at ギンレイホール

天気いいけど寒いしギンレイどうしようかなと思う。
今日の2本は邦画だけど予告編見る限りどちらも面白そうじゃないんだよな。
迷いながらもまあ行っとくかと決心して家を出る。
ギンレイに行ったら凄い行列。
なにこれ、そんな話題の映画なの?
いや、きっと皆香川照之ファンに違いない。
もの凄い人気だな。
兄香川照之、弟オダギリジョー。
兄は田舎で親父のガソリンスタンドで働き、弟は東京に出てフォトグラファーとして華々しく活躍。
そんなこんなで兄逮捕。
誠実な兄、不誠実な弟、その概念も事件の真実も兄弟の信頼もゆれてゆれて固まるようでゆれて。
僕が女性監督が苦手な理由は無駄に芸術っぽく撮るところなのだけど、この監督はまあまあさりげないからいいな。
この映画の肝となるつり橋から落ちるところなんか自然に引き込まれていたのか時間を取り戻して流れ出した川の奔流の音にびっくりすると同時に胸がざわめいた。
流れの音が復活するまでの時間は止まってそして飛んでいた。この時間操作は映画だからこそなんだけど音と視点とをフル活用して歪めて戻していくその流れる手腕が凄い。
俯瞰気味のカメラや少し斜めに傾いたカメラなど微妙な不安定さが程よい緊張感になっているんだろうけど、それよりもとにかく役者陣が皆凄くて一人一人がそれぞれの持ち味で見事に緊張感を作り出す。
香川照之の真面目いい人の中に潜むやりきれない怒りの影の緊張感。
オダギリジョーのエロティックで不安定な脆さの緊張感。
真木よう子の突如表出する「生理的」反応の緊張感。
木村祐一のコメディっぽさの雰囲気のまま切り込んでいく冷徹な緊張感。
兄弟の父伊武雅刀の無口で威圧的な緊張感。突然きれるし。(そういえばこの親子は突然きれるねぇ)
新井浩文の敬語で親しみ持って近付きながらも怒りを顕にする時の眼の緊張感。(この人は優しい人の役を演じれば優しいんだけど怖い役の時は眼がこえー)
ピエール瀧刑事のあまりに似合いすぎてかっこよすぎるゆえに事件が進展していく予感の緊張感。
等々。
父伊武雅刀は最後の方でぼけちゃうんだけどその前の香川照之がいなくなって一人で洗濯するシーンといい撮り方がなんか冷徹で残酷。
まあ、予告編から想像していたのと違って意外と面白かった。
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