2012年1月15日日曜日

映画『サンザシの樹の下で』

2010年 監督:チャン・イーモウ
製作国:中国
at ギンレイホール




文化大革命の時代に生きた青年と少女の恋愛物。
ストーリーで泣くことはまず無いのだが、これはちょっと涙出そうになった。
ラストのあのメイクは反則すぎる。
プラトニックを貫こうとしたのは彼女の将来を思ってか。

場面展開がテロップで行なわれたりしているのがサイレント映画風で、実際セリフもそんなに多くないので雰囲気に合っている。
セリフは少ないけど些細な動作や小道具や音で、感情豊かに綴られていく。
特にジンチュウの足の包帯を巻きなおしてやるスンの傍らで、ジンチュウの母親が立てる内職の音が印象に残る。

チャン・イーモウはこのブログを調べてみると2004年に見た『HERO』一本しか引っかからないから、相当久しぶりだ。
最近は変なのしか撮っていないらしいから原点回帰みたいな感じなのかな。
中国の農村のシーンが抜群に良くて、直前に見た『シャンハイ』でごみごみした映像を見させられた分、凄く安心して落ち着く。
今回のギンレイのプログラムはおそらくコン・リーつながりだと思うが、農村風景を見ていると、こういう長閑な農村地帯で静かに力強く命を躍動させていたコン・リーが、時を経て『シャンハイ』という輪郭のぼやけた映像世界に現れていたのかと思うと不思議な感慨がある。

ジンチュウを演じた主演女優のチョウ・ドンユイは何千人もの中から抜擢されたらしい。
有名になるかな。モウガール。

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