2020年8月15日土曜日

映画『ジョーカー』

2019年 監督:トッド・フィリップス
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




事前に予告編見ていたけど、バットマンのジョーカーが主役のエンターテインメント系映画なのかと思っていた。
それであまり気乗りはしなかったのね。
でもこの階段で赤スーツのピエロが両手上げているポーズの写真見たら俄然興味が湧いてきた。
https://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/news/?id=19

どう考えても名作じゃん。こんな写真がある映画。
で、本編見たらやっぱり面白かった。というか悲しかった。
雰囲気はアメリカン・ニューシネマに近い。

バットマンのジョーカーじゃなくてそのジョーカーに似ているからジョーカーとあだ名されたのね。
と納得していたら、調べてみるとやっぱりバットマンのジョーカーで、ジョーカーの誕生を描いたオリジナルストーリーらしい。
そういう前提で見たらまた違っていただろうな。
もう早々にバットマンのジョーカーは関係ないと思ったから、途中の展開は驚きだし、アーサーがただただ悲しい。

80年代くらいなのかな。
コメディアンを目指す青年アーサー(ホアキン・フェニックス)は脳に欠損があって、突然笑いが止まらなくなる時がある。
公共のカウンセリングを受けながらもピエロの仕事をせっせとこなして年老いた母の面倒を見る日々。
どっからどうみても心優しい男。
しかし世の中には悪意や差別がうずまいている。
社会の底辺に生き、しかもガリガリにやせ細った彼には何も抗う手段がない。
しかしある時同僚から身を守るためと言われて拳銃を渡され、そこから歯車が狂い始める。

ホアキン・フェニックスが凄まじい。
トラウマになるレベル。実際彼の表情を思い出すたびに悲しい気分になる。
あの走り方もなんだ。素じゃなくて演技でやっているなら天才か。
予告編見返していたら、ガキどもに看板奪われるときの一瞬の「ああ」っていう表情すごいな。泣きそう。

病院の出口専用のドアに何度もぶつかっていくシーンが印象的。
赤スーツ黄色ベスト緑シャツでピエロメイクって最高にかっこいい。
この完璧ファッションで楽しみにしていた階段のシーンに突入したときは、ああ、と泣きそうになったのにすぐスローモーションに入って早く終わらないかなと思っていたらそのまま階段シーンも終わってしまって消化不良だった。
消化不良といえば病院で踊っているシーンももっと見たかったんだけどなぁ。

ホアキン・フェニックスに劣らず存在感を出していたロバート・デ・ニーロ。
司会番組の登場シーンで音楽の終わりに合わせて両手を広げるおどけっぷりに笑った。

以下ネタバレ

なんといってもその死に様。
驚いた表情で一瞬にして死をさらすその姿態(死体)が最高に美しい。
まるで何百回も死んだことがあるかのようだよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿