2010年 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
製作国:スペイン/メキシコ
at ギンレイホール
バルセロナで不法移民のブローカー等をしているウスバル(ハビエル・バルデム)は末期がんにより余命2ヶ月と宣告される。
よくある余命物だけど、残り少ない人生を謳歌し尽すとか、失っていた絆を取り戻すとかいう展開にはならない。
ウスバルは躁鬱病の妻と別れて幼い子供二人を男手一つで育てている。
犯罪にも手を染めているが生活は少しも裕福じゃない。
つまり毎日を生きるのに精一杯なのだ。
彼には頼れる人がいない。
自分がいなくなった後の子供達が心配だ。
せめてお金を残そうとするのだが、ウスバルの余命が少ないことなど関係なしに回る現実は残酷な表情を見せる。
裏社会に生きるウスバルだが、ゆっくり丹念に描かれていく彼の優しさが次第に愛しくなってくる。
メキシコに亡命後すぐに亡くなり一度も会ったことのない父親に想いを寄せ、不法移民の中でも特に父親のいない母子に目をかける。
自分が最後に父親として子供にしてやれることは何だろう。
絶望とやりきれない悲しみが通奏低音のように流れているけど、旋律の愛情は深くて温かい。
スペイン、って感じだ。
主演はハビエル・バルデム。
やっぱり凄い役者さんだ。
あまり病人に見えなかったけどそんなことはどうてもいいや。この存在感があれば。
しかも今までこの人のことをカッコいいと思ったことはなかったけど、初めてカッコいいと思った。
(たまに真田広之に似ている瞬間があった)
『宮廷画家ゴヤは見た』ではただのむっつり顔の気持ち悪い変態神父だったのに。
ところで、最近夜中何度も目が覚めるんだよね。
前は休日は12時間くらい余裕で寝ていたのに。
今日は朝方5度寝くらいして面倒になったので9時に起きた。
目が覚めるとはいえ眠いことは眠いので、ちょっと心配していた通り、案の定前半うつらうつらしてしまった。
しかも映像が暗くてよく見えないところが結構あって、あまりセリフで多くを語らない映画だからストーリー解釈はかなり微妙な状態。
特にイヘが気になってしょうがない。
調べていると、天井に浮遊していたのはイヘだったとか、「戻ってきましたよ」と言ったのはアナだったとかいう事実も出てくる。
また機会があったら見てみよう。
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