2021年3月13日土曜日

映画『フェアウェル 』

2019年 監督:ルル・ワン
製作国:アメリカ / 中国
at ギンレイホール




ニューヨークで家族で暮らすビリー(オークワフィナ)は、中国に住む大好きな祖母ナイナイ(チャオ・シュウチェン)が余命幾ばくもないことを知る。
家族はナイナイに末期がんであることを伝えないことに決め、ビリーのいとこの結婚式をでっち上げて家族が集まる口実を作る。

全米で大ヒットしたらしい。
ストーリーはまあ、それほど面白いわけじゃないけど、なんか面白かった。
歩いているシーンや走っているシーンがとにかくいいのね。
色とりどりの傘で歩くシーンとか、写真撮影からゆるりと抜け出して街なかを疾走するビリーとか、マフィアの行進みたいなスローモーションとか。

ビリーが可愛くないけど可愛らしい。
ゴールデングローブ賞とかとっているみたいね。
演技がうまいようにはあまり感じなかったけど、雰囲気があって魅力的な女優さんではある。

ビリーもだけどいとこ君はさらに中国語ができない設定のためほとんど喋らず、それがなんか馬鹿っぽくも見せているんだけど、その設定も結婚式で新郎新婦が一緒に歌う竹田の子守歌に全て集約されている気がする。笑うわ、あれ。

はっはっ、っていう健康法は寂しい感じで見ていたのにめっちゃ効果あるとか誰も予想できない。

2021年2月27日土曜日

映画『マーティン・エデン』

2019年 監督:ピエトロ・マルチェッロ
製作国:イタリア / フランス / ドイツ
at ギンレイホール




アメリカのジャック・ロンドンの自伝的小説が原作。
舞台はイタリアに置き換えられているらしい。
労働者階級の青年エデン(ルカ・マリネッリ)が上流階級の娘エレナ(ジェシカ・クレッシー)と出会い、恋して、作家を目指して、っていうとメロドラマっぽく思えるけど、一人の男の苦悩と葛藤と憧れと恋の話。

時折古い映像が差し込まれて、単体でなかなか面白い映像なのだが、姉と弟のダンスシーンが実はエデンと姉の幼少時代だったと知ったとき、もしかしたらあの古い謎の映像は皆エデンの思い出のシーンを表していたのだろうか、と思ったらもう一回見てみたくなった。
古い映像はそういう加工しているのかと思ったけど、公式ページみると本物の記録映像らしいね。

なかなか見応えあって古い名作映画見ているような感じでもあり、面白かった。

映画『博士と狂人』

2018年 監督:P・B・シェムラン
製作国:イギリス / アイルランド / フランス / アイスランド
at ギンレイホール




初版発行まで70年、世界最高峰と言われるオックスフォード英語大辞典(OED)の誕生秘話、を描いたベストセラーノンフィクションの映画化。
貧しい出自で学士号も持っていないが語学に堪能なマレー(メル・ギブソン)と、殺人犯で精神病棟に収容されているマイナー(ショーン・ペン)との交流、を軸にして被害者の妻イライザ・メレット(ナタリー・ドーマー)やその間に立つ看守のマンシー(エディ・マーサン)とか、マレーをよく思っていない偉い人たちとか、まあいろいろ絡んできて124分もあるしそこそこのボリューム。
でも飽きずに面白かった。

マレー役がメル・ギブソンってエンドロールでやっと気づいたわ。
原作の映画化に真っ先に名乗りを上げて自分で監督しようとしたくらいの熱量だったらしい。

イライザ役のナタリー・ドーマーがはじめはなんか若すぎないかと思ったが時折老けて見えるし年齢不詳だった。
1982年生まれか。

以下少しネタばれ


マイナーが狂ったきっかけみたいなものは結局なんだったんだろう。
狂ったといえば院長も有能そうに見えて途中から狂っているよね。

マレーもその能力的にだいぶ狂っていると言える。
けど、あまり能力的に活躍する部分も無いし、まともな人格すぎて平凡に見える。
もう少し破綻していればマイナーとの絆の深さにも説得力があるけど「事実に基づく」だからしょうがないのかな。
唯一異色な「学士号がない」という点は単に貧しかったからってだけでしょ。普通じゃん。

2021年2月13日土曜日

映画『パラサイト 半地下の家族』

2019年 監督:ポン・ジュノ
製作国:韓国
at ギンレイホール




半地下に住む貧しい家族。
父キム・ギテク(ソン・ガンホ)。無職。
母キム・チュンスク(チャン・ヘジン)。元ハンマー投げ選手。
長男キム・ギウ(チェ・ウシク)。兵役やらなんやらはさみつつ大学に落ち続ける浪人生。
長女キム・ギジョン(パク・ソダム)。いろんなスキルが高く美大希望だが予備校にも通えず。
家族全員で内職して小銭をかせぐ日々。
ある日ギウの友人がギウに家庭教師のアルバイトを紹介するところから事態が変化していく。

万引き家族みたいなのを想像していたけど全然違った。
コメディーサスペンス。

上流階級の家族と下層民。
下層民がいくら上流のふりをしても染み付いた下層の生活臭は消えない。
上流対下流が下流対下流になって最終的には上流対下流に落ち着いて下流は上流を目指すって話。
小綺麗な格好していた元家政婦が大雨の日にやってきたときのみすぼらしさよ。
下層民はどこまでいっても下層民だった。

長女役のパク・ソダムがThe韓国という顔立ちでなんかくせになる可愛さ。
あと社長夫人(チョ・ヨジョン)のぽんこつぶりが能天気で可愛らしいのだが、ふくらはぎが異様にたくましいから強そうだった。

映画『薬の神じゃない!』

2018年 監督:ウェン・ムーイエ
製作国:中国
at ギンレイホール




2014年に中国で実際に起きた事件がもとになっているそうだ。
かなり社会問題的側面が強い話なのに、一級のエンターテインメントになっていてすごく面白かった。
白血病患者のためとかじゃなくて金儲けのためというのが根底にあるから偽善くさくないところから始まる。
主人公とその仲間達が義賊みたいなヒーローに見えてかっこいい(演出もかっこいい)のだが、それだけじゃなくて、別れ葛藤後悔とそれぞれの背景での人間ドラマも充実していて面白い。
主人公の別人みたいな変化が見ごたえがある。

最初の方で義弟に殴りかかられそうになって窓際で体こわばらせてしゅんとしている表情がかわいい。

2021年1月30日土曜日

映画『mid90s ミッドナインティーズ』

2018年 監督:ジョナ・ヒル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




90年代なかば。
ロザンゼルスに住む13歳のスティーヴィー(サニー・スリッチ)は若い母(キャサリン・ウォーターストン)と兄イアン(ルーカス・ヘッジズ)の3人暮らし。
スティーヴィーはしょっちゅう兄から暴力を受けている。
っていうだけでも普通の家庭ではないけど、そんなのはまだましな普通の家庭っぽい。
スケートボードショップにたむろする不良達の自由さ強さに憧れを抱いたスティーヴィーは彼らに近づき、そしてスケートボードに熱中していく。

かなり面白かった。
ジョナ・ヒルの初監督作品で、ジョナ・ヒルの自伝的要素もあるらしい。

人種も貧富もてんでばらばらな不良達が面白い。
悩みあがき不安不満のはけ口を探している彼らの仲間意識は強い。
リーダー格のレイ(ナケル・スミス)がかっこいいのよ。
彼らは皆プロのスケートボーダーらしい。
主演のサニー・スリッチも。
サニー・スリッチ君の顔がくしゃってなる心からの笑顔はすごいよな。俳優として今後も活躍していきそう。
フォースグレード(ライダー・マクラフリン)が頭悪いキャラなのに動画編集能力が異様に高いってところに感動する。

両方のポケットからおもむろに飲み物を取り出すルーカス・ヘッジズの仕草がかっこいい。
ルーカス・ヘッジズは端役なのに存在感出てきたな。

映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

2019年 監督:オリヴィア・ワイルド
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




生徒会長のモリー(ビーニー・フェルドスタイン)は高校生活を勉強に捧げてきて、イェール大学への入学を勝ち取る。
が、遊んでいるばかりでどちらかというと見下し気味だったクラスメイト達が皆名門大学に進学することが分かると途端に焦りだす。
勉強しかしてこなかった!!
まだ間に合う。クラスメイトが開催している卒業パーティに乗り込んで失った3年間を一気に取り戻そうぜ。
と、親友のエイミー(ケイトリン・デヴァー)を誘って呼ばれてもいない卒業パーティに行こうとするが場所がわからない。。。

冴えない子達がっていうこういう青春ものって時代とともによく作られて面白いんだけど、なんかな、おっさんになったためかテンション高すぎて疲れた。
面白くはあるけど、いまいち乗れないまま終わった感じ。

モリーがあんんまり魅力的じゃないんだよな。自分でも性格ブスと自称するくらいだし。
親友のエイミーが癒やし。
エイミーの両親がまたいい人達そうでかわいそう。あんなに準備しているのに。
いい人達といえば、カースト上位の人たちがなんかみんないいヤツなのね。
そりゃトイレで悪口くらいは言うけど悪質ないじめとかまでは絶対しない。
どちらかというとモリーが一番イヤなやつかもww
そんなモリーが今までちゃんと見てこなかった(見下していた?)クラスメイト達と向き合うようになって変わっていく成長譚とも言える。

いけてるグループに中華系の子がいて、こういうアジア系でもイケてるグループに入れるんだなぁと思った。
ニコ・ヒラガ。スケートボーダーとして活躍していて、父親が日本人らしい。
ライアン役のヴィクトリア・ルエスガもスケートボーダーらしいし、なに繋がりなんだろう。

あと、最初大学かと思ったくらい年齢層が高く見える。
ジャレッド(スカイラー・ギソンド)なんかアホな教師がいるなと思ったし。
スカイラー・ギソンドは1995年生まれか。
えっ、というか主演二人含めてみな20代半ばじゃん。。

ビーニー・フェルドスタインってなんか見たことあると思ったら『レディ・バード』でシアーシャ・ローナンの親友役やっていた子か。

2021年1月16日土曜日

映画『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』

2017年 監督:マウロ・リマ
製作国:ブラジル
at ギンレイホール




冒頭から初老の男のコンサートシーンで惹き込まれる。
が、もしかしてこれって紆余曲折を経て復活したクライマックスに相当するシーンをいきなり見せられてるんじゃないか。
と思ったが杞憂だった。
まさに不屈。
というか不運すぎないか。
自業自得な面も多少はあるけど。

「20世紀最も偉大なバッハの奏者」と言われたピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスの実話をもとにした映画。
まだご健在。

カーネギーホールのデビューのときに役者が変わって一気に老けたのは面白かった。
20歳という設定だったらしい。

娼館に泊まり込むみたいなだいぶプライベートによったシーンとかっているの?と思ったけどジョアンを語る上ですごく重要な点だったwww

2021年1月2日土曜日

映画『ファヒム パリが見た奇跡』

2019年 監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル
製作国:フランス
at ギンレイホール




ファヒム(アサド・アーメッド)は8歳で父とともにバングラディシュからフランスに亡命する。
父親が反体制運動をしていて、かつファヒムはチェスの大会で優勝するほどの有名人だったのでファヒムが誘拐されそうになったりして危険だったから。
フランスでは難民センターに身を寄せながら、チェスクラブにもなんとか入り込む。
クラブの先生シルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)はなかなか癖のある人。
あ、なんかあと1行書いたらもうほとんどストーリー全部になってしまう。。

移民問題とチェスの成り上がり譚をからめたエンターテイメント。
浮浪者みたいな生活になったりもするし全然チェスの勉強しているように見えないけど、それで優勝できちゃうなんてチェスって簡単だなと思ってしまった。
というか実話に基づくのか。
公式ページに乗っている実際のファヒム君が子役にすごい似ている。(逆か)
https://fahim-movie.com/about.php
テント村みたいなところでの生活は創作部分らしいので、実際はやっぱり毎日何時間もチェスの勉強していたんだろうな。

で、何が面白かというとチェスクラブの生徒たちの個性が面白すぎるのね。
最初ただの冴えない(というか嫌がらせでもしてきそうな)モブ達かと思ったら、めっちゃいい奴ら。
ひょろひょろで貧相な顔した少年、ふとっちょの少年、少しアジア系の少年、フクロウみたいな顔した少年、前髪切りすぎたぱっつんメガネ少女。
フクロウ少年の表情の豊かさが笑える。
そしてなによりメガネ少女が愛くるしすぎて泣きそうだ。
もうこの子が主役みたいなもんだよ。
女優名がわからないのだけど、数年後とんでもない美人女優として有名になっていそうだ。

映画『ハニーボーイ』

2019年 監督:アルマ・ハレル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




人気俳優のオーティス(ルーカス・ヘッジズ)君はアルコール依存症。
飲みすぎて事故って更生施設に送られてPTSDかもしれないと言われる。
過去の思い出をノートに書けと言われて思い出すのは父との思い出。
父ジェームズ(シャイア・ラブーフ)は男手一つで息子のオーティス(ノア・ジュープ)君を育てている、のではなくて実際はオーティス君に養われている。
オーティス君は人気子役でジェームズはマネージャーっぽいことを一応はしているけど。
アルコール依存症ですぐキレてどうしようもない親父だけどオーティス君はそれでも父親を愛している。
オーティス君とジェームズの葛藤がメインのドラマ。

脚本がシャイア・ラブーフで、シャイア・ラブーフの自伝的なお話らしい。
面白くはあったけど、なんだろう、会話劇が難しすぎないか。
観ているこっちが1分後には会話の内容忘れているくらいだから、本人もそんなに覚えてはいないはずで、当時の断片的な印象や感情から創作しているのだろうが、12歳の子供との会話にしてはやっぱり難しすぎるよな。

さておき、ピエロって人間が生み出したキャラクターの最高傑作だよなぁ。
滑稽優しさ哀愁恐怖のすべてが詰まっている。
ジェームズのピエロ姿にはちょっと感動した。