2003年12月11日木曜日

映画『淑女と髯』

1931年 監督:小津安二郎
BS2録画ビデオ


小津安二郎 DVD-BOX 第四集

そうか、髯をそればモテるのか。なるほど。

冒頭、大学対抗の剣道の試合、敵方の大将が面をつけるの忘れたまま試合が始まったり、審判団の中に子供が一人(実は突貫小僧)混じっていたりする。
一つのギャグで笑いをとるっていうのじゃなくて、笑おうが笑うまいが、気づこうが気づくまいがギャグはぽんぽん出てくる。
スラップスティックコメディー。岡嶋(岡田時彦)のオーバーアクション(顔芸を中心に)にも慣れると結構笑える。

しかしなんといっても廣子(川崎弘子)さん。
決して美人じゃないのだけど、この可愛らしさ、いじらしさには一発で惚れる。
廣子さんが湯飲みを乾拭きしているシーンがある。
この時おじさんが結婚話を持ってきているのだが廣子さんは既に岡嶋に心を寄せているので少し憂鬱なのである。
廣子さんはうつむきながらおもむろに湯飲みを口に押し当てる。
手を離すと1秒くらいくっついて落ち、手で受け取りまた口に押し当てる。
か、かわいい。

廣子さんの柔和な顔の造りと愛くるしい笑顔にはどんな男もいちころだ。(少なくとも僕はまいった)

髯をそったほうがいいと忠告する廣子さんはすっと窓の外に視線を移す。岡嶋も視線をやると窓の外には床屋がある。
廣子さんが岡嶋になぜ髯を生やすのか聞くと、岡嶋は視線を部屋の壁に移す。廣子さんも視線をやるとそこにはリンカーンのポスターが!

まあ、僕はかなりこの映画気に入った。

ラストの方、不良モダンガールに対して結構ひどいことしているよなあ。

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