2008年6月28日土曜日

映画『戦国自衛隊』

1979年 監督:斉藤光正
BS2 録画




小学生の頃にテレビで途中から見て、面白かった記憶がある。
まあ、ヘリからダイブするシーンしか覚えていないのだけど。

自衛隊が戦国時代にタイムスリップ。
っていうアイデア一発でもう楽しい。
ヘリや戦車、圧倒的な火力で戦国の猛者達と合戦を繰り広げる。
・・・しっかし長いな、これ。
見終わったときの疲労感がひどい。
音楽もうるさくてなんかいらっとするし。

戦国時代=息の詰まるような昭和の時代と違う思うままに生きられる時代
その思うままに生きるためには現代から一緒にタイムスリップした各種武器が重要なんだけど、あまりに計画性なく粗末に扱いすぎる。
ガソリン無くなったらヘリも戦車ももう終わりだし、銃だって弾が尽きればもう補充できない。
武器なくしてどうやってこの時代を生きぬくのか。
でもちびちび使っていたら何も面白くないから信玄との一戦で大放出。
近代兵器 VS 武田騎馬軍+武田忍軍
十数人 VS 数千人

にしきのあきらのやられ顔とか結構面白かったな。
あとヘリに乗り込んだのは真田広之だったのか。JAC。恐るべし。

2008年6月22日日曜日

映画『アース』

2007年 監督:アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド
at ギンレイホール




ネイチャードキュメンタリー。
壮大な地球の旅は北極からスタート。
そこからどこをどう廻ったのか一周(?)して北極へ。

撮影はかなり大変だったろうが・・・半分くらい寝てしまった。
NHKでも放送されていた「プラネットアース」を劇場用に編集したものらしい。
昔はこういう自然物が大好きだったのだけどな。
自分が抱えている問題や悩みのちっぽけさを確認するのに自然物はうってつけだったので。

映画『潜水服は蝶の夢を見る』

2007年 監督:ジュリアン・シュナーベル
at ギンレイホール




気がついたら病院のベッドの上だった。
光を上手く収集できずにぼやけた視点で医師達をきょろきょろと見つめる。
この後30分くらいずっと一人称視点。

ELLEの編集長ジャン=ドミニク・ボビーは脳梗塞で倒れ、全身麻痺状態になってしまう。
唯一動くのは左目だけだった。
生きることに絶望するが周りの人たちの支えにより「自分の中に残された人間性にしがみつく」決心をする。

一人称視点というのは面白いのだけど、長いとそれはそれできつい。
だって当の主役がどういう姿をしているのかが全く見えないんだし。
と、自分の姿が見れないというのは実際のジャン=ドミニク・ボビーが陥っている状況と同じであるのだけど、一人称視点にしたからといって主人公の感情とシンクロできるわけではない。
映画の観客は傍観者でしかないのに視点が閉じ込められるとフラストレーションが溜まる。
その苛立ちを和らげてくれるのは、一人称視点という固定位置から部屋の中しか見れない息苦しさを過去の回想シーンやら抽象シーンやらを挟んで広がりを巧みに作っていく演出、ではなくて言語療法士アンリエット(マリ=ジョゼ・クローズ)のあまりに整った顔立ちによる。
一人称なので人と話しているときは話し相手の顔しか映らない。
常にアンリエットの顔面ドアップが映る。
普通の人ならうざいところだけど、アンリエットなら大歓迎と言いたくなる顔立ち。
表情も魅力的でいい女優さん。

色使いのセンスも良くていいシーンも多かったのだけど、少し疲れた。

2008年6月14日土曜日

クロいぜ

先週の日曜の夜、仕事だったので疲れていたのになぜか眠れず。
僕は6畳間の真ん中に布団を引いて寝ているのだけど、うとうとしかけた頃に頭の上の方でビニール袋がガサっと音を立てる。
頭上のテレビの脇に大昔にセブンイレブンで貰った皿やマグカップがビニール袋にいれたまま積み重ねてあって、それが風で揺れたらしい。
しばらくすると今度はテレビのあたりでミシっと音がする。
一瞬体が強張るが、温度の変化でテレビなどが音を立てるのはよくあること。
気にせず寝ることに集中しようとするのだが、なんか気になってしょうがない。
ねずみはもうどっかに消えてるはずだしなぁ。
何もいないはずなのに何かがいる気配を感じてしまう。
でもまあ考えたところで時間の無駄なので寝ることに集中しよう、と思ったところで頭の横のCDを積み重ねている辺りでミシっと音がする。
絶対何かいる!と思ってがばっと起き上がって電気をつけ、まぶしさに眩んだ目を負けずに見開いてCDのあたりを凝視するが別に何もいない。
なんだよ。やっぱり気のせいじゃん。
せっかくだし、落ち着いてたばこを一服。
もう4時じゃん。
ふいーっと思っているとさっき音のした積み重ねたCDの上で黒いものがこそっと動くのを目の端が捉える。
はっとしてそこを見ると、何か黒いものが確かに乗っている。
目が悪いので少し近づいて見ようと思った瞬間、おもむろに黒いものが動き出す。
あっ、ゴキブリ・・・

しかもでかい。茶色のしけたやつじゃなくて黒いやつ。
たばこを指に挟んだまま固まって黒いものの動きをただ見つめる。
CDの上から家具をはいつくばってのろのろ横移動していく。
たまにすべって落ちそうになったりしてなんか弱っているっぽく見える。
と、急にばさっと羽をひろげて落ちるように僕の布団に飛び移ってきた。
思わす「うおっ」と声をあげて玄関に逃げる。
見失わないように位置を確認したあと、さっと目を離して玄関に置いている殺虫剤を掴む。
布団に目を戻すとゴキブリは布団の上を横切り始めていた。
電灯の真下で明るさが気に食わないのか素早くてけてけ横切っていく。
デスクトップパソコンやらごちゃごちゃしているところに逃げ込みそうだったので慌てて噴射。
びっくりしたのか物凄い勢いで窓のカーテンの方に逃げていく。
二回目噴射。
まだ逃げる。
体を痙攣させながらもカーテンをよじ登っていく。
飛ばれると怖いから離れて見守る。
ゴキブリは上まで行った所で行き場が無くてうろうろしている。
突然ぼとっと落ちて、カーテン脇の服の収納BOXの上に落ちる。
収納BOXの上には入りきらない服が無造作に積み重なっているのだけど、その服の上でよろよろと動いて見えなくなってしまった。

服を一枚一枚ばさばさ振って確かめる勇気も無く、とりあえず寝ることにする。
殺虫剤かけたから死ぬだろう、と。
でもあんまりジャストミートしなかったんだよな、ということは忘れるようにして。
殺虫剤の独特の匂いにうなされながらも二時間くらいは寝れたかな。

あれから一週間。
今日も仕事なんだけど土曜なので私服。
私服を着るには先週ゴキブリが消えたあの無造作に積み上げた服を紐解かなければいけない。
まずは一番上の黒いポロシャツ。
恐る恐るつまんで振って見る。
何も起きない。
中を入念にチェックするがどうやら大丈夫そう。
次はズボン。
ポケットがあやしいかなと思いながらも逆さにする前にとりあえず腰をつまんで振って見るとぼとっと黒いものが落ちる。
「うおっ」と再び叫んでしまう。
ぼとって言うんだもん。
完全に死んでいる模様。
なんとなく写真を撮ってみる。
生きていたときに比べて小さくなった気がする。
たばこサイズはあった気がしたが、今はたばこの半分のサイズしかない。
一週間でミイラ化したんだね、きっと。
なんとなく写真撮ってから仕事へ。

2008年6月7日土曜日

映画『いつか眠りにつく前に』

2007年 監督:ラホス・コルタイ
at ギンレイホール




なんか久しぶりな感じがするクレア・デインズ主演。
どっかのばあさんが死にそうになっている。
それを見守る娘二人。
ばあさんは治療薬で幻覚を見ているのか「ハリスと私がバディを殺した」などとうわ言を発する。
誰だよハリスとバディって。
それでばあさんが若い頃、つまりクレア・デインズ登場。
それから過去シーンと現在シーンをいったりきたり。
現在にいちいち戻すなよ。
うざいな。全くもう。
何より現在シーンでばあさんの次女役を演じたトニ・コレットがやばい。
やばいというか単に個人的にこの人が好きじゃない。
嫌いだと思うと全てが嫌いになってくる。(っていうのはいじめの発想と同じかな)
メッシュの入った髪がなんだか汚らしいし、自分はまだ若いと勘違いしているんじゃないかと思わせる上目遣いの表情とか。
役どころもひどくて、自分は人と違って特殊な人間だと思い込んで勝手に思い悩んだりする、まっことうざったい設定。
さらにはどうやら「美人」という設定らしい。?!
だからなおさら現在シーンがうざくなる。
なんでこんなに現在シーンが過去シーンと同じくらいの比重で描かれるかというと、まあそれなりに過去とつながりながら現在でそれぞれのドラマが展開するからなのだけど、それにしても次女(トニ・コレット)のエピソードはいらなくね?
いる、かもしれないけどもう記憶に残らないくらいどうでもいいのでやっぱりいらない。
ばあさんヴァネッサ・レッドグレーヴと品格まで演技できるメリル・ストリープと、長女役のヴァネッサ・レッドグレーヴの実娘だけで十分濃縮できるのに。

それよりもクレア・デインズ。
いつのまにか30目前になっちゃってるんだね。
元々特殊な骨格していて、それがチャーミング(死語?)なんだけど、この映画で一番キモのキレるシーンでは結構顔が歪んでいたな。
それだけ熱が入っているということか。

ラストが泣ける。
母親になったクレア・デインズが泣くのだけど、泣き崩れるんじゃなくて泣きながらも子供に普通に話しかけるんだよ。
母親が母親である瞬間。
キッチンの料理はぐちゃぐちゃになって。

ヴァネッサ・レッドグレーブにメリル・ストリープ。英米の2大女優共演。
かつこの二人の実の娘も出演して親娘共演。
若き日のアン役にクレア・デインズ。
ハリス役には『リトル・チルドレン』のパトリック・ウィルソン。

映画『やわらかい手』

2007年 監督:サム・ガルバルスキ
at ギンレイホール




やわらかい手とは。手コキに最適な手のこと。
ロンドン。
ごく普通の孫までいる主婦マギー(マリアンヌ・フェイスフル)が風俗店で働くようになり、手コキの女王としてその名(源氏名イリーナ・パーム)を轟かす。
コメディーかと思いきや本筋は結構シリアス。
内容が内容だけにコメディチックで笑えるところもあるけど。

マギーには難病の幼い孫がいる。
治療費のために家まで売り払ったマギーだが、孫の治療費はかさむばかりで、しかもオーストラリアで手術を受けなければ命が危ないという状況にまで陥る。
マギーにも息子夫婦にも、もうお金の余裕が無い。
絶望の中働き口を探して街をさまようが初老に近くて働いた経験もないおばさんを雇うところなんかありはしない。
途方にくれた時にふと目に留まったのは接客係募集の張り紙。
怪しい地下に降りていくとそこは風俗店だった。
オーナーのミキ(ミキ・マノイロヴィッチ)はマギーのすべすべしたやわらかい手にほれ込むが、普通の主婦のマギーは風俗店で働くなど想像することもできずに一度は断るのだが。

無機質な壁に丸い穴が開いていて、その穴からにょきっと男性の象徴が現れる。
傍から見ればこんな滑稽で無防備な姿はないけれど、壁で遮断された男女が唯一穴を通して性器でつながるっていう、言葉にするとエロティックなシチュエーション。
壁を挟んでいるから相手が誰だか当然分からない。
まさかおばさんだとは思ってないだろう。
というかおばさんだろうが野郎だろうが実はどうでもいい。
壁で見えないんだから。
どんな女性が触っているんだろうと興味にかられて穴から覗くやつなんて一切出てこない。
壁があって穴があるからそこに入れる。その時一人一人には至福の女性が降りてくる、のだろう。

嫁と姑といったら姑の方が強いイメージがあるが、ここでは嫁の方が強い。
姑マギーはなぜか嫁に疎まれている。
マギーの方では単に孫のオリーが可愛くてしょうがないだけで嫁のそんな態度はなんとも思っていないようだけど。
この嫁のマギーに対する態度の冷たさが本当嫌な感じなのね。
一瞬ブロンドの美人に見えるか性格悪そうな顔に見えなくも無い顔なので、見れば見るほど嫌な顔に見えてくる。
役柄って怖いねぇ。

2008年6月1日日曜日

映画『夜霧の恋人たち』

1968年 監督:フランソワ・トリュフォー
BS2 録画


アントワーヌとコレット・夜霧の恋人たち〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選2〕

ドワネルシリーズの3作目。
ナイーブでトンマでユニーク。一歩間違えれば変質者。

兵役についていたドワネルは度重なる脱走や命令不服従により模範兵の申請むなしく退役処分に。
まずは女だ。
街中を疾走して女を捜す。
もうそのまま襲い掛かりそうな雰囲気。
結局は店の前に立っていた娼婦を見つけて事を成す。
夜、恋人クリスティーヌに会いに家を訪れるが不在。でも両親に引き止められて夕食を一緒にする。
両親に気に入られているっていうのがドワネルっぽい。
ということは『アントワーヌとコレット』みたいに当の恋人はドワネルを友人のような見方をしているんじゃないかと思うが、やっぱりそんな感じ。

恋人の両親の紹介でホテルのドアマンになるが、程なく私立探偵の策略で不倫中の部屋を開けてしまいクビになる。
クビになっちゃったからとりあえず飲みに行くと、先ほどの私立探偵がいて少し話をする。
この私立探偵のせいでクビになったのに恨み言一つ言わないドワネル。
なにこのいい人ぶりは。
そして探偵から探偵の仕事についての高説を聞いた後、では、とあっさり別れてしまう。
だが、探偵は思いとどまってドワネルを引き止め、自分のいる探偵社に入社させる。
いきなり今度は探偵になったドワネル。
全部成り行き。
ドアマンは人の紹介で就いた仕事なのでクビになるといろいろばつが悪そうだが、そんなの気にしない。
紹介してくれた恋人の両親にも普通に今までどおり会って、就いたばかりの探偵の仕事でジョークを言い合ったりするし。
この打算のない精神の自由さがとても気持ちいい。