2017年1月4日水曜日

映画『裸足の季節』

2015年 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
製作国:フランス/トルコ/ドイツ
at ギンレイホール




ああ、予告編見るだけで泣きそうだ。
面白かった。
つい最近見たからかもしれないけど、美しい簡潔な表現による物語展開はビクトル・エリセに似ている。

舞台はトルコの田舎町。
親を無くした美人5姉妹は、祖母と叔父が住む家で暮らしている。
ある日男の子たちと5姉妹が海辺で制服をびしょ濡れにしながら騎馬戦などして遊んでいたところを、はしたないと思う近所の人に見咎められて以降、5姉妹は家に軟禁されるようになる。
そして上から順番に一人また一人と嫁に出されていく。

ストーリーやら演出やら少しずらしてくる部分が面白い。
祖母の描写が最初厳格なばあさんだなと思わせておいて、実は他の人に比べれば結構寛容だったり、長女ソナイは一人望んだ結婚ができていたり、やっとの思いで抜け出したのにバスが行ってしまったり、テレビを見させまいとする祖母の奮闘ぶりが急にコメディ(結構笑える)になったり、等々。
あと、意図的じゃないと思うが、次女セルマがお見合いの席でものすごいふてくされた顔していて、それが不細工だった。一応相手側からは美人な子と評価されてはいるけど。

三女エジェの話はわかりにくいけどつまりそういうことだよな。
夜の叔父の謎の行動、車の中でのエジェの謎の行動、そしてキッチンで・・・
叔父がクソすぎて、エジェが悲しすぎて、でもこの一連の流れのテンポが美しすぎる。

ラスト、一体どこに向かおうとしているのかと思ったら、冒頭のなんてことない忘れかけていた別れのシーンが突然つながって、上手いなあと思った。

5姉妹の中では主役でもある5女のラーレ(ギュネシ・シェンソイ)が一番綺麗に思った。
きりっとした眉、くっきりと輝く目元。
時折はっとするほど美しい。
13歳か・・・今後どう成長するかな。

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