at ギンレイホール
![ラースと、その彼女 (ライアン・ゴズリング 主演) [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51aBBYKgIIL._SL160_.jpg)
ダッチコーヒーってあるじゃん。
オランダ人が好んで飲む水出しコーヒーだとずっと思っていたのだけど、旧オランダ領東インドネシアで愛飲されていたコーヒーをオランダ人が改良して世界中に広まったとかなんとかで、Wikipediaによると「その抽出法も独特の器具もオランダにおいてポピュラーな存在ではない」らしい。
で、じゃあダッチワイフはオランダ人がどう関係しているのだろうと調べてみると、昔オランダ人が愛用していた抱き枕をイギリス人が揶揄の意味でDutch Wife(オランダ人の妻)と言ったのが始まりだとか何とからしいのだけど、その語源は結局のところはっきりはしていなくて「よくわからない」に落ち着くみたい。
英語圏では「dutch」はその昔オランダが商売敵だったことから蔑称の意も含むらしい。
さらにはアメリカ人にダッチワイフと言ってもそれはただの抱き枕の事で、その手の人形のことはラブドールと言うとかなんとか。
長い前置きだけど、そのラブドール(公式ページではリアルドールとなっている)を自分の彼女だと言い出した心優しき青年ラースの物語。
アメリカの雪に覆われた田舎町に暮らすラース(ライアン・ゴズリング)。
その純粋さで町の皆から好かれているのだが、極端にシャイな正確で女の子と話すことすらできない。
兄夫婦はそんなラースの事をいつも心配していた。
そんな時ラースが自分の彼女を紹介したいと言ってくる。
兄夫婦は大喜び。
でも実際に会ってみると、ラースの横には等身大のラブドールが座っていた。
兄夫婦の戸惑いをよそにラースはラブドールをビアンカと呼び、ビアンカと会話をするのだった。
ラースはジョークでやっているんじゃなくて、大真面目。
ついに気が触れたか。
兄夫婦が町の医師に相談したところ、問題解決に繋がるかもしれないとして、ラースの妄想を受け入れビアンカを人形ではなく普通の女の子として接することになるのだった。
しかもそれはいつの間にか町ぐるみで。
っていうハートフルコメディ。
ラースに思いを寄せるマーゴって子がいるのだけど、最終的にはこの子といい感じになりそう。
でもどうなるにしろ最後にビアンカは処分しなきゃ駄目だよな。
一生寄り添っているわけにはいかないし。
どうやって処分するんだろうと思ったら、そこはまあ、上手くできている。
女性に触れられることすら耐えられないラースは過去に何があったというのか。
兄の話や町医者とラースの話で少しずつ明かされるのだけど、根本的な原因は結局分からず。
とにかく周りの人たちが自分を心配してくれている。
特に兄嫁が。
その親切がかえって心苦しい。
断りづらいし。
なのでリアルドールを用意して無意識に逃避したのかね。
逃避と言うか自己防衛か。
しかし一層ラースに対する親切は増すのであった。
そして親切が追いやった状況は更なる親切で打ち破りました、と。
どんな人間だって怒りの感情はあるでしょう。
土田世紀の『同じ月を見ている』のドンちゃんじゃないんだから。
決して怒らないラースが思い通りにならない事に一度切れたことでふっきれたのかな。
なにか物足りなさを感じるものの、心優しいラースを中心にして彼を見守る温かい人々っていう配置で描かれるハートフルコメディ=大人の寓話と考えればリアルな背景を説明的にする必要も無いのかなとも思う。
兄嫁役はエミリー・モーティマー。
目が段々さとう珠緒に見えてくる。

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