2005年6月19日日曜日

映画『フールズ・ファイア』

1992年 監督:ジュリー・テイモア
BS2 録画


赤く刺激的な色した葉っぱのようなものをねずみの影が食い破っていく。
空いた穴から一家の晩餐風景が覗かれるようになるのだが、この晩餐の場が冒頭の赤から一転何の刺激も無い肌色っぽい色で統一された彩度に乏しい空間で異様な静けさが漂う。
しかも人形かと思うくらい不気味なまでスローに動く小人一家の晩餐だった。

エドガー・アラン・ポーの短編小説が原作。
宮廷道化師を務める小人の物語。
大臣や王様は皆特大のパペット。人が入っている模様。
出演者は人形か小人だけのファンタジーな世界。
いや、少しファンタジー、少し純愛、そして少しグロい。
純愛を演ずる妙に年くった小人といい、大臣達は醜悪な面なのに人形のため味があったり、ファンタジックな映像に付いてくるせかされ不安をかきたてられるようなリズムの音楽といい、柔らかかったり冷たかったりはたまたなんとも言えないような色彩や光といい、不思議なバランスを保つ面白い映画。

ああ、監督のジュリー・テイモアは『フリーダ』(2002)撮った人だ。

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