2006年12月9日土曜日

映画『昭和残侠伝 死んで貰います』

1970年 監督:マキノ雅弘
TV 録画


昭和残侠伝 死んで貰います

賭場のいかさまを半端に見破ったためにぼこられる高倉健。よわっ。
雨の降る晩だった。イチョウの木の下でうなだれていると通りかかった芸者の卵の藤純子に出会う。
手当てを受けて泊まる場まで世話してもらうが迷惑をかけまいと健さんは去っていった。
「やくざの・・・」「やくざのおにいちゃ~ん」
再び賭場にやってきた健さんは次は完璧にいかさまを見破って賭場の連中と乱闘。つよっ。
逮捕。

健さんの役どころは家族構成が分かりづらい。
健さんは料亭「喜楽」の若旦那。
母親は義理の母(父親の後妻)。
義理の母から生まれた妹が一人いる。
「自分はいねぇ方がいい」と思った健さんはやくざに。
喜楽の後見役みたいな粋なやくざの親分中村竹弥はそんな健さんを心配。
妹は加藤嘉と結婚。

健さんが務所に入っている間に父親が死亡。
兄貴分みたいな板長の池部良が知らせにやってくる。務所で静かに涙を流す健さん。
池辺良は健さんに務所を出たら戻って来てほしいと懇願する。
健さん出所。
中村竹弥の粋な計らいで藤純子と再会。
時が経ち過ぎてお互いの顔を忘れていた二人だが、思い出したとたんに顔を赤らめて恥ずかしがる可愛い藤純子。
恋仲に。
健さんは板前として喜楽に戻る。
義理の母親は関東大震災で失明したため、健さんの正体を知っているのは池部良のみ。
池辺良とは表では板長とただの板前の関係だが、裏ではただの従業員と若旦那の関係。
まるで勧進帳みたいなやりとりまで盛り込まれて楽しい。

粋な男に粋な女。渋いです。
池辺良と健さんのWパンチに加えて健さんの務所での弟分として長門裕之が加わる。
健さんにたかりにきたのかと思いきやそんな男ではなくて陽気ないかした男だった。
それにしても長門はこの頃にはもうふっくらし出していたのだねぇ。
敵役の中にも健さんに恨みを持ちながらも藤純子の懇願に負けて泣く泣く復讐を諦めた粋な男に山本麟一。
藤純子は言うに及ばず綺麗で可愛い。健さんを送り出すときもなんて物分りがいいのでしょう。
任侠の美学が徹底される。
中村竹弥はそんなことのために死んだんじゃないのに~、とか彼らがいなくなったら喜楽はどうなっちゃうの?とかなんで一家の親分が殺されて子分どもは何もしないわけ?とか余計な考えはどうでもよいのです。渋ければ。

ちなみにタイトルロールで津川雅彦の名前があってどこに出るんだろうと思って見ていたら、祭りで船頭小唄を唄う青ひげの怪しい青年としてちょろっと出ていた。
他にも小林稔侍が出ていたらしいが見つけられず。

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