BSプレミアム録画
![毎日が夏休み デラックス版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ZDFGT1TZL.jpg)
大島弓子の同名漫画を『1999年の夏休み』の金子修介が映画化。
主演佐伯日菜子のナレーションが最初はうざかったのだけど、このおとぎばなしに慣れてくると、80年代風少女のセリフ回しで語られる中学生にしては大人びている(まるで他人事のような)思考や、少し棒読みだけど溌剌さに満ち溢れているナレーションが面白くなってくる。
「冗談じゃねぇよ。あたしゃこれでも登校拒否児ですからね。文部省特選映画なんざ見たくねぇ。」
「今日も元気に登校拒否だ」で家を出たスギナ(佐伯日菜子)と、母の再婚相手の成雪(佐野史郎)は、昼間の公園でばったり出会う。
義父もまた、会社を辞めてふらついていたのだった。
「一流企業における17年間というエリート生活は心の苦痛を表現しないキャラクターを形成した」義父の成雪は娘を連れて再就職に動き出す。
丁度「ずっとあなたが好きだった」とか「誰にも言えない」の頃に当たるのかな。佐野史郎は。
表情の無い元エリート会社員の役なのでドラマのイメージのままに見ると結構怖いかもしれない。
役柄はちょっと常識とずれているが心優しい男なんだけど。
じぐざくのスロープを佐野史郎が自転車で必死こいて下るシーンはいいな。
下りきるまでカメラが引きのままだったら泣いていたかもしれない。
それにしてもこのスロープはどこにあるんだろう。凄い面白いので行ってみたい。
ラストは何かすっきりするようなしないような、あっという間、という感じだった。
それなりに盛り上がった後でのラストではあるのだけど。
普通学校に戻るじゃん。義務教育中なんだし。
学校というもの自体を否定しているよな。
いじめられていた子は唯一の友達スギナが戻ってくるのを待っていただろうに。
意地の悪い人達しかいないような学校なんて百害あって一利なし。サヨウナラ。
確かにそんな学校に通うより、同等かそれ以上の教育を受けた上に美化された仕事という冒険によって貴重で充実した少女時代を過ごしたことだろう。
この全てが順調に運ぶおとぎ話のようなお話だからこそ、穏やかな日差しの中での気持ちのいい午睡が、爽やかさと共に不穏さをはらんでいる。
夢落ちならまだしもなんかとんでもないどんでん返しが待っているような。
映像も眠っているスギナのアップから引いていく時に、地震のように少し画面が揺れたりするし、セミの声だけのなんともいえない静寂の間とか、何か不安を掻き立てるような要素に見えてしまう。
たぶん素直に見れば爽やかで片付けられるだろう。
うん、素直に見よう。これは爽やかなおとぎ話なんだと。
大人びているスギナが、義父を父というより恋人のように見ている気がするのも気になるところ。
いくつになっても美しい風吹ジュンが、髪型のせいか老けて野暮ったく見えた。
高橋ひとみは綺麗だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿