2020年8月15日土曜日

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

2019年 監督:クエンティン・タランティーノ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




タランティーノの初期2作は見ていないというのもあって特に思い入れもない、というか映画オタク達が毎回分析しているようにいろんなものが散りばめられていてなんか面倒くさいという印象が強い。
毎回それなりに面白くは見ているけど、この映画161分もあるらしいということで併映の『ジョーカー』も長いので正直今回タランティーノはスキップしようかとも思っていた。
なのになんだこれ、今まで見たタランティーノ作品の中では最高に面白かった。

舞台は1969年のハリウッド。
たばこぷかぷかで喜怒哀楽が激しい熱い時代。
落ち目のTV俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)とそのスタントマンで親友でもあるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の二人が物語の中心となる。
プラス、リック・ダルトンのお隣に引っ越してきたロマン・ポランスキーの妻であるシャロン・テート(マーゴット・ロビー)も準主役。

冒頭からアル・パチーノ。背低いな。

前半は主にリックの不安や奮闘が中心となる。
リックの主演作がどれも面白そう。
火炎放射器のやつはB級っぽいし、西部劇はちゃんと本格西部劇っぽい。
リックの劇中劇の撮影シーンはリックだけ声が一際でかい。
落ち目とはいえさすが有名俳優、声のはりが違う、すごい迫力。ってことでいいんだよな、逆にその声のでかさが大根扱いにもなりうるのだろうか。
リックの共演者の大人びた少女がかっこいい。ジュリア・バターズ。

途中ラフな格好したヒッピーの少女たちがまぶしいくらい健康的に映し出されてなんなのかと思っていたら、このヒッピー達とクリフが関わってくる。
スパーン映画牧場のヒッピーのたまり場のシーンの、それまでと一転した緊張した雰囲気にはぞくっとする。
正確には牧場の前の、クリフが運転しながら助手席の少女の方を何度も見るところから緊張は始まっているんだけどさ。
海外の人って前見ないで運転するよね。超怖い。

予告編にもあるシャロン・テートが自身の出演作を上映している映画館に行って出演シーンのドジなシーンで観客が大爆笑しているのを見て満面の笑顔をするのがとてもいい。
ちょっと馬鹿な感じだけど純粋でとてもいい子すぎて泣けてくる。

以下ネタばれ

シャロン・テート事件ってすごい有名な事件らしいけど、全く知らなかった。
なろほど、そういうことだったのか。
単に圧倒的な暴力を描きたかっただけかと思っていたよ。
人の後頭部を掴んで顔面をこれでもかと壁に打ち続けるのって、電車の中とかで自分勝手な人に被害を被ったときに衝動的な怒りでやりたくなるときもあるけど、思うのと実際やるのは違うよな。残酷。
プールで拳銃撃ちまくる奴から逃げるために倉庫に入っていくリックの後ろ姿がうまい。こそこそっぷりが小物っぽくて笑える。
そんで打って変わってその後の反撃は。。

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