2008年11月15日土曜日

映画『ファンタスティック・プラネット』

1973年 監督:ローラン・トポール、ルネ・ラルー
BS2 録画


ファンタスティック・プラネット

この絵、やばいね~。

フランス/チェコ制作のアニメーション。
原作はフランスのSF作家ステファン・ウル。

冒頭プログレみたいな音楽の中を赤ん坊をかかえた女が何かから逃げるように必死に走っている。
かくかくと。
音楽といい絵といい相当にいかしている。
音楽のアラン・ゴラゲールを調べるとジャズピアニストで名アレンジャーと紹介されている。
でも音楽は年代的にも全盛だったプログレッシブロック。
アニメでプログレっていう組み合わせがそそらないわけない。

さて、冒頭のこの女が何から逃げているのか?
よく分からないまま見続けていると、突然巨大な青い手が現れて、女はデコピンされて無力に吹っ飛ばされる。何度も。
イジー・トルンカの『手』みたいだな。
さらには空から鋭利な葉っぱみたいなものがひゅんひゅん降ってくる。
そして仕舞いには青い手により持ち上げられて落とされ、絶命。
カメラが引くと、青い肌で赤くて丸い目をした巨大な人みたいな生物3匹が動かなくなった女を観察するかのように見下ろしている。
子供が蟻やゴキブリをいじめて遊ぶかのように人間がいたぶられていたのだった。

舞台は惑星イガム。
青い肌のドラーグ族が栄える惑星。
ハムスター程度の大きさの人間はドラーグ族によりペットとして飼われたりしている。
野生の人間は害虫として駆除対象。
人間同士は言葉を交わして喋ることができるのだがドラーグ族の言葉や文字は理解できないらしい。
人間には知能が発達した高等な人種とそうでない野蛮人種がいるらしい。
ドラーグ族の最新の研究により、人間が高度な知能を持つと分析されるが、多くのドラーグ族はそんなこと信じない。
害虫だし。
原始人のような生活や知能だった害虫達はドラーグ人の技術を吸収して急激に進化していく。

変な植物やら動物やらもたくさん出てくる。
アリクイみたいな動物に巣を襲われて人間が大量に食われたり。
セル画じゃなくて切り絵アニメらしい。幻想的な雰囲気の中でかくかく動くどちらかというとグロテスクな絵。
ローラン・トポールの魅力的な絵(またはローラン・トポールベースの絵?)はもちろん、音楽や効果音もいいしかなり面白い。

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