2004年12月18日土曜日

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』

2004年 監督:行定勲
at ギンレイホール


世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション

一旦スイッチが入れば何処見ても泣いてしまうのかもしれないが。
ああ、セリフがむずがゆい。
ああ、笑わせるシーンがむずがゆい。
とことん置いてけぼりをくってしまう。
高校時代の朔太郎と亜紀の恋愛模様も中途半端にむずがゆいし、髪を梳かしていたら髪の毛がごっそり抜けるというお約束のシーンでは「ロミオ参上」とかいうわけのわからないキャラ設定で朔太郎が登場するし、倒れた亜紀を見た朔太郎が駆けつけつつしゃがむことで床をつつーと滑るシーンが1ミリ秒でも早く側に駆け寄りたい必死さの現われというよりその滑り方が「なんか、かっこよくね?」と感じてしらーっと覚めてしまったり、等々。
しれっとした山崎努やクドカンやマギーやダンディ坂野や天海祐希や杉本哲太や、それに森田芳光までひょっこり出てきたら感動ストーリに酔いしれる気持ちが失せてくる。
電車に乗り遅れて次の電車を待っていたけどまたもや乗るのに失敗して、を何度も繰り返してホームに一人ぽつねんと取り残されているような。
亜紀が死ぬ!っていう一点に向かってひたすら盛り上がっていくなら泣けたのに。
ベタさや、くささや、異分子の混入等感情移入を逸らすようにわざとやってるのかと考えてもみるが、遠い地点でこの映画をひと事のように眺めていたところで何かを見つけることも感じる事もできなかった。
意図的に感情移入を排して実直にひたすら映画とかいうものを追い続けたという痛々しい記録では無い以上、映画の上っ面にすら乗れなかった人間は一体何を楽しめばいいのか。
そうだ、長澤まさみを楽しめばいいのだ。
亜紀を演じた長澤まさみは可愛いのか可愛くないのかよく分からなかったけど、とにかく健康的で魅力的だったな。

感動ストーリーで泣かせるっていうのは至難の技なんだな。
考えてみれば映画見て泣いた事は何度もあるが、感動ストーリーで泣いた記憶がここ数年全く無い。
とことんシンプルに(でもあざとくなく)これでもかと泣かせどころを突いてくれば観念して泣けるはずだが。
眠たげな目で鑑賞していたがなんとか寝ずに頑張る。エンドロールでかくっと寝たが。
前の席に座っていたカップルは終始頭を寄せ合った状態で鑑賞していたが、首は大丈夫だろうか。

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