2005年 監督:グエン・ギエム・ダン・トゥアン
BS2 録画
中国映画が見たかったのだけど、手持ちがなかったのでベトナム映画。
NHKアジアフィルムフェスティバルの2007年度上映作品。
初めに軽く映画の紹介VTRが流れたのだけど、ちょっと見るのを迷う。
1970年代っぽい色あいのフィルムで展開されるのは爽やかなロマンチックコメディらしい。
恋愛物は面白くないのだけど、さらに悪いことにはヒロインがあまり美人でない。
でもロードムービーでもあるらしいしってことで一応見てみる。
ハノイからホーチミンまでの列車の中で若い男女が出会う。
出会うといっても男キエンが女チャムアンに親しげな笑顔で話しかけるものの、チャムアンは一方的にキエンを敵視するのだけど。
トランクを荷台に上げようとしたチャムアンがよろけてキエンが支えてヒールで携帯がぐしっとなってチャムアンがぽかんと虚空を見つめてオープニングクレジット、っていう小気味のいい流れはよく言えばなかなかおしゃれ。
二人はひょんなことから、というか富裕層のキャリアウーマンのわがままなのせいなのか、馬鹿なんじゃないかと思うくらいいつも笑顔のキエンが本性を現して繰り出した超悪質な策略なのか分からないが、フエという駅に取り残されてしまう。
そこから二人の旅が始まる。
とりあえずチャムアンの叔父がいるニャチャンに向かうのだけど、持ち金は少ない。
すると、またもや笑顔の裏に隠れたキエンの裏の顔が現れて、無邪気なアイドルファンを騙して体よくバンに乗り込むことに成功するのだった。
と、そんな感じで誰とでも仲良くなれるキエンの性格と裏に隠れた悪の策略により二人の旅は続いていく。
それにしても軽トラの怪しいアンちゃんはいい味出してたな。ゾンビ?幽霊?殺人者?と見せかけて実は、っていうオチ。
出会い、離別、そしてお互いが惹かれあっているのに街では何度もすれ違い、そしていよいよ再会、っていう王道展開。
ただ、離別の後は再会のロマンチックコメディー要素をはらみつつも、お互い自分の生き方を見つめなおす旅が話の中心になる。
政略結婚反対、愛に、夢に生きよう、逃げてちゃ駄目だ、誠実に、着実に前に踏み出そう。
変わりゆくベトナムの街並みと廃れゆく伝統文化にもう一度目を向けなおしつつ、新しい生き方も推奨する。
変わるもの、変わらないもの、もっと視野を広げて世界を、人を見よう。
そしてそれらに気づかせてくれたのは全て愛だ。だから愛って素晴らしい。
っていう帰結。
キエンとチャムアンによる恋愛論から始まった「愛」というキーワードは、現代のベトナム文化に対するメッセージにまで拡がっていくのだけど、映像が弱いのか結局のところ一昔前のチープなトレンディドラマを見ているような印象。
最後の方は結構工夫されていて、全てがキエンの作り話、またはクリーニング屋の少女の作り話なんじゃないかと匂わせている。
なるほど、拙い恋愛論もご都合主義な展開も少女の作り話なら理解できるかも。
懸念していた美人でないチャムアンは最後の方には美しい人に見えてきたな。
そういえば作品が始まる前の紹介VTRで、来日した監督とチャムアン役のズーン・イエン・ゴックが映っていたのだけど、ズーン・イエン・ゴックはショートカットになっていた。
作品を見終わってからもう一度見てみると、メイクのせいか肌も綺麗だし、切れ上がり気味の目はアジアンビューティーに見えてくる。
モデル出身らしい。
まあ、いろいろ小ネタも散りばめられて、つまらなくはなかった。
2009年9月6日日曜日
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