1年位前からちょこちょこワンマンライブやりだしていたからいつか行きたいと思っていたのだけど、ついに行けた。
不測の事態に備えてばっちり仕事も休み、昼過ぎまで寝てたっぷり睡眠を取り、マガジンも読み、毎日聴いているアルバムも1日中聴かずに溜め、準備万端で有楽町へ。
会場内に喫煙所が無いと嫌なのでどこか煙草吸えるところ探して国際フォーラムの周りをうろうろ歩き回っていたのだけど、どこにもなくてしょうがないのでひと気の無い路地でこっそり路上喫煙。千代田区。
開場時間を10分程過ぎてから中へ。
席着く前にうろうろしていると喫煙所発見。後でまた来よう。
ロビーとかにいる人を眺めていると年配も結構多い。
うろうろするのに飽きたので席を見に行く。
チケット買ったのは半月前で結構遅かったためか席は3階2列目。
2列目は両端に人が座っていたので、まだ誰も座っていなかった1列目から2列目の自分の席に脱いだ上着を置いてからまたロビーへ。
煙草吸って戻って着席。
会場の造りを見渡すとクラシックとかのコンサートホールだな、ここ。
確かに熊木杏里のライブで観客がノリノリに飛び跳ねている姿など全く想像できないけど。
じっくり歌声が聴けそうでいい。
3階だから舞台は少し遠いが、隅から隅まで見渡せてなかなかいい席。
ちょっと前置き長く書きすぎた。
1.春隣
時間になっていよいよ開演。
照明が落ち、舞台に人が出てくる。
端のキーボードにスポットライトが当たり、女性らしき人物がおもむろに弾きだしたキーボードからピアノ音が鳴り出す。
「会えなーくーて」
とそのまま女性が歌いだす。
あ、熊木杏里だ。
しかも1曲目から『春隣』。
大音量で熊木杏里の声。
キーボードとギターのみのシンプルな構成での春隣は声が際立ち、息遣いまで聞こえてくる。
ちょっとでも音程はずせば目だってしょうがないような状況で完璧に歌いきる。
ばりばりの声量で圧倒させるようなタイプじゃないから気づきにくいけどかなり歌が上手い。
2.時の列車
ステージ中央に出てきて挨拶の後、次はスタンドで『時の列車』。
バンド構成はギター(エレキ+アコースティックを曲により持ち替え)、ベース、キーボード、ドラムらしい。
3.今は昔
MCで自分の歌のルーツ、フォークソングについて触れた後、懐かしい曲を続けて3曲。
1stAlbamはどこかひねくれた暗さに溢れたAlbamなんだけど、その1stAlbamから『今は昔』。
「今は昔」、って確かに「今は昔」な曲を今の熊木杏里が歌う。
4.天命
3rdAlbumから『天命』。
3rdAlbumの中でもたぶん一番ゆったりした曲で、熊木杏里っぽい曲。
大きく特徴のないメロディーラインだけどやっぱり熊木杏里独特のメロディー。
舞台のバック、中央部分にだけ夕焼けのような風景が映し出される。
5.景色
2ndAlbumから『景色』。
1階の方から手拍子がおきるのであせる。
反射的に僕も手をたたき出したのだけど3階の人たちはあまり手拍子していないらしくて、ほとんど手拍子の音が聞こえてこない。
やる人がまばらなのか全体的にも大きな音になっていなかったし。
ということで控えめにパチパチと。
左の席のスーツのメガネの兄ちゃんも右の席のカップルの男の人も手拍子打っていたけど控えめで。
というか手拍子打つことの方が気になって歌に集中できなかった。
リズム感が乏しいのか歌の方に気を取られるといつのまにか間違えて裏拍で叩きそうになってあれっと思って修正したりしていたので。
それにしてもこの曲で手拍子おきるとは思わなかった。
他に比べると確かにテンポは速いけど。
ノリのいい曲だったのだな、と今更気づく。
6.新しい私になって
懐かしい気分になった後、今度は少し懐かしい『新しい私になって』。
7.朝日の誓い
MCでドラマ旭山動物園物語の話(簡単な曲紹介)から『朝日の誓い』。
8.ひみつ
そしてまた弾き語りに戻り『ひみつ』。
ライブで聴きたかった曲の一つをピアノの弾き語りで聴ける幸せ。
弾き語りになると神がかり的に歌が上手くなるのは気のせいか。
高い音も綺麗な裏声でなんてことない感じに歌う。
転調のCメロに入ってから、あ、そういえばこっからさらに高い音になるな、と思うと、この気持ちの入った歌唱の勢いが高音に苦しんで崩れやしないかと一瞬心配になったけど、聴いてみればむしろ流れに乗ってさらに勢いを増した声で歌うのでそりゃあぞくぞくもする。
何度聴いても名曲だな。
9.歌を捧げて
MCがよく聞こえなかったのだけど小田和正が山本潤子に送った歌のカバーとのこと。
こちらも続けて弾き語りで。
なかなかいい曲。
10.七月の友だち
高校の時窓際大好き、弁当も一人。
高校に行くのも嫌になっていた頃に私に声をかけてくれた友達。
その子に救われた。
という曲紹介から今度はアコースティックギターの弾き語りで『七月の友だち』。
曲のエピソードは知っていたけどMC聞いてからこの曲を聴くと、つくづくこの友達は幸せ者だなと思う。
「そうあなたは私のあこがれ 夏の太陽のように」
後のMCで言うんだけど、この七月の友達は今度結婚するらしい。
4thAlbamのDVDに映っていたあの可愛い子は結婚か。
というかあれからちゃんと連絡取っていたんだね。
11.夏の気まぐれ
上に羽織っていたのを脱いで軽く衣装チェンジ。
ここから再びAlbam『ひとヒナタ』からの曲へ。
12.青春たちの声がする
再び手拍子。
左の席のスーツの兄ちゃんは足組んで体を斜めにしながら体の横辺りで無機的に音のしない手拍子を打っている。
いやいや打っているようでいながらも首はかくかくリズム取っているのでノッているようでもある。
13.モウイチド
ドラムがドラムを普通に叩いた。
というのも熊木杏里の声をメインに据えるために今までスネアをブラシでこすっているような音で柔らかくリズムが刻まれていたのだけど、『モウイチド』はポップな曲なのでリミッターが解除されて心地よくバシバシリズムが刻まれる。
曲調として『景色』とかでもスティックで叩いていそうだけど遠慮無しに叩いたのはこの曲だけだったんじゃないかな。
ドラムだけじゃなくてバンド全体が大音量で音を奏で始めて一気に世界が変わる。
観客の手拍子もバンドの音に合わせて大きくなる。
そうだ、なんで今まで手拍子しづらかったのかって熊木杏里の声を前面に押し出すためにバンドの音が小さかったからだ。
ということで僕も気兼ねなく手拍子を打つ。
でも暫くして手拍子をやめる。
バンドの音と手拍子の波に乗った熊木杏里の歌声があまりにもいい。
声の伸びが半端ない。
そしてリズムにノッてステージ中央を動き回っている熊木杏里にびびる。
Albam『殺風景』とか『無から出た錆』を聞いていた頃に熊木杏里がリズムにノッて動き回る姿なんて誰が想像できよう。
例えば直立不動の前川清が動き回って歌ったらびびるでしょう。それと同じ。
『モウイチド』がこんなに盛り上がる曲だったとは。
じっくり見てじっくり聞きたい気持ちと参加したい気持ちとの葛藤の中、2コーラス目から再び手拍子を打ち出す。
歌い終わった後のMCで「思わず泣きそうになった」という程熊木杏里のテンションも上がった一節。
14.こと
大いに盛り上がった後にキーボードのみで『こと』。
『ひとヒナタ』の中で一番好きな曲。
この曲のエピソードのMCの後に歌詞を聞きながら聴くと一層好きになる。
切なくて、温かくて、優しくて。
泣きそうになる。
15.誕生日
盲目の少女からのメールに感じるところあって作ったというMCの後に『誕生日』。
新しい熊木杏里が詰まった曲。
16.雨が空から離れたら
メンバー紹介してから最後の曲というような事を言うので青天の霹靂みたいになって「えっ、もう?」と思う。
『雨が空から離れたら』。
傷つけたくて 傷つける人なんて
どこにもいない 進むためなんだから
って2ndAlbumに入っている『説教と楓』で
君の言葉は鉄ぽう玉
花火にはなれない
人生を教えたんだと
自負されるのはゴメンだ
そっと ぼくは言葉を捨てる
と歌っていた人と同一人物とは思えない。
歌い終わって深々おじぎしてはけていく。
アンコールの拍手が巻き起こる。
再登場。
En1.やっぱり
改めて聞くとしっとりした名曲だな。
En2.my present
最後の最後はアルバムの最後の曲でもある『my present』。
『モウイチド』で観客のリミッターもいい具合に外れたので手拍子の音も大きい。
片膝ついて投げキッスかましてはけていく熊木杏里。
面白い人だなぁ。
あっという間に終わってしまう。
1時間50分くらいだったかな。
あと何時間でも聴いていたかった。
短いながらも結構満足。
バンドも皆上手く、基本的には熊木杏里の声を邪魔しないように優しく音が紡がれていく。
神経使うだろうな。
盛り上げるところは息のあったセッションで盛り上げて。
全てが熊木杏里の歌声に還元されていく感じ。
おかげで熊木杏里の声を大音量で充分堪能する。
個人的には昔の曲をやるなら『一等星』や『ノラ猫みたいに』や『窓絵』が聴きたかった。
なんで今までライブに行かなかったのだろうと後悔。
『一等星』は前のライブではやっていたみたいだし。
次のライブも絶対行こう。





0 件のコメント:
コメントを投稿