2010年 監督:マット・リーヴス
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
予告編が上手い。
いじめを扱った人間ドラマかサスペンスかホラーかよく分からない曖昧さ。
見る前に劇場のドアの前に並んでいると、子供の叫び声が大音響で継続して漏れ聞こえてきたのでホラーか、と知る。
ホラー、と言えばそうだが、小さな恋のメロディみたいな少年少女の恋愛物ともいえる。
ただしR15+だけど。
オーウェン役のコディ・スミット=マクフィー君は色白の美少年だが今田耕司に似ている不思議な顔立ち。
アビー役のクロエ・グレース・モレッツは美少女ではあるけど、時折嫌に老けた表情をする。
コディ・スミット=マクフィーの方が女の子として可愛らしく見えたりもするし。
演技でやっていたら凄いな。
公式ページにあるクロエ・グレース・モレッツのコメント動画を見ると普通の少女と言う感じ。
CGがちゃっちいので低予算映画かと思ったら、スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッドリメイクらしい。
じゃああれで結構金かけてるのか。
2012年1月29日日曜日
映画『ウィンターズ・ボーン』
2010年 監督:デブラ・グラニック
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
アジアの自然の緑って豊穣な緑って感じだけど、アメリカの緑ってなんであんなにくすんでいるんだろう。
まして冬ならなおさら寒々しさしか感じない。
そもそもアメリカって木生えてたっけ?とすら思う。
ファミコンソフトのMOTHERでグリズリーが出てきそうな雰囲気だ。冬だけど。
この映画はアメリカ中西部ミズーリ州のオザーク高原というところが舞台らしい。
予告編の印象では少女が失踪している父親を探して旅に出て成長していくロードムービーなのかと思っていたけど、そんな生易しいもんじゃなかった。
そもそも主人公の17歳の少女は幼い弟妹と精神を病んだ母親を一人で支える一家の大黒柱であって、ちんたら旅に出てくそどうでもいい成長のドラマを経験しなくても生活的には十全に大人だった。
自立しているとか以前に既にいろんなものを背負っているから。
体つきもがっちりしているし。
山の中の寂れた田舎町では、血縁関係にある一族が結束して強固な共同体を作っていた。
しかも「ならず者」という言葉がぴったりの集団。
ならず者に性別年齢は関係なく、一族総ならず者なので怖い。
彼らを堅く結びつけるものに血縁と「おきて」がある。
掟がなんなのかよく分からなかったけど、とにかく掟は絶対で、それを破るものは誰であろうと死の制裁が加えられる。
家族の生活を守るため失踪した父親を探すリー(ジェニファー・ローレンス)は、叔父や遠縁の親族を当たってみるが、誰もがリーを門前払いする。
それでも強引に一族の有力人物とコンタクトを取ろうとすると、一族の女達による消される寸前の集団リンチに合う。。
ストーリー自体はよくわからなかった点があるものの、早くも今年見た映画のNo.1にしたいくらい面白かった。
最後の方で叔父を見送るリーの表情に涙出そうになった。
ジェニファー・ローレンスは初めて見たけど、この子は本当にいい女優さんだな。
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
アジアの自然の緑って豊穣な緑って感じだけど、アメリカの緑ってなんであんなにくすんでいるんだろう。
まして冬ならなおさら寒々しさしか感じない。
そもそもアメリカって木生えてたっけ?とすら思う。
ファミコンソフトのMOTHERでグリズリーが出てきそうな雰囲気だ。冬だけど。
この映画はアメリカ中西部ミズーリ州のオザーク高原というところが舞台らしい。
予告編の印象では少女が失踪している父親を探して旅に出て成長していくロードムービーなのかと思っていたけど、そんな生易しいもんじゃなかった。
そもそも主人公の17歳の少女は幼い弟妹と精神を病んだ母親を一人で支える一家の大黒柱であって、ちんたら旅に出てくそどうでもいい成長のドラマを経験しなくても生活的には十全に大人だった。
自立しているとか以前に既にいろんなものを背負っているから。
体つきもがっちりしているし。
山の中の寂れた田舎町では、血縁関係にある一族が結束して強固な共同体を作っていた。
しかも「ならず者」という言葉がぴったりの集団。
ならず者に性別年齢は関係なく、一族総ならず者なので怖い。
彼らを堅く結びつけるものに血縁と「おきて」がある。
掟がなんなのかよく分からなかったけど、とにかく掟は絶対で、それを破るものは誰であろうと死の制裁が加えられる。
家族の生活を守るため失踪した父親を探すリー(ジェニファー・ローレンス)は、叔父や遠縁の親族を当たってみるが、誰もがリーを門前払いする。
それでも強引に一族の有力人物とコンタクトを取ろうとすると、一族の女達による消される寸前の集団リンチに合う。。
ストーリー自体はよくわからなかった点があるものの、早くも今年見た映画のNo.1にしたいくらい面白かった。
最後の方で叔父を見送るリーの表情に涙出そうになった。
ジェニファー・ローレンスは初めて見たけど、この子は本当にいい女優さんだな。
2012年1月15日日曜日
映画『サンザシの樹の下で』
2010年 監督:チャン・イーモウ
製作国:中国
at ギンレイホール
文化大革命の時代に生きた青年と少女の恋愛物。
ストーリーで泣くことはまず無いのだが、これはちょっと涙出そうになった。
ラストのあのメイクは反則すぎる。
プラトニックを貫こうとしたのは彼女の将来を思ってか。
場面展開がテロップで行なわれたりしているのがサイレント映画風で、実際セリフもそんなに多くないので雰囲気に合っている。
セリフは少ないけど些細な動作や小道具や音で、感情豊かに綴られていく。
特にジンチュウの足の包帯を巻きなおしてやるスンの傍らで、ジンチュウの母親が立てる内職の音が印象に残る。
チャン・イーモウはこのブログを調べてみると2004年に見た『HERO』一本しか引っかからないから、相当久しぶりだ。
最近は変なのしか撮っていないらしいから原点回帰みたいな感じなのかな。
中国の農村のシーンが抜群に良くて、直前に見た『シャンハイ』でごみごみした映像を見させられた分、凄く安心して落ち着く。
今回のギンレイのプログラムはおそらくコン・リーつながりだと思うが、農村風景を見ていると、こういう長閑な農村地帯で静かに力強く命を躍動させていたコン・リーが、時を経て『シャンハイ』という輪郭のぼやけた映像世界に現れていたのかと思うと不思議な感慨がある。
ジンチュウを演じた主演女優のチョウ・ドンユイは何千人もの中から抜擢されたらしい。
有名になるかな。モウガール。
製作国:中国
at ギンレイホール
文化大革命の時代に生きた青年と少女の恋愛物。
ストーリーで泣くことはまず無いのだが、これはちょっと涙出そうになった。
ラストのあのメイクは反則すぎる。
プラトニックを貫こうとしたのは彼女の将来を思ってか。
場面展開がテロップで行なわれたりしているのがサイレント映画風で、実際セリフもそんなに多くないので雰囲気に合っている。
セリフは少ないけど些細な動作や小道具や音で、感情豊かに綴られていく。
特にジンチュウの足の包帯を巻きなおしてやるスンの傍らで、ジンチュウの母親が立てる内職の音が印象に残る。
チャン・イーモウはこのブログを調べてみると2004年に見た『HERO』一本しか引っかからないから、相当久しぶりだ。
最近は変なのしか撮っていないらしいから原点回帰みたいな感じなのかな。
中国の農村のシーンが抜群に良くて、直前に見た『シャンハイ』でごみごみした映像を見させられた分、凄く安心して落ち着く。
今回のギンレイのプログラムはおそらくコン・リーつながりだと思うが、農村風景を見ていると、こういう長閑な農村地帯で静かに力強く命を躍動させていたコン・リーが、時を経て『シャンハイ』という輪郭のぼやけた映像世界に現れていたのかと思うと不思議な感慨がある。
ジンチュウを演じた主演女優のチョウ・ドンユイは何千人もの中から抜擢されたらしい。
有名になるかな。モウガール。
映画『シャンハイ』
2010年 監督:ミカエル・ハフストローム
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
1941年の太平洋戦争開始直前の上海で、一人の米国諜報員が殺された。
殺されたコナーの同僚であり親友でもあった諜報員のポール(ジョン・キューザック)は、上官からコナーが追っていた人物、そしてコナーの死の謎を追うように命じられる。
ストーリー自体は別にどうでもいい感じ。
いってみればこれは男の魅力対決の映画だ。
チョウ・ユンファ VS 渡辺謙 VS ジョン・キューザック
見る前に名前だけで判断するとチョウ・ユンファの圧勝じゃんと思うけど、思いのほかKen Watanabeも魅力を発揮している。
アジア勢二人が拮抗して輝いている中、主役のはずのジョン・キューザックが残念な感じに。
欧米人に混じってアジア人が出てくると、大抵はアジア顔の方がやぼったく見えるはずなのになぁ。
ジョン・キューザックは嫌いな役者じゃないけど、アジア勢二人が全力で生きている厳しいかっこよさがある中、いいとこのぼっちゃん育ちのベビーフェイスが諜報員ごっこしているような雰囲気。
ピンチになっても自分だけは死なないみたいな余裕すらある。諜報員ごっこなんだから。
魅力的な男ほど死して輝きを永遠にしなければならない。だから死んだ奴が主役だ。
この3人、いや2人と対等に渡り合うのがアジア映画界の至宝コン・リー。
もう40後半だというのに若々しすぎて恐ろしい。
無名の素人かと思っていたスミコ役は菊地凛子だったらしい。
へー、そうなんだ。
今予告編見直していて思ったけど、チョウ・ユンファが劇団ひとりに見えてきた。。
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
1941年の太平洋戦争開始直前の上海で、一人の米国諜報員が殺された。
殺されたコナーの同僚であり親友でもあった諜報員のポール(ジョン・キューザック)は、上官からコナーが追っていた人物、そしてコナーの死の謎を追うように命じられる。
ストーリー自体は別にどうでもいい感じ。
いってみればこれは男の魅力対決の映画だ。
チョウ・ユンファ VS 渡辺謙 VS ジョン・キューザック
見る前に名前だけで判断するとチョウ・ユンファの圧勝じゃんと思うけど、思いのほかKen Watanabeも魅力を発揮している。
アジア勢二人が拮抗して輝いている中、主役のはずのジョン・キューザックが残念な感じに。
欧米人に混じってアジア人が出てくると、大抵はアジア顔の方がやぼったく見えるはずなのになぁ。
ジョン・キューザックは嫌いな役者じゃないけど、アジア勢二人が全力で生きている厳しいかっこよさがある中、いいとこのぼっちゃん育ちのベビーフェイスが諜報員ごっこしているような雰囲気。
ピンチになっても自分だけは死なないみたいな余裕すらある。諜報員ごっこなんだから。
魅力的な男ほど死して輝きを永遠にしなければならない。だから死んだ奴が主役だ。
この3人、いや2人と対等に渡り合うのがアジア映画界の至宝コン・リー。
もう40後半だというのに若々しすぎて恐ろしい。
無名の素人かと思っていたスミコ役は菊地凛子だったらしい。
へー、そうなんだ。
今予告編見直していて思ったけど、チョウ・ユンファが劇団ひとりに見えてきた。。
2012年1月5日木曜日
1月INFO
- 1月4日(水)午後1:00~2:24 BSプレミアム
- 「瞼の母」1962年・ 日本
〔監督・脚本〕加藤泰 - 1月5日(木)午後1:00~2:30 BSプレミアム
- 「関の彌太ッぺ」1963年・ 日本
〔監督〕山下耕作 - 1月6日(金)午後1:00~2:51 BSプレミアム
- 「反逆児」1961年・ 日本
〔監督・脚本〕伊藤大輔 - 1月16日(月)午後10:02~11:13 BSプレミアム
- 「祇園の姉妹(きょうだい)」1936年・ 日本
〔監督・原作〕溝口健二 - 1月17日(火)午後1:00~2:47 BSプレミアム
- 「突然炎のごとく」1961年・ フランス
〔監督・脚本〕フランソワ・トリュフォー - 1月18日(水)午後10:02~11:44 BSプレミアム
- 「姉妹」1955年・ 日本
〔監督・脚本〕家城巳代治
〔出演〕野添ひとみ、中原ひとみ - 1月23日(月)午後1:00~3:13 BSプレミアム
- 「魂のジュリエッタ」1965年・ イタリア/フランス
〔監督・原案・脚本〕フェデリコ・フェリーニ - 1月24日(火)午後1:00~2:49 BSプレミアム
- 「道」1954年・ イタリア
〔監督・脚本〕フェデリコ・フェリーニ - 1月25日(水)午後1:00~2:43 BSプレミアム
- 「あゝ結婚」1964年・ イタリア/フランス
〔監督〕ビットリオ・デ・シーカ - 1月25日(水)午後9:00~11:03 BSプレミアム
- 「天然コケッコー」2007年・ 日本
〔監督〕山下敦弘 - 1月29日(日)午後10:02~午前0:24 BSプレミアム
- 「真実一路」1954年・ 日本
〔監督〕川島雄三 - 1月30日(月)午後1:00~2:28 BSプレミアム
- 「風の中の子供」1937年・ 日本
〔監督・脚本〕清水宏 - 1月31日(火)午後1:00~2:27 BSプレミアム
- 「人情紙風船」1937年・ 日本
〔監督〕山中貞雄
いっぱい挙げてみたけど、どれも見たことあるので個人的には気になるものはそんなに無い。
見てない中だと「天然コケッコー」ってやつと溝口、川島雄三、清水宏のやつかな。
あ、
あけましておめでとうございます
なんかGoogle+にあるFlashゲームやりまくっていたら正月なんてあっという間に終わって、さっき2週間以上前に見た映画の感想をやっとUPし終えたところ。
今日(昨日)見てきたギンレイの映画の感想は一体いつになるだろう。
2012年1月4日水曜日
映画『海洋天堂』
2010年 監督:シュエ・シャオルー
製作国:中国
at ギンレイホール
自閉症の息子と末期がんの父親の親子の絆を描いた感動作。
主演はカンフーアクション無しのジェット・リー。
撮影はクリストファー・ドイル。
音楽は久石譲。
という期待する要素が全く無い中、怖いもの見たさのような気持ちで見始めると、冒頭の揺れる水面に手を浸すシーンがあまり美しくなくていきなり躓いたものの、一応最後までそれなりに見れる。
予想の範囲は決して超えないけど。
今までジェット・リーの演技というと、あの童顔から繰り出す無邪気な笑顔と、目を見開いて呆然とした驚きor悲しみの表情くらいしか記憶に無いのだけど、少し白髪の混じった髪にめがねを掛けていて、おお、なんだか普通の俳優が演技しているように見える。
真面目で純朴な男の役なら彼にぴったりかもしれない。
でもジェット・リーの顔立ちってなんか特殊なんだよね。童顔だからかな。
もちろん特殊な顔した役者なんて腐るほどいるけど(スティーヴ・ブシェミとかクラウス・キンスキーとか岸部一徳等々)、特殊で強烈な顔と演技で破壊する寸前の存在感を発揮する役者達と違って、ジェット・リーの特殊な顔は最も映画栄えしない顔立ちという感じがする。(無個性とか、どこにでもいそうな顔立ちというならまだしも)
映画栄えしない顔立ちだからこそ超絶美麗なカンフーアクションが彼の体を覆い尽くすようにぴったり張り付いているのであって、体の一部、いや大部分といっていいカンフーアクションを強引に引き剥がしたら痛々しく内蔵が顕になるようなもんだ。
過去のイメージってやつかね。
見る前に思っていたよりかは普通に素の役者ジェット・リーを見ることができたけど、志村けんが映画に出たらどんなに上手くてもコントのイメージが完全に拭いきれないのに似て、違和感からたまにふと我に返って過去のカンフーアクションを思い出したり、この役を見たことも無い無名の俳優が演じていたらどういう印象になっていただろうなどと考えたりしてしまう。
ああ、でも北野武や鶴瓶は最初から何の違和感もなかったな。
・・・違いがよく分からない。実のところ演技の良し悪しなんてさっぱり分かっていないし。
ジェット・リーは普通の俳優として何本も映画に出てくれば慣れるかもしれない。
ただ、カンフーアクションをしない俳優ジェット・リーを望んでいる人は少ないと思うが。
ちょろっと出てくる妻役の女優さんが綺麗だ。
ジェット・リーは脚本にほれ込み、ノーギャラで出演しているらしい。
ちょっとネットで検索してみると、軒並み高評価の模様。
つまらなくはなかったけど、閉塞的に美の上澄みを断片で掬い取っていくようなスカスカ感とスタイリッシュさの間を紙一重で切り抜けていくようなクリストファー・ドイルのカメラはこの脚本に合わないし、久石譲の音楽は相変わらず甘く主張しすぎて邪魔だし、で個人的にはそんなに面白くはなかった。
世界中にいる自閉症の人達は、両親が死んでしまった後一体どのように過ごしているのだろう。
ギンレイホールのプログラム構成は、前回の『人生、ここにあり!』とこれを組み合わせた方が面白そうだ。
製作国:中国
at ギンレイホール
自閉症の息子と末期がんの父親の親子の絆を描いた感動作。
主演はカンフーアクション無しのジェット・リー。
撮影はクリストファー・ドイル。
音楽は久石譲。
という期待する要素が全く無い中、怖いもの見たさのような気持ちで見始めると、冒頭の揺れる水面に手を浸すシーンがあまり美しくなくていきなり躓いたものの、一応最後までそれなりに見れる。
予想の範囲は決して超えないけど。
今までジェット・リーの演技というと、あの童顔から繰り出す無邪気な笑顔と、目を見開いて呆然とした驚きor悲しみの表情くらいしか記憶に無いのだけど、少し白髪の混じった髪にめがねを掛けていて、おお、なんだか普通の俳優が演技しているように見える。
真面目で純朴な男の役なら彼にぴったりかもしれない。
でもジェット・リーの顔立ちってなんか特殊なんだよね。童顔だからかな。
もちろん特殊な顔した役者なんて腐るほどいるけど(スティーヴ・ブシェミとかクラウス・キンスキーとか岸部一徳等々)、特殊で強烈な顔と演技で破壊する寸前の存在感を発揮する役者達と違って、ジェット・リーの特殊な顔は最も映画栄えしない顔立ちという感じがする。(無個性とか、どこにでもいそうな顔立ちというならまだしも)
映画栄えしない顔立ちだからこそ超絶美麗なカンフーアクションが彼の体を覆い尽くすようにぴったり張り付いているのであって、体の一部、いや大部分といっていいカンフーアクションを強引に引き剥がしたら痛々しく内蔵が顕になるようなもんだ。
過去のイメージってやつかね。
見る前に思っていたよりかは普通に素の役者ジェット・リーを見ることができたけど、志村けんが映画に出たらどんなに上手くてもコントのイメージが完全に拭いきれないのに似て、違和感からたまにふと我に返って過去のカンフーアクションを思い出したり、この役を見たことも無い無名の俳優が演じていたらどういう印象になっていただろうなどと考えたりしてしまう。
ああ、でも北野武や鶴瓶は最初から何の違和感もなかったな。
・・・違いがよく分からない。実のところ演技の良し悪しなんてさっぱり分かっていないし。
ジェット・リーは普通の俳優として何本も映画に出てくれば慣れるかもしれない。
ただ、カンフーアクションをしない俳優ジェット・リーを望んでいる人は少ないと思うが。
ちょろっと出てくる妻役の女優さんが綺麗だ。
ジェット・リーは脚本にほれ込み、ノーギャラで出演しているらしい。
ちょっとネットで検索してみると、軒並み高評価の模様。
つまらなくはなかったけど、閉塞的に美の上澄みを断片で掬い取っていくようなスカスカ感とスタイリッシュさの間を紙一重で切り抜けていくようなクリストファー・ドイルのカメラはこの脚本に合わないし、久石譲の音楽は相変わらず甘く主張しすぎて邪魔だし、で個人的にはそんなに面白くはなかった。
世界中にいる自閉症の人達は、両親が死んでしまった後一体どのように過ごしているのだろう。
ギンレイホールのプログラム構成は、前回の『人生、ここにあり!』とこれを組み合わせた方が面白そうだ。
映画『木洩れ日の家で』
2007年 監督:ドロタ・ケンジェジャフスカ
製作国:ポーランド
at ギンレイホール
モノクロの病院のドアの窓ガラスににょきっと現れる老婆の顔。
人生が刻みこまれたような深い皺が寡黙に美しい。
この老女の対応をする太った中年女医が横柄な態度な分醜く見えるため、一層この老女が引き立つ。
全編モノクロ作品ということであまり見る気がしなかったけど、この出だしを見る限り結構面白いんじゃないかと期待する。
中盤少し眠くなったけど、全体的には50年代前半辺りの佳作を観ている感じでなかなか面白かった。
ワルシャワ郊外の緑豊かな土地にひっそり佇む木造の古いお屋敷。
91歳になるアニェラ(ダヌタ・シャフラルスカ)はこのお屋敷で愛犬フィラデルフィアを話し相手に静かに暮らしていた。
アニェラは結婚して市街に住んでいる息子の家族と一緒にこの屋敷に住みたかったが、アニェラと違い息子はこの屋敷に何の執着も無かった。
隣人を双眼鏡で覗き見し、フィラデルフィアに話しかける毎日。
たまに息子が孫娘を連れて顔を見せに来るが、ぷくぷく太った孫娘はわがままで祖母に対する愛情のかけらも無い。
仕舞には信じていた息子が。。
冒頭の市街地のシーンで車のブレーキの音が鳴り響いたので、実はアニェラはこの時死んでいて、それに気付かず幽霊のまま生活している、というM・ナイト・シャマラン落ちなんじゃないか?ばればれだぜ、と途中まで信じていたけど、ちゃんと生きていたらしい。
始まって20分くらいはアニェラの事を皆無視している風だったので意図的にやっている気もするが、ただの孤独な老人という演出だったのかな。
登場人物はそれなりにいるけど、8割方アニェラとフィラデルフィアだけとなる。
アニェラを演じたダヌタ・シャフラルスカは1915年生まれで、世界現役最高齢の女優さんらしい。
ちょっとした表情の変化やさりげない仕草にこの役と本人の積み重ねてきた人生が詰まっているようで目が離せない。(途中うとうとしたけどね)
このダヌタ・シャフラルスカと対等に張り合っているのがフィラデルフィアで、本当どういう調教しているのだろう。
両者の演技合戦が見物になっている。
主演犬優賞をあげたいもんだ。
ラストの方のブランコのシーンはもっと感動シーンになるはずだと思うのに、変にカメラが動きすぎて気持ち悪かった。
それ以外に不満は特に無い。
製作国:ポーランド
at ギンレイホール
モノクロの病院のドアの窓ガラスににょきっと現れる老婆の顔。
人生が刻みこまれたような深い皺が寡黙に美しい。
この老女の対応をする太った中年女医が横柄な態度な分醜く見えるため、一層この老女が引き立つ。
全編モノクロ作品ということであまり見る気がしなかったけど、この出だしを見る限り結構面白いんじゃないかと期待する。
中盤少し眠くなったけど、全体的には50年代前半辺りの佳作を観ている感じでなかなか面白かった。
ワルシャワ郊外の緑豊かな土地にひっそり佇む木造の古いお屋敷。
91歳になるアニェラ(ダヌタ・シャフラルスカ)はこのお屋敷で愛犬フィラデルフィアを話し相手に静かに暮らしていた。
アニェラは結婚して市街に住んでいる息子の家族と一緒にこの屋敷に住みたかったが、アニェラと違い息子はこの屋敷に何の執着も無かった。
隣人を双眼鏡で覗き見し、フィラデルフィアに話しかける毎日。
たまに息子が孫娘を連れて顔を見せに来るが、ぷくぷく太った孫娘はわがままで祖母に対する愛情のかけらも無い。
仕舞には信じていた息子が。。
冒頭の市街地のシーンで車のブレーキの音が鳴り響いたので、実はアニェラはこの時死んでいて、それに気付かず幽霊のまま生活している、というM・ナイト・シャマラン落ちなんじゃないか?ばればれだぜ、と途中まで信じていたけど、ちゃんと生きていたらしい。
始まって20分くらいはアニェラの事を皆無視している風だったので意図的にやっている気もするが、ただの孤独な老人という演出だったのかな。
登場人物はそれなりにいるけど、8割方アニェラとフィラデルフィアだけとなる。
アニェラを演じたダヌタ・シャフラルスカは1915年生まれで、世界現役最高齢の女優さんらしい。
ちょっとした表情の変化やさりげない仕草にこの役と本人の積み重ねてきた人生が詰まっているようで目が離せない。(途中うとうとしたけどね)
このダヌタ・シャフラルスカと対等に張り合っているのがフィラデルフィアで、本当どういう調教しているのだろう。
両者の演技合戦が見物になっている。
主演犬優賞をあげたいもんだ。
ラストの方のブランコのシーンはもっと感動シーンになるはずだと思うのに、変にカメラが動きすぎて気持ち悪かった。
それ以外に不満は特に無い。
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