2004年7月11日日曜日

映画『ションヤンの酒家(みせ)』

2003年 監督:フォ・ジェンチイ
at ギンレイホール


ションヤンの酒家

中国の屋台街で酒家を経営するションヤン。つまみは鴨の首。
ションヤンを演じたタオ・ホンにとにかく惹き込まれる。
白い肌に美しく妖しい目。ああ、雰囲気が緑摩子に似てるや。
このションヤン(タオ・ホン)が店の前で椅子に座り客を待っている。
オレンジの電球に照らし出された物憂げな口元から煙草の煙が揺れる。

明るく商売上手なションヤン。弟は麻薬の更生施設。ダメダメな兄夫婦に代わり彼らの小さい子供を育てる。屋台街は都市開発の為に無くなるという噂を聞く。ションヤンの酒家にいつも来る頭の後退しかけたおっさん。
っていうような要素を元に話は展開。
ションヤンはおっさんと次第に恋仲になるんだけど、なぜゆえにこのおっさん。

それにしてもこの映画、ぽつりぽつりと胸に響く。
家族を支える存在であり、一人の女性であり、強くりりしくしおらしく、つんとした表情から場面場面で様々な感情を見てるものに巻き起こす主演女優のタオ・ホンがいいからな。
特に若い画家がションヤンを描いてるときはよかった。
誇張せずさらっとした演出が天秤のようにションヤンの存在と感情をくっきり浮かび上がらせる。ションヤンのキャスティングに失敗してたらつまんない作品になってたかも。

乱雑な街の上空かなり高い所を滑るあのゴンドラ、乗ってみたい。

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