2009年6月7日日曜日

映画『モンテーニュ通りのカフェ』

2006年 監督:ダニエル・トンプソン
at ギンレイホール


ギンレイホールに行こうとしてJRの駅まで歩いていったところで眼鏡を忘れたことに気づく。
げげっ、どうしよう、このまま行っちゃうか。でも二本も最前列で見たくないし。
ってことで歩いて20分の道のりを引き返す。
今日はすごく暑くて体がだるい。
マックで腹ごしらえするつもりで早めに出発していたから、家に着いた頃にはすぐ出発すれば上映には間に合いそうな時間だったのだけど、なんか気力がなくなって一本ずらして見に行くことにする。
余った時間で昨日見た映画の感想書いて出発。


モンテーニュ通りのカフェ [DVD]

パリ8区、モンテーニュ通りにある由緒あるカフェ。
田舎から出てきた金髪ベリーショートのジェシカ(セシル・ドゥ・フランス)は運良くこのカフェで働くことになる。
パリきっての豪奢な地区にあるカフェには日々様々な人が訪れる。
有名ピアニストだけど形式ばったコンサートに疑問を感じて悩むジャン=フランソワ・ルフォール(アルベール・デュポンテル)。
人生の全てをささげて収集した美術品コレクションを全てオークションに出品することを決意した資産家ジャック・グランベール(クロード・ブラッスール)。
舞台の初日を控えて稽古中だが脚本も何もかも不満だらけの女優カトリーヌ・ヴェルセン(ヴァレリー・ルメルシェ)。
オランピア劇場の管理人で退職の日が迫ったクローディ(ダニ)。
全ての人が17日の「本番」に向けてせわしなく人生の歯車を回転させていた。

見始め、結構ぼーっとしていたので「アランドロンもやってくる」とか「トリュフォーの作品に出たことあるか?」などの台詞を聞くたびに、あれっ、これってジェシカの祖母の昔話という設定なんだっけ?と迷ったりもするけど、いや、そもそも普通に皆携帯電話使ってるじゃん、設定はやっぱり現代だよな、と認識しなおしたり。
群像劇はどうも苦手で集中力に欠ける。
でもまあそんなに退屈はしなかったけど。

ジェシカが太陽のように明るく(実は暗い過去があるのだけど)、その屈託のない笑顔で誰とでもすぐ打ち解けてしまう。
パリの街で悩みを抱える人々の間隙を自由に歩き回り、その笑顔で人々の心の中にすーっと入り込む以外何もしていないのに、気づいたら彼女と関わった人は皆ハッピーエンドになっている。
パリに迷い込んだ天使(人間でない)のような存在になりそうなんだけど、さらっと暗い過去を告白させたり、泊まるところがなくて小雨振る中パリの街並みを見下ろしている寂しい表情を映したり、カフェの店主に不満をぶつけたりと、ジェシカという人物に人間性も付与される。
その付与の仕方が慎ましいから人間と人間外の中間をさまよう形になって結構好き。

ピアニストを演じたアルベール・デュポンテルが毛むくじゃらのマッチョな腕でピアノ弾いている。全然ピアニストに見えない・・・
アルベール・デュポンテルはあの濃い眉毛をどっかで見たことあると思ったら『地上5センチの恋心』に出ていた人だ。

映画監督役で去年亡くなったシドニー・ポラックが出ている。
ジェシカの祖母役で上品で闊達なばあちゃんを演じたシュザンヌ・フロンも撮影後に逝去している。

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