2008年11月7日金曜日

映画『たみおのしあわせ』

2007年 監督:岩松了
at ギンレイホール


たみおのしあわせ

母を失くし、父伸男(原田芳雄)と二人で暮らす民男(オダギリジョー)。
内気でオクテの民男だけど、何回かのお見合いの末、瞳(麻生久美子)と出会う。
瞳さんは美しくて清楚だった。
二人は結婚に向けて動き出す。
他、主な登場人物に父の伸男の恋人宮地雪江(大竹しのぶ)や、ニューヨークから戻ってきた(という設定の)民男の暮らす一軒家の所有者である亡き母の弟透(小林薫)がいる。
この二人が絡んできてとんでもなラストに。

伸男はかっこいいしもてる。
女性付き合いも豊富だけど、妻が交通事故に合った日に伸男は女の家にいて妻の死に間に合わなかった。
そのため息子の民男に対して負い目を感じている。
民男は父と違ってオクテ。
父と息子は言いたいことをずけずけ言い合うのだけど、そのやり取りがまた笑える。
こんなに仲のいい父と息子はそういない。
ずけずけ言い合っても父は何より息子を想い、息子は何より父を想う。
だから伸男は恋人宮路を息子に紹介する機会を慎重に選ぶ。
民男の過去はよく分からないのだけど、少なくとも今の民男はそんなこと気にしていなくて父の恋を素直に応援するのだけど。
この仲のいい二人をかき乱し、かき乱されるのが宮路だったり叔父の透だったり婚約者の瞳さんだったり。

結構面白い。笑えるし。
カメラもオーソドックスに面白い。
前半真上からの俯瞰が何度かあるのだけど、それは天井裏に潜むあいつの視線に後から繋がったり、母の形見の浴衣を来た瞳さんの姿を部屋をまたぎながら民男の視線で隠れて追ったり、襖から二人の指だけが見えたり。
そういえばフレームの外で人が動くって最近の映画ではあまり見ないな。
デパートかなんかの屋上で伸男がすっとフレームの外に消え、暫くして画面がパンすると伸男はベンチにどかっと座ってくつろいでいるとか。

オダジョーはツータックのズボンにシャツを入れ込んだりするファッションだが、何着てもかっこよく見える。
おばちゃんレイコ(冨士眞奈美)が民男に、「宮路さんの恋のステップを邪魔したのはあなたよ!」と言う場面があるのだけど、あまり喋らなかったレイコがいきなりまくしたてるように喋ったと思ったらえらいむかつくの。
民男は当然きれるのだが、きれ方がどもり気味ながらも何しでかすか分からないきれ方で上手い。

石田えりがちょっと出ている。
年くっても変わらすに健康的で笑顔が美しい石田えりはこの映画では煙草ふかしてわっるい顔していた。

ラストは爆笑できるのだけどちょっとむずかしい。
親子愛が再び二人を世間から切り離し、母の幻想を追いかけて内に閉じこもる。
瞳さんは伸男に恋していたのかな。

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