2008年8月17日日曜日

映画『地上5センチの恋心』

2006年 監督:エリック・=エマニュエル・シュミット
at ギンレイホール




夫と早いうちに死に別れてからというもの、女手一つで二人の子供を育て上げたオデット(カトリーヌ・フロ)。
子供たちは立派に成長し、息子は美容師に。なったがゲイに。
娘は何やってるんだかわからんがとりあえず彼氏を見つけて実家で同居。でもこの彼氏が駄目駄目なプー太郎で足がとてつもなく臭いらしい。
3人+1人が一つ屋根の下で一緒に暮らす。
経済的にあまり恵まれていないのだけど、暗さや不幸さが微塵も感じられない前向きなオデット。
オデットが今一番はまっているのが人気作家バルタザールのロマンス小説を読むこと。
そんなバルタザールが近くでサイン会を行うことを知ったオデットは、会うのは恥ずかしいと思いながらも意を決してバルタザールに会いに行く。
彼のことを思うと心が高揚して体まで宙に浮かび上がってしまう。
そんな状態だからバルタザールの前に行っても自分の名前を正しく言うことができず、オデットは深く落ち込んでしまう。
当のバルタザールは数多いおばさんファンの一人のオデットの事など全く覚えてもおらず、それどころかオデットのサインの番では目の前のオデットよりもセクシーな若い編集者とどう寝るかで頭がいっぱいの状態だった。
かっこいい顔じゃないが人気作家で筋肉むきむきでプレイボーイのバルタザールだが、実はかなりの小心者で、テレビで批評家が自分の新作をこき下ろすのを見て人生の終わりかのように落ち込んでしまう。
オデットの方は、仲間に励まされてバルタザールには言葉でなく手紙で思いを伝えることにして元の元気を取り戻すが、バルタザールは一向に立ち直れない。
それどころか、妻の不倫相手がテレビで自分をこき下ろした憎き奴だったと知って、彼は自殺するところまで追い込まれる。
そんな時ポケットに入っていたオデットからの手紙を偶然取り出して読んだバルタザールは、自分を唯一評価してくれるオデットにすがるように会いに行く。
そして同居。

前置きが長くなったが、つまりハッピーでユーモア満載のコメディ。
陽気で純情なオデットとその子供たち。
息子は母親の性格を受け継ぎ陽気で人のいいあんちゃんになっている。
一方娘はというと常にふてくされ気味で、長い髪が顔を隠して不気味な感じさせする。
それが後半に行くにしたがって段々と険がとれていき、バルタザールの幼い息子と遊んでやる姿なんて本当にいいお姉さんみたいになっている。
あんなにぐれていたのに。
いいお姉さんになるに従って、かわいくない顔立ちのこの娘が非常に可愛く見えてくる。
そして面白いのは家族3人のキャラクタが立っているせいか、娘の変化も「やっぱりオデットの娘なんだね」と普通に納得して安心してしまうところ。
素敵な家族だわ。
登場人物が皆インパクトが強いのね。魅力的だったり強烈だったり。
お向かいさんはスワッピングパーティ好きの筋肉馬鹿夫婦、とか。
登場人物が楽しい=ハッピーな映画。

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