at ギンレイホール
![レオニー [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Bo7monu3L._SL160_.jpg)
レオニー。誰?
レオニー・ギルモア。イサム・ノグチの母親。
ドウス昌代の『イサム・ノグチ 宿命の越境者』を元に母親のレオニーを主役にして映画化。
公式ページを見ると、完成までに結構な年月と苦労があった模様。
ただ、レオニーの生涯というかイサム・ノグチはこんな風に育ったんだ、ということを知る事ができてありがとう、といった感想が先にくる。
レオニーを演じたのはエミリー・モーティマーで、このサトウタマオみたいな目をした女優さんが苦手なのでどうも乗れなかった。
うーん、よく見ると小林幸子にも似ているな。
イギリスの小林幸子ことエミリー・モーティマー。
しかしエミリー・モーティマーはまあいいとして、問題は中村獅童だ。
またもや好みの問題になるが、中村獅童が苦手。
役者の中には浅野忠信のように佇んでいるだけでも絵になる特異な役者がいる、と以前どこかで書いたけど、中村獅童に関しては映るだけで全てを胡散臭くするという意味で特異な役者だろう。
ああ、本当胡散臭いわぁ~。
映像も他の役者も全て胡散臭くする特異すぎる能力。
イサム・ノグチの役者は赤ん坊含めて5人くらいだったかな。
日本に渡ってくる前後の子役がかわいらしいアメリカの子供という感じだったのに、茅ヶ崎に引っ越す辺りからウェーブのかかった髪型はそのままに顔だけはのっぺりした可愛くない子役に変わっているので笑ってしまった。
イサム・ノグチが生まれる前までのシーンで、本当にしつけーなーと思うくらい執拗にインサートされる壮年期のイサム・ノグチ役は舞踏家の勅使河原三郎が演じている。
物言わず黙々と蚤を打つ舞踏家の姿がイサム・ノグチのイメージに最も重なる。
レオニーは結構有名どころと交流があって、津田塾大学の創始者津田梅子とアメリカで知り合いになっているし、日本では小泉八雲の子供達の英語教師をしたりしている。
あまり乗れずに見ていたけど、ラストは不覚にも涙流しそうになってしまった。
死者が穏やかな顔で現れるっていうのはどんな映画でも泣けるよなぁ。
武満徹のフルート曲で『巡り~イサム・ノグチの追憶に』というのがある。
高校生の時図書館で借りたCDで聞いたきりなのでまた聞きたいな。