2005年6月13日月曜日

映画『ドラゴン特攻隊』

1982年 監督:チュー・イェンピン
テレビ録画ビデオ


ドラゴン特攻隊

昨日実家に寄ったとき昔に撮ったビデオを何本か持ち帰る。
子供の頃はジャッキーチェンの映画が大好きで何本か録画保存していて、とりあえず『香港国際警察』とラベルに書かれたビデオを再生。

再生するとなぜか入っていたドラゴン特攻隊。
一応ジャッキーチェン主演らしいが録画した記憶も見た記憶もない。
水野晴郎の解説によるとジャッキーチェン以外にもジミー・ウォングが出ているらしい。
少し期待して見始めるが、そうだ、思い出した。確かジャッキーの見せ場があまり無くて、わけの分からない人達ばっか出ていてつまらなかったから1,2回見ただけで記憶から抹消していたんだ。

今この映画見ても子供の頃と変わらずくそつまらんのだが、しっかしとんでもない映画だよこれは。
時は第二次世界大戦中、連合国軍の4将軍が日本軍の捕虜にされてしまう。
4将軍とは、フランスのド・ゴール!、そしてイギリスのチャーチル!、アメリカのアイゼンハワー!、東南アジア軍のガンジー?
すごいね、全く。
そして連合国軍は4将軍救出アンド軍資金50万ドル奪回のために結成する特攻隊のリーダーの人選を始める。
候補には007や悪漢探偵やらロッキー等が挙がるのだが、彼らを押しのけて選ばれたのがドン中尉(ジミー・ウォング)だった。
ドンはかつての部下やらなんやら一人一人スカウトして回る。
スカウトされた一人脱獄の名人なんか崖からダイブして背中から落ちたのに何事もなかったかのように走って逃げたりと人間離れした能力の持ち主。
ビリー・ザ・キッドという名前の怪しいもみあげ中国人詐欺師やらその恋人のリンリン(ブリジット・リン)やらスコットランドのあのタータンチェックの民族衣装を着たアホ二人等で結成されたドラゴン特攻隊。
世界の一大事をこんな犯罪者集団にまかせていいのだろうか。
リンリンなんか自分達のこと「泥ちゃん」とか言ってるし。
というかそもそもリーダーのジミー・ウォング自体が犯罪者だからなぁ。
ちなみにジャッキーやブリジットリン等出演者は裏社会のドンことジミーに脅されて無理やりこの作品に出演させられたとかいう噂がある。

結成されたドラゴン特攻隊は4将軍救出に向かうのだが、全く理由も無く襲ってきた覆面集団によって大将のジミーがあっけなく戦死。
大将を失った特攻隊はそれでもとりあえず目的を遂行しようとするのだが、途中出会ったアマゾネス軍団(先の覆面集団)と楽しげにひと悶着起こしてからおめーらと遊んでる暇は無いとばかりに皆殺しにして出発。
と思ったら今度は幽霊屋敷でキョンシーや幽霊とひと悶着起こしてからかっこよく登場したブリジットリンにより再び皆殺しの宴が始まる。
もの凄い寄り道の後にようやっとたどり着いた日本軍の基地では既に何者かによって全ての日本兵が全滅していた。日本軍というか、鉤十字の旗があったりしてもうわからなくなっているのだが。
そもそも一個師団相手にたった6人のアホを向かわせること自体おかしいよな。
敵は死んだ。じゃあ軍資金50万ドルはどこだ?と叫びあうお金しか頭に無い素敵な特攻隊の前に現れたのは超マッドな暴走族でお奉行さんで爆裂都市 BURST CITYな連中だった。
およそ戦時中には存在し得ない車から出てきたのは軍服姿の中国人で、彼が言うには捕虜の4将軍はわしらが抑えたとのこと。なんだ、じゃあ4将軍は連合国軍によって救出されたんだね。特攻隊なんていらねーじゃん、全く。一件落着。
と思いきや軍人は続けて「こっちが欲しいのは・・・金だけだ!」えっ?!
「捕虜は50万ドルと・・・交換してやる!」えー!!?
そりゃあブリジットリンも「話が変じゃない!」ともらすわ。
4将軍が捕虜になるという世界の一大事よりも金が大事な軍人って一体どこの軍だ?車には何気に鉤十字マークがあるのだが。軍というかアホな山賊だったのか。
それに今やってきたばかりの特攻隊に「貴様達が来るのを待っていたんだ。金を渡せ」って特攻隊があたかも軍資金のありかを知っている風な言い方。特攻隊が金だけ持ち去ったのならばこんなところ戻ってこないし彼らにとっては捕虜なんてどうでもいいよな。
物語はさらにとんでもな方向に向かうのだが、一応ここまでにしておこう。
ストーリー展開も衣装も時代考証も全て度肝を抜かれるセンスで眩暈がする。

ジャッキーはというと特攻隊の一人である詐欺師に騙されて金を奪われた上に特攻隊と関わりを持ったがために刀で刺されちゃったりと散々な目に合ってしまうのであった。

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