
昼に食いに行く。
カウンター席にいつもの若い男性が一人、そしてテーブル席に団体客がいる。
一昨日昨日と混んでいた。席に座れなくて帰る人までいた。
店を締めるというので来るのだろうか。それとも単純に繁盛しだしたのだろうか。
いづれにしろ今日で最後だ。
いつも食べていたチキンカツ定食を食べる。
最後に食ったチキンカツは最高に美味かった。
一昨日初めて見た若い女性が来てカウンター席に座り、団体客が帰り、もう一人女性が来て一人で空いたテーブル席に座り、若い男が帰り、カウンター席の女性が帰った。
一服してから僕も帰る。
レジで「大阪帰っても頑張ってください」と言ったけど、よく聞き取れていなかったらしい。
二言三言話して店を出る。
店を出ると店に来るときは降っていなかった雨が降っていた。まったくチープなドラマみたいに。
仕事も終わり、帰ろうとする。
家の冷蔵庫には人参が1本だけ入っている。
ほか弁買って帰ろうと思う。
しかしよくよく考えると暢に行けばいいんじゃないかと思う。
昨日は昼と夜に食べに行った。
だから今日は昼だけ行って、それで最後にしようと思っていた。
しかし未練たらしく自転車を方向転換して暢に向かう。外から様子だけ見よう。
最後の日の夜は夜の常連客が集まって送別会のようなことをしているのではないかと思って昨日の夜に行ったんだけど、常連のおじさんとおばさん(以前夜に行った時にもいた)や若い常連男性もいてにぎやかだった。
大きい声でよく喋っていたおじさんが「今日で最後だ」と言っていた。だから今日はいないのだろうと思う。
暢の前まで来て、自転車の上から店内を覗くと、誰もいないように見える。
自転車止めて中に入った。客は誰もいなかった。
メニューをじっくり見ていると、700円のおまかせ作ろうかと言われる。
実はあまり食材が残っていないとのこと。おまかせする。
音楽の話などしていると、サラリーマンが一人入ってくる。
この人は二回くらい見たことがある。単品を小出しに出してもらい、それをつまみながらビールを飲む人。ちなみにこの店はめずらしくハートランドを置いている。
料理が出てくる。ベーコンを巻いたハンバーグや鮭の切り身を焼いたものや玉ねぎのフライなど。
後で高校時代思い出のチェリオを出してくれる。いっぱい余っているらしい。
話をしていると、結構裏メニューみたいなものがあったらしい。主に夜の客に出すやつ。
オムライスやら餃子やら。餃子っていうのはびっくりする。
メニューとしてちゃんと出していたミルクカレーは気づいたらなくなっていたけど、昼に来た客で食べたのは僕入れて二人しかいなかったそうだ。
夜も含めると20食くらい出たと言う。
黄金カレーで結構美味かったのになぁ。
お客によく味が薄いと言われるらしい。醤油をぼたぼたかける奴までいるらしい。けしからん。
薄いと言われれば薄い気もする。上品な味とこないだ形容したけど、僕が飽きずに通ったのはこの味が薄いというところにあるのかもな。
濃いの嫌いだし、飽きるし。
週でどのくらい休んでいるのか聞くと、休みなしだったと言う。
でもこの1ヶ月は毎週日曜に休んで東北見物していたそうだ。
この店はもう次に入る店が決まっているらしく、中華料理屋になるらしい。
一度行ってみなよとなぜか勧められるがあまり乗り気でないなぁ。
四人の団体客が来て、サラリーマンが帰り、男が一人来たところで帰る。
おいしかったですとお礼を言う。本当に感謝だ。さようなら。
昨日の夜いたおばさんが、しきりに餓死する餓死すると言って、「この店辞めちゃうんだよ、餓死しちゃうよねぇ」と振られて苦笑いしたが、本当に来週からどうやって生きていこうか。