の衣装はこないだの大宮の時と同じだったかな。

2006年11月5日日曜日

映画『チルソクの夏』

2003年 監督:佐々部清
BS2 録画


チルソクの夏 特別版

上野樹里主演だと思っていたのだけど、どうも主役の子が上野樹里に見えない。
細いし小顔だし背も高いし。
まあどうでもいいか。
70年代に下関と釜山が毎年親善陸上大会を開催していて、大会に出場するために釜山にやってきた郁子は釜山の高校生アン君といい仲になる。
そんで来年の大会でまた会おう、と。それまでは文通。って話。
映画自体は面白くも無いがつまらなくも無い。
「津軽海峡冬景色」「あんたのバラード」「カルメン'77」「横須賀ストーリー」「なごり雪」「幸せの黄色いハンカチ」・・・
もういいよってくらいこれみよがしに70年代が流れる。
映像がスローモーションだらけだったり親子の喧嘩シーンが手持ちカメラだったり、なーんかうざさはあるものの親友同士の友情などストーリーは爽やかな青春映画。

郁子の父役に山本譲二。流しの男役。演技のぎこちなさが面白い。
スナックのカラオケをぶっ壊した譲二はリンチ。郁子が救う。カラオケの対価で商売道具のギターが壊されて許される。カラオケの方が数倍高いだろうに。
娘に厳しく当たる父がその娘に助けられるのだが、その情けなさを取り繕うこともせずに去る譲二。
主役の郁子役に水谷妃里。
走り高跳びの選手役なんだけど陸上シーンでは本人が飛んでる。
すらっと伸びた長い脚が凄く綺麗で、背面飛びでバーを越える姿はかっこいい。
郁子の親友役に上野樹里。上野樹里だと言われれば上野樹里だった気がする。公開当時にこの映画を見たとしたら上野樹里がこんなに有名になるとは全く想像できない。
親友4人組の中では主役の郁子と同じかそれ以上くらいに目立つ役どころ。
ミニのワンピースで階段を駆け上るとき、一体誰の目を気にしてかずり上がりそうなワンピースをしきりに手で押し下げる仕草が面白い。
はて、上野樹里は有名になったが4人組で一番可愛かった主役の水谷妃里は今どんな風になっているのかと検索してみると、それなりに活躍している模様。
しかも今日「鉄板少女アカネ」とかいう堀北真希主演のドラマに出るらしい。見なくては。
見てみると一体どこに出ているのか分からない。なんか高飛車な女子高生が出ているがもしやこの子?
むぅ。大人になって顔からなんかかわいさがなくなったというか。

それにしても全く必然性も無くブラジャー姿のシーンが多いのはなんなんだろう。