BS2 録画

映画の撮影現場に普通のあんちゃんが紛れ込む。
彼は撮影現場に流れていた音楽に惹かれてやってきた。
とことこ歩いて撮影中の女優の横を通り近くにいたスタッフに「この曲は何だ?」と聞く。
しかし今は撮影中である。カメラに映ったわけの分からない男に何だあの男は!と監督は激怒。つまみ出せ。
警備員が走ってきて危険を感じたあんちゃんはきりっと表情をひきしめ乱闘・・・したと思われる。(乱闘シーンは映さずに取り調べシーンに移行するから)
このあんちゃんダニーラは兵役帰りだが仕事も無く、しょうがないから仕事を貰いにサンクトペテルブルクで成功している兄の元へ行く。
兄は母親がアルバムから取り出した写真によって最初に顔が紹介されるのだけど、小さい頃の写真から現在まで1枚1枚映されるたびにふさふさの髪が薄くなって最終的には耳の上しか髪の毛がなくなっている。
そんなギャグもおりまぜつつ。しかも現在の兄は完全につるっぱげになっているし。
この映画はあまり内容を知らないで見たほうがより面白い。
とにかく傑作だから。
ダニーラは撮影現場に流れていたノーチラスに傾倒する。無口なあんちゃんが目を輝かせているところが面白い。
ダニーラというキャラクターはかなり魅力的で、妙に肝が据わっているというか周りが見えていないというか。
ノー天気なのではなくて、かなりの凄腕なんだよな、こいつがまた。
映像は全体的に色がくすみ、登場人物の多くが暗闇を行き場も無くさまよっている。しかしこの映像の色合いが非常に優しく生々しい。
共産主義崩壊後のロシアの混沌が映画の背景になっているのだけれど、味のあるキャラクター達によって堅苦しくならない。
こわもての兄なんか何気に最後のほうの姿が凄いことになっているし。笑っていいのかどうか。パンツの柄なんか絶対狙っているけどな。
ちなみに笑いという意味も含めて面白い部分は至るところにちりばめられているのだが、コメディ映画ではない。
主演は2002年、映画の撮影中に氷河陥落の惨事に巻き込まれ故人となってしまったセルゲイ・ボドロフ・Jr。
この作品は続編が作られているらしい。続編は今最も見たいと思う映画だ。
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