製作国:フランス
at ギンレイホール
オープニングで校舎から出てきたマチルド(リュス・ロドリゲス)が歩きながら横を向いた瞬間に映像が静止して文字が浮かぶ。
一瞬で再開してその後もスタッフの文字が出るけど、ところどころスローにしたりなんかして結構好きかもと期待が膨らむ。
で、見終わった感想としては、面白かった気もするが微妙だった気もする。
9歳のマチルドは母親(ノエミ・ルボフスキー)と二人暮らし。
学校では特に友達もいないはみ出し物。
それゆえに担任が母親を呼び出して三者面談をするが、どうも母親の言動がおかしい。
母親は精神が病んでいるらしい。
面談ではマチルドのほうが保護者かのようだ。
という親子の関係性や置かれた状況を冒頭数分であっという間に描ききるのはすごい。
両親は離婚している。
養育能力が欠如した母親と幼い娘を放って置くなんてひどい父親(マチュー・アマルリック)に思えるが、マチルドは父親とはしょっちゅう連絡をとって仲がいい。
離婚の原因は不明で、精神を病んだ妻に耐えられなかったか、もしくは別れたことで妻の精神が病んだのか。
マチルド視点では離婚の原因など知る由もないしどうでもいいのだろう。
大好きな母親と一緒に暮らすことのほうが今現在一番大事で一生懸命だから。
そういう母と娘、母の苦悩や娘の孤独を描いた物語。
それほど大きな展開があるわけでもないので、途中から骸骨のシーン等少しうつらうつらしてしまう。
フクロウが喋るとかいうファンタジーっている?って思ってあまり乗れなかったけど、途中でこれはマチルドの孤独が生んだ架空のお友達と気づいてからは面白くなる。
友達の意見というよりマチルドの本音や心の声が発せられる。
溺死したオフィーリアのイメージがマチルドに重なったり、自分を埋葬してみたりとかは言いたいことはわかるけど、それよりもマチルドと母親とのやりとりをもっと見たかった気もする。
歌のシーンで母親が寄り添ってしまうシーンとか泣ける。
監督脚本で母親役でもあるノエミ・ルボフスキーの実体験をもとにしているらしい。
以下ネタバレ
大好きな母親で自分に惜しみなく愛情をそそいでくれるけど時折母親の考えていることがわからない。
しょっちゅう振り回されてばかりいるけどそれでも一緒にいたい。
池から這い出ることができないような檻に閉じ込められる圧迫感や孤独を感じながらも健気に生きる9歳の少女を誰もが愛するだろう。
だからラストで役者が変わったときにはぁ?ってなる。
だいぶ似た雰囲気の女優さんだったけど、それでも他人じゃん。
ラストのやりとりが秀逸で感動的なだけに「お前誰だよ」っていう感情を押し殺すのに必死だった。
成長させなくてもよかったんじゃないかなぁ。
エンドロールの主題歌何気なく聞いていたら
I'll be a mamaって変化したところで泣きそうになる。
I'll have a daughter
アレラ・ダイアン2003年の『oh! my mama』っていう曲らしい。
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