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![スパルタンX デジタル・リマスター版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ytRTaatQL.jpg)
映画って大体1回観たら終わりで、ごく稀に面白かったからもう一回見ようとか、何年後かに思い出して再見したりってことはあるけど、こと『スパルタンX』に関しては数十回は見ている気がする。
そんなことするのはもちろん小学生の頃の事であって、最後に見たのは少なくとも十年以上は前だろう。
それでもさすがに何十回と見ているとほとんどのシーンを覚えているもんだ。
僕が繰り返し見ていたのは、民放で21時から放映していたものをビデオテープに録画したものだった。
長年気になっていたのは、民放でやっていたやつだから結構カットされているんじゃないか、いや間違いなくカットされているだろう、ということで、ノーカット版をいつか見てみたいと思いつつ早数十年。
おお、見たこと無いシーンが結構ある。
シルビア達がいきなりナース姿で救急車に乗っている意味不明も、カットされていたシーンを見たらつじつまが合う。
それと福星シリーズでおなじみのリチャード・ウンとジョン・シャムが出ていたとは知らなかった。
録画ビデオではごっそりカットされていたから。
でも、カットされていたシーンを見ることができたという感動よりも衝撃だったのは、吹き替えの方が数倍面白いという点。(ストーリーは結構どうでもいいっちゃいいし)
映画の吹き替えって演技が大仰だし役者がうそ臭くなるしで嫌いなんだけど、ジャッキーチェン映画だけは特別だ。
それは子供の頃から石丸博也さんとか、水島裕さんの声に慣れ親しんでいるからというのもあるだろうが、なによりこの個性的な表現力が素晴らしいから。
俳優とは全くの別人なのに、個性と個性が同じ大きさでぶつかりあって一人の人間を形成しているんだから面白いもんだ。
いや、そんな声優陣の凄さは何もこの映画で初めて思ったわけじゃない。
じゃあ何で吹き替えの方が数倍面白いと衝撃を受けたかというと、今回字幕で見たセリフと、過去に吹き替えで聞いて記憶しているセリフが全然違うのね。
字幕の方がたぶん正確な訳なんだろう。
では正確でない吹き替え版のセリフって一体どんだけ適当な訳なんだよと思うが、話の筋が逸脱するほど異なるってわけじゃなので、考えられるのは訳者か声優が自由にもっと面白いセリフに作り変えているような気がする。
そして確実に吹き替え版のセリフの方が面白い。
一番記憶に残っているのは、城に潜入するときにジャッキーがサモ・ハン・キンポーに言うセリフ「耳で羽ばたけダンボ」って当時子供のくせにダンボを知らずに後年になってやっとああこれがダンボかと認識した思い出深いセリフが字幕では「何とかしろ」だ。
サモ・ハンが探偵の初依頼を受けるときの「中国人名探偵全身これ知恵の塊!」と水島裕さんがユーモラスに言っていたセリフも字幕では「中国人にお任せを!」とシンプル。
小さくプリントされた電話番号の紙を受け取って「なめたらいかんぜよ!」というセリフは字幕では「トリックか」と何の面白みも無い。
「スパルタン号開店!」は「開店だ」とローテンション。
「春巻きが お気に召してなにより ではおやすみ」は「とんでもない お気持ちだけ 頂きます」。
冒頭のトレーニングシーンでジャッキーが「おしまい、っと」って呟くのも楽しかったのに、字幕版は字幕すら表示されない。
いや、これ音量でかくするとジャッキーは特に何も喋っていないな。
石丸さんのアドリブだろうか。
もう書き出してみると吹き替え版のセリフが愛しくさえなってくる。
そしてこのセリフは声優達の表情豊かな声で表現されるわけだから、そりゃあ楽しい。
今度ビデオ引っ張り出して吹き替え版をまた見てみよう。
確かもっと名台詞がいっぱいあった気がするし。
そうそう、三沢光晴の入場曲がスパルタンXなんだけど、こんな曲あったっけ?と今までピンとこなかった理由がやっと分かった。
『スパルタンX』の日本劇場公開版では音楽が差し替えられていたらしい。
『拳精』とかもオリジナル主題歌「チャイナガール」に差し替えられていたらしいし、当時は自由だなぁ。
『スパルタンX』といえばこの差し替えられた音楽の方が馴染み深く有名らしい。
オリジナル音楽+日本語吹き替えを繰り返し見てきた僕にとっては、オリジナルの音楽以外考えられないけど。
差し替え音楽はキース・モリソン(木森敏之)作曲っていうのは興味をそそる。

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