2011年11月10日木曜日

映画『ピノイ・サンデー』

2009年 監督:ウィ・ディンホー
製作国:台湾/日本/フィリピン/フランス
BSプレミアム 録画



※この貼り付けた予告編すごいな。ストーリーの9割はネタばれしている。

何気なく見始めたら最初から最後まで最高に面白かった。

フィリピンから台北に出稼ぎにやってきたダド(バヤニ・アグバヤニ)とマヌエル(エピィ・キソン)の二人。
異国の地で門限の厳しい寮生活を送りながら、家族のため、自分のために毎日明るく働いていた。
陽気で女好きだが少しももてないマヌエルと、ジャイアンみたいな風貌だが声が女々しくて笑える真面目なダド、っていう二人のやりとりや生活を見ているだけで面白いのだが、温まってきたところで真っ赤な高級ソファーを仲間に加えてロードムービーになっていくのだからさらに面白くなる。

ロードムービーの主要役者が人間でないといけないという決まりは無い。
ペットだっていいし無機物だっていいわけだ。
そして無機物の中でも赤いソファーという発想が秀逸で、真っ赤な存在感と腰掛ければどんな場所でもホームにしてしまう機能性がすごく楽しい。
出稼ぎのフィリピン人が台湾の路上をホームに変えていく不思議。
捨てられ、交通事故に合い、縛られ、沈められ、となかなかの役者ぶりも見せてくれる。

どのシーンも好きだけど、特に最後の二人の歌と、バスの遠景ショットでのバスケのシーンがよかったな。
名作です。

ダドを演じたバヤニ・アグバヤニはフィリピンで有名なコメディ俳優らしい。
コメディアンに見えないけど、そう言われると弱弱しい声の「Happy Birthday」で爆笑したのは自分の地声の面白さをフルに活かした彼の技術によるものだったのかな。
オーバーアクションで少し単調な演技も、コメディ俳優と言われると段々しっくりくる。

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