BS2 録画
![セーラー服と機関銃 デジタル・リマスター版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51FCwIAEC6L.jpg)
好きな監督だけど、このブログに相米慎二のタグが無いってことは彼の監督作を見るのは少なくとも8年ぶりくらいになるのか。
昔一度観た『セーラー服と機関銃』を再見。
何度観ても面白いな。
ヒットすることが目的の商業映画なのにあまりに自由だ。
円広志と林家しん平の漫才のようなやりとりに始まり、ヒロインのトップアイドル薬師丸ひろ子の登場シーンは間抜け面したブリッジ。
とそこまではちょっと奇抜でひねくれた奴ならちゃっちい反抗心でやりそうだけど、クレジットタイトルの終了とともに薬師丸がしゃがんだ瞬間、薬師丸の目線がちょうど踏み切りの遮断機でぴったり隠れるっていうのはどうだ。
クレジットタイトル中に柳沢慎吾と光石研とあと一人の薬師丸取り巻きトリオが、ワンカットの中で不自然なまでに自在に位置を変えて動き回っているのを、ああ相米慎二だなぁと思ってぼーっとしている所で現れるこの唐突な目線隠しにはちょっと度肝を抜かれた。
クレイジーだ。。。
相米の他の作品同様、内面的にも動作的にも絶えず変化し続けていく少女を、長回しのカメラや超俯瞰の引きのショット等様々な位置から執拗なまでに追いかけていく。
どっからでも見てるぞ、というのがたまに偏執的な狂気を感じるほどに。
自在に動く予測不能な少女の動きを根気強く見守るわけだから、カメラの動きは大らかであって、薬師丸の後頭部に隠れて話し相手がほとんど見えなくなっちゃったり、引きのカメラがパンすれば植木や柱に阻まれて何も見えなくなっちゃったりもするのだが、それはつまり遮蔽物により対象への注視力が増すということでもあり、映画が常にそうであるため忘れてしまうがカメラといういるはずのない第三者の視点がごつごつとした手触りで浮かび上がってくるということでもある。
監督と一緒に少女(少年)という不定形な存在が発散する予期せぬ力と、内在する心の機微を見つめる、というわけだ。
「カ・イ・カ・ン」の有名な機関銃掃射シーンでは薬師丸の右頬にいつのまにか血糊が付いている。
火薬に驚いたのか反動で体が斜め右後ろに向き、そのまま二回目の掃射を行なうのだけど、この時顔が後ろ向いて隠れているからその一瞬で血糊を付けたのかな。
それにしてもその後つーっと血が線を引いて流れるから絶妙な血糊の量だ。
右後ろへの掃射は危うく仲間を撃ち殺すことにもなりかねず、NGかと思いきやOKにしたのはこの絶妙な血糊のせいかもしれない。
・・・と思ったら血糊じゃなくて、破裂して飛び散った瓶の破片で本当に怪我していたらしい。
ばんばんばんばん、泣くまいと思っていたのに『お引越し』もそうだったけどラストは反則だよな。
ストーリーは展開がよく分からないのだけど、『セーラー服と機関銃 完璧版』とかいうのがあるからそちらの方だといくらか話の流れのつじつまが合っているのかもしれない。
組員明を演じている人がどこかで見たことあると思っていたら酒井敏也だった。
そういえば何年か前に長澤まさみで再ドラマ化されていたな。
怒りを覚えるくらいつまらなかったけど。
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