2010年11月7日日曜日

映画『おとうと』

2009年 監督:山田洋次
at ギンレイホール


おとうと <通常版> [DVD]

オールバックの女性は自意識過剰で性格が悪い、と小学生の頃に感じていた事をふと思い出した。
これは多分にオールバックだった同級生の女の子の印象によるのだけど。
オールバックって額が丸出しは当然のこととして髪の毛もびしっと頭の形に沿って撫で付けられているから、顔そのものが惜しげもなく前面に押し出されているわけだ。
顔に相当自信があるってことでしょ。
だから自意識過剰で性格が悪いっていう論理だけど、そういえば蒼井優もオールバックが多い。
やっぱり小学生の考えなんてそんなもんです、
ちなみに男のオールバックはただのハゲだ。

主演吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優。
しっかりものの姉と駄目駄目な弟、結婚したけど離婚しちゃった出戻りの姉の娘、の三者の物語。
段々退屈になってきて、後半にボランティアに近い利益度外視の生活保護者のホスピスが登場してからは一体何の映画観ているのかよくわからなくなってくる。

役者陣がどうもすっきりしない。
蒼井優は蒼井優じゃなくても全然構わないようなしょぼい役だし、吉永小百合は原爆詩の朗読のし過ぎのせいが演技のセリフが棒読みになっているし、鶴瓶は『ディア・ドクター』のような深みが出ていないし。
主演陣が消化不良のまま有名どころが脇役でわらわら出てきてさらに邪魔する。
『幸福の黄色いハンカチ』の3人はあんなに魅力的に撮っていたのにねぇ。

とはいえ、ラストはあやうく泣きそうになってしまう。
これがホスピスじゃなくて普通に病院だったら入院費やらなんやらを姉がなけなしの金を搾り出して払わなければならず、全然違う結末になったはずだが。
都合よくできているもんだ。

鶴瓶が吉永小百合を「おねーちゃん、おねーちゃん」と呼び、義母役の加藤治子が「いい年しておねーちゃんって。。」と言う。
こう書くとなんか豪華というかかなり特異で面白い配役だなぁ、というのは置いといて、僕にも姉がいるけど未だにおねーちゃんと呼んでいる。
当たり前のように思って疑問もわかなかったけど、そうか、僕ももうとっくに「姉さん」と呼ばなければいけない年なのかもしれない。

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