2014年 監督:デイミアン・チャゼル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
予告編見て思い出した。
「ラスト9分19秒 映画史が塗り替えられる」
って、ああ、またラストでしょうもないどんでん返しがあるようなインパクトのみの映画かぁ、みたいに思っていたんだった。
本編見ているときは予告編のことなんてすっかり覚えていなくて、で、問題のラスト。
いや、絶対ただでは済まないでしょう、っていう強烈な不安から来る緊張感で心臓ばくばくしながら突入したラスト9分19秒、映画史がどうこうはよく知らないが、一言で言うならとにかく圧巻だった。
とかいうチープな言葉しか出てこないけど、筆舌を尽くせばネタばれになるからさぁ。。
最近エンドロールが流れるころには見た映画を忘れているくらいのドライさだったけど、久しぶりに余韻がしばらく消えないくらい興奮した。
しかし見事だわ。ドラマ的にも演出的にも恐ろしく感動的に昇華されたラスト。ラストのワンカットが静かな余韻を残す名作ならいっぱいあるけど、こんなに長い時間かけて暴力的に飲み込んでくるラストは初めてだ。
ストーリーの概要はまあ予告編のとおり。
名門音楽大学の中にあってさらに最高峰にあるテレンス・フレッチャー教授(J・K・シモンズ)のバンドに加入することが叶ったドラマーのアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)。
揚々と参加した練習では鬼のしごきが待っていた。
予告編にまんまあるけど、椅子は飛ぶ、ひっぱたかれる、罵詈雑言を浴びせられる。
ニーマンと雑談を交わして得たニーマンが父子家庭だという情報も駆使して父親の悪口まで言う。
アニメおたくなら「俺のことはなんと言ってもかまわない。だけど親父の悪口は許さん!」とよくあるセリフを吐いて怒り出しそうなところ。
トロンボーンパートのしごきなんか凄かった。
音程がずれている奴がいるといって一人の気弱そうな青年に思いっきり顔を近づけて大声で罵詈雑言を浴びせかける。
音程がずれていることを分かっていたのか?分からないのか?分からないなら問題外だ!出て行け、みたいな。
その後のオチがまじかよってくらいひどい。
厳しくすることに美学を持っている人ってたまにいるよね。
大体が切れやすくて情緒不安定なだけなんだけど、自分が悪者になることで相手が伸びればそれでいい、みたいな後付け論理で正当化する人。
フレッチャー教授もどちらかというとその部類。
ラストの方ではせこい小物臭まで漂わせ始める。
でもそこまで落としておいてからのあれ、だからこそのラストだよな。
ちなみに俺はほめられて伸びるタイプ。
2015年11月15日日曜日
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