2008年 監督:ゴンサロ・カルサーダ
at ギンレイホール
前の席のおばちゃんが姿勢よすぎてスクリーンが隠れていらいらする。
おばちゃんが途中寝始めて首がかくっとなった後は快適だったのに、目覚めたらまた姿勢正しやがってからに。
映画自体も音楽が無駄に多すぎてつかれてしまった。
銀残しの映像の雰囲気もいいし、冒頭まだ夜も明けきらない早朝にルイーサがアパートから出たところからバスに乗るところまでの歩くシーンが凄く好みで、期待に胸が膨らんだのだけどなぁ。
カメラを斜めにした構図とかも段々うっとおしくなってくる。
前の席のおばちゃんのせいか、この映画自体のせいかわからないが、とりあえずあまり集中して見れなかった。
つまらなくはなかったけど。
ブエノスアイレスが舞台。
一人暮らしで唯一の家族は猫のティノというルイーサは、毎日同じ時間に出勤、定刻で帰宅という規則正しい生活を続けていた。
ある日猫が死に、堅実に二つ持っていた職も一気に失う災難に見舞われる。
あと一年で定年だったというのに。
貯金はわずか20ペソ程度。
これからどうやって暮らしていけばいいのか。
というより彼女にはこれから先のことよりも、愛猫の火葬費用の300ペソをいかにして稼ぐかしか頭にない。
この年で初めて乗った地下鉄で見た様々な物乞いの人達をヒントに、ルイーサは地下に潜って小銭稼ぎを始める。
バス通勤で地下鉄に乗った事が無いってどんだけ決まりきった同じ日常を過ごしてきたのだろう。
堅物であることに間違いは無いが、遥か過去に夫と子供を同時に失ってからというもの、生きる希望のようなものを失っているという原因もある。
無味乾燥な全く同じ日常を何十年も規則正しく続け、かつ周りの人を遠ざけて一切受け入れなかったルイーサが、唯一の家族であった猫や仕事を失って何も無い絶望のどん底に落ちてからどう変化していくか。
先の見えない絶望は続いていくのだろうが、一人じゃないということが小さいながらも強い希望となって差し込んでくる。
ルイーサ役のレオノール・マンソはブエノスアイレス生まれで、ベテランの女優さんらしい。
険しい顔をしているが若い頃は美人だったのだろうな。
オラシオ役のジャン・ピエール・レゲラスは2007年に亡くなられている。
2011年4月30日土曜日
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