2009年5月31日日曜日

6月INFO


BS2 6月4日(木) 午前0:55~午前3:19(3日深夜)

未来世紀ブラジル 1985年・アメリカ
〔監督・脚本〕テリー・ギリアム

BS2 6月5日(金) 午前0:40~午前3:15(4日深夜)

ライフ・イズ・ミラクル 2004年・フランス/セルビア・モンテネグロ
エミール・クストリッツァ

BS2 6月7日(日) 午前1:00~午前2:55(6日深夜)

タクシードライバー 1976年・アメリカ
〔監督〕マーティン・スコセッシ

BS2 6月9日(火) 午前0:40~午前2:07(8日深夜)

宇宙水爆戦 1955年・アメリカ
〔監督〕ジョセフ・ニューマン

BS2 6月9日(火) 午後1:00~午後2:46

真昼の死闘 1969年・アメリカ
〔監督〕ドン・シーゲル
〔出演〕クリント・イーストウッド、シャーリー・マクレーン

BS2 6月10日(水) 午後9:00~午後10:56

レッド・サン 1971年・フランス/イタリア/スペイン
〔監督〕テレンス・ヤング
〔出演〕チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、三船敏郎

BS2 6月12日(金) 午後2:45~午後4:09

チェコの古代伝説 1952年・チェコスロバキア
〔監督・脚本〕イジー・トルンカ

BS2 6月12日(金) 午後4:10~午後5:34

チェコの四季 1947年・チェコスロバキア
〔監督・原案・脚本〕イジー・トルンカ

BS2 6月25日(木) 午後2:45~午後4:01

真夏の夜の夢 1959年・チェコスロバキア
〔監督・脚本〕イジー・トルンカ

BS2 6月26日(金) 午前0:40~午前2:14(25日深夜)

埋もれ木 2005年・日本
〔製作・監督・脚本〕小栗康平

BS2 6月26日(金) 午後1:00~午後2:43

まぼろしの市街戦 1967年・フランス
〔製作・監督・脚本〕フィリップ・ド・ブロカ

BS2 6月29日(月) 午後1:00~午後3:22

郵便配達は二度ベルを鳴らす 1942年・イタリア
〔監督・脚本〕ルキノ・ヴィスコンティ



5月29日のトルンカ二作、すっかり録画し忘れた。
今月のは絶対逃さん。

ぽつんとエミール・クストリッツァが一本あります。珍しい。
『レッド・サン』はこういう映画があることすら知らなかったのだけど、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、三船敏郎というキャストがしびれる。
『まぼろしの市街戦』、フィリップ・ド・ブロカ。

休日

なんだろう。最近全然何もやる気が起きない。
休日に出かけないのはいつもどおりなんだけど、家でやりたいことは腐るほどあって暇することは今までなかったのに、最近は全く何もやる気がおきずに文字通りぼーっとしている。

今日はとりあえず気力をふりしぼって髪を切ってくる。
5ヶ月ぶりに切ってすっきり。
帰りにBOOKOFFによって何気なくCDを見ていたらアル・クーパーの「赤心の歌」が状態も特に悪くないのに950円で売っていたのでしめしめと思って購入。
いつも1000円以上で置いてあるのしか見たことなかったからな。
家帰って開封してまたびっくり。ディスクは傷一つないしジャケットも指紋はおろか一切汚れていない。
いい買い物した、というか新品でも1600円だけど。

2009年5月24日日曜日

映画『バンク・ジョブ』

2008年 監督:ロジャー・ドナルドソン
at ギンレイホール


バンク・ジョブ デラックス版 [DVD]

オープニングクレジットでT.Rexの「Get It On」が流れる。
きっと楽しくてノリのいい映画なのだろう。
ただ、一つ前に見た映画で結構疲れたのでいまいち気分が乗らないなあ、と思っていたのだけどそんなのは最初の2分ほどの間だけで、以降はノンストップで最後まで楽しめる。

1971年、中古車の販売店を営むテリー・レザー(ジェイソン・ステイサム)の元には毎日借金取りがやってくる。
テリーは幼馴染のマルティーヌ(サフロン・バロウズ)から銀行強盗の計画を持ちかけられる。
こそ泥のテリーは銀行強盗のような大きな仕事はしたことがない。
躊躇しつつも話に乗ったテリーは仲間を招集し、計画の実行に動き始める。
かくして彼らは銀行の貸金庫から数百万ポンドの金を盗み出すことに成功するのだが、盗み出したものの中には英国最大のタブーに触れた写真を始め、様々な犯罪、スキャンダルの証拠品が含まれていた。
マフィア、警察、MI-5(イギリス情報局保安部)と素人強盗集団との危険な駆け引きが始まる。

実話に基づくらしい。
それにしても脚本が面白いな。
冒頭からヤバ目の借金取りが登場して続けて謎の美女マルティーヌが登場し、成功すると分かっている強盗シーンも様々な要素で盛り上げてくれたり。

テリー・レザーを演じたジェイソン・ステイサムが渋い。
あのしゃがれた声がいいな。
元々禿げ気味だったような気もする髪の毛がさらに進行しているのだけどそこもまた渋い。
渋いからこそ頭のきれて武闘派でもあり愛妻家でもある役柄がぴったりはまる。

ちなみにちょろっとミック・ジャガーが出ている。
ミック・ジャガーが出ていると知って見ればすぐ気づくが、知らない場合は全然気づかないかも。
知らなかったので個性派脇役かと思っていたよ。ミック・ジャガーと言われればミック・ジャガーにしか見えない。

映画『その土曜日、7時58分』

2007年 監督:シドニー・ルメット
at ギンレイホール


その土曜日、7時58分 コレクターズ・エディション [DVD]

エンドクレジット見て初めて知ったのだけど、監督はシドニー・ルメット。
まだ健在だったのか。
そういう意味だと冒頭いきなり始まるどぎつい性描写はまだばりばり映画撮れますよっていう健在アピール?
というかこのシーンはどこの時間軸だったんだろう。

綺麗な妻を持ち経済的にも安定していそうな兄アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)。
バツイチで慰謝料もろくに払えない駄目男の弟ハンク(イーサン・ホーク)。
兄はとある事情で金が必要になり、弟のハンクに強盗の計画を持ち出す。
基本的に保険会社以外は誰も傷つかない強盗。
知りすぎるほど知った宝石店での強盗は失敗のしようがない。
・・・はずだったのだけど失敗。

一つの大きな失敗から次々に浮かび上がって繋がっていく負の連鎖。
もう死にたい、っていうのはこういう状況のことを言うんだな。
もう死にたい、のだけど死んだ後に明るみになるだろう事実に翻弄される残された人々の事や、とんでもないことをしたという後悔の念や、そして事の顛末が気になって死ぬに死ねない。
単に生きることに絶望したのとは違うにっちもさっちもいかない絶望。
兄も弟もそれぞれがとことん追い詰められていくからね。
もう喜劇。

上映時間は117分ある。
長い。
強盗当日を中心としてその前後を、兄、弟、父とそれぞれの視点で時間軸を交錯させて話は展開する。
これがいろんな意味で結構野暮ったい。
時間軸や視点が切り替わるときの演出とかテンポとか。
演出の野暮ったさは嫌いじゃないけど、テンポの面はどうにかして欲しい。
とことん追い詰められた弟のその後が気になるところで兄だか父だかの視点に切り替わったりしたらがくっとするじゃん。

兄アンディにフィリップ・シーモア・ホフマン。
この人の金髪が白髪に見えてかなりの年配者に見えるけど弟役のイーサン・ホークと3つしか違わない。
演技の幅が広いのか前半から後半への印象の変化とかでっぷりと落ち着いた貫禄の裏にある弱さや葛藤とか、すんなり入ってくるから凄い。

弟役のイーサン・ホークはエンドクレジットまで全然気づかなかった。
見ているときはどこかの冴えないおっさん俳優だろうと思っていたのだけど。

父役には名優アルバート・フィニー。

2009年5月16日土曜日

映画『HAZAN』

2003年 監督:五十嵐匠
BS2 録画


HAZAN [DVD]

日本の近代陶芸の開拓者、板谷波山の伝記。
冒頭の榎木孝明とその教え子が窯の炎を見つめるシーンや、宿での南果歩の縦にリズムを取った変な舞とか見て、見るのやめようかと思ったけど段々面白くなってくる。

美術学校を卒業して故郷で教師をやっていた板谷(榎木孝明)は、授業で陶芸の指導をしたことをきっかけにして陶芸家になることを決意する。31歳。
結婚もしているし小さい子供が3人もいるのに。
東京の田端に質素な工房を構えて、長い貧困生活が始まる。

家族よりも陶芸にしか目がいっていない波山を見て、妻のまる(南果歩)が何度も絶望の表情をする。
それでも波山を献身的に支え、子供を守り、そして極貧なのにさらに子供をこしらえる。えっ。
盲目に陶芸の道に突き進む波山も、生活のために夫の作業を手伝う妻も、どちらも狂気に近い。
特に妻が凄い。
家族の生活がかかってるからね。何が何でも成功してもらわないと困る。
だから妻のなりふり構わぬ狂気が一番美しい。
1000円!!ぶぅへーん!

波山は器形にこだわったため、自分で轆轤を回さずに轆轤師を雇っていた。
最初の轆轤師の深海三次郎を演じたのが柳ユーレイ。
たけし軍団の人たち(出身含む)は揃いも揃っていい役者が多いのだけど、中でも柳ユーレイは飛びぬけて面白い役者だな。
この捉えどころの無い存在感は他には思いつかない。
髭が渋い。
ちなみに今は改名して柳憂怜らしい。

2009年5月10日日曜日

虫十二日目



見えにくいですが画面右少し上にある黒っぽいものが例のあれです。
位置的に部屋の真ん中あたり。
いつも窓のカーテン付近にしかいなかったのに、ここまで進入しているのを見たのは初めて。
やつらは天井からぼとっと落ちてくるとかいうし、のんびりはしていられない。
とはいっても変に刺激したことで部屋の真ん中に落ちて隅に逃げられても困る。
とりあえずカーテンを開け、窓を開け、今日洗濯してベランダに干していた洗濯物を取り込む。
取り込めないのはなぜだろうな人なので洗濯したその日に取り込んだのは何年ぶりだろう。

戻ってもう一度見ると、あれ、また数cm部屋の中まで入ってきている。
急がなきゃ。
半分に切ったペットボトルに棒をガムテープで貼り付けて少し刺激してみる。
つつくのは危険なので奴のそばでペットボトルを天井にごりごり摺って威嚇する。
ぴくりともしない。
何度か振り回していると突然光の速さで20cm程窓の方へ移動する。
これはいけると思ってさらにぶんぶん威嚇すると



ここまで来た。
右上の影です。
さてどうするか。
外に出すにはカーテンが邪魔だなと思って、持ち上げて左にぐいっと引っ張ってみる。
でもその状態で止められそうなものがないので片手がふさがってしまう。
まあしょうがない。
で、ここからどうしよう。
こんな隅にいられるとペットボトルを近づけづらい。
何か投げつけてみるか。
いや、そうだうちわ忘れてた。
パタパタ煽いでみる。
ほんの少し移動した。
どうしよう。
このまま真下に逃げられるとまた収納ボックス等のごちゃごちゃした隙間に逃げられてしまう。
やっぱり捕まえるのがベストかなと思って駄目もとでペットボトルをゆっくり近づける。
なかなか逃げないなと思っているうちにペットボトルの口が壁に付き、カツンという音の後に蜘蛛がペットボトル内をすごいスピードでかさかさ一周する音がする。
あ、捕まえた。
でも蜘蛛はペットボトルの口に覆われた壁にへばりついているので、口をふさげない。
腕を伸ばしてペットボトルを力強く押し付けるという結構無理な体勢をしていたのだけど、どうしようもなくなってそのまま暫く固まる。
ペットボトルを動かすと足を挟んでしまいそうな気がする。
迷っているとペットボトルの中に移動してくれたので、左手でつかんでいたカーテンを離してそばに置いてあったうちわを取って素早くペットボトルの口をふさぐ。
ゆっくり壁からペットボトルを離してみる。
おお、動いてる。
そのままゆっくりうちわを上にして床に置く。

やったー。
毎日夢にまで見た捕獲。
ペットボトルを覗くと、観念してゆったり動く蜘蛛の腹が見える。
外に行って放すかベランダから放るか。
いや、まずは記念に写真撮ろう。
カメラを取ってペットボトルの傍にしゃがむと、ペットボトルの向こう側の床に蜘蛛がいてカーテンの裏にかさかさ逃げていくのが見える。
えっ・・・



空のペットボトル・・・
俺はなんて阿呆なんだ。写真なんかどうでもいいじゃないか。未だかつてない成功を成し遂げたのに全てをパーにしてしまった。
うちわなんて軽いんだからあのくらいの大きさの蜘蛛なら逃げられるとなんで考えなかったのか。
そもそもうちわを下にして置けばよかったのに。

後悔の念しか出てこなかったのだけど、どこかから夢を諦めないでという声が聞こえて、もう少し頑張ってみることにする。
たぶんカーテンの裏側にひっついているか、カーテンに隠れた壁に潜んでいるはず。
カーテンを恐る恐るつかんでゆっくりベランダの外に投げ出してみる。
壁が顕わになるが、いない。
カーテンにもいなさそう。
じゃあまた壁と収納ボックスのわずかな隙間に入っていっちゃったんだなと思って顔を上げると、うわっ、いた。壁に。
ベランダ側に投げ出されたカーテンを内側に引っ張って邪魔にならないようにする。



どうするかペットボトルを近づけて捕獲するのはもう無理そう。
今、蜘蛛が前でも後ろでも右でもなく、左だけに逃げるようにできないものか。
蜘蛛の右手からつつくと左に逃げるとは限らないし。
頭をフル回転させてアイデアを練っていると、ちょこちょこ蜘蛛が動く。
クーラーのリモコンの開いたカバーの裏に隠れる。
見ていると、さらにそこから上に移動しようと動き出すので慌ててペットボトルで進行方向をふさぐと、一瞬スピードを上げてペットボトルに向かってきたもののすぐ反転して真下に逃げていく。
まだなんとか見える位置の壁に引っ付いていてくれているけど隙間に逃げ込まれそうで危険な位置。


※写真は後撮りだからいないけど、壁が直角になっている部分にいた。

収納ボックス側面のへこみによる隙間。ここにいつも逃げられる。
なんかで塞げないかと蜘蛛を刺激しないように気をつけてゆっくりと薄い雑誌を突っ込んでみたりしてみるが嵌らない。
諦めて再びペットボトルによる捕獲を試みる。
収納ボックス側から近づけていくと、少し近づけただけでフローリング上を窓沿いに走り出す。
おお、反対側はテレビがあってこっちは何十倍もやっかいなごちゃごちゃゾーン。
テレビ側から蜘蛛に向かってペットボトルで襲うと一瞬止まった後に右折して段差を上ってあっという間にベランダに出る。
ベランダに置いてあるビーチサンダルの上を這って暗がりに逃げていく。
窓を閉める。

ぃやったーーーーーー!



5月INFO


BS2 5月13日(水) 午前0:40~午前3:28(12日深夜)

甘い生活 1960年・イタリア/フランス
〔監督・脚本〕フェデリコ・フェリーニ

BS2 5月17日(日) 午前1:00~午前2:35(16日深夜)

萌の朱雀 1997年・日本
〔監督・脚本〕河瀨直美

BS2 5月21日(木) 午前0:40~午前2:16(20日深夜)

桜桃の味 1997年・イラン
〔製作・監督・脚本〕アッバス・キアロスタミ

BS2 5月28日(木) 午後1:00~午後2:31

ロバと王女 デジタルニューマスター版
〔監督・脚本〕ジャック・ドゥミ

BS2 5月28日(木) 午後2:35~午後3:51

真夏の夜の夢 1959年・チェコスロバキア
〔監督・脚本〕イジー・トルンカ

BS2 5月29日(金) 午後2:40~午後3:59

バヤヤ 1950年・チェコスロバキア
〔監督・脚本〕イジー・トルンカ

BS2 5月29日(金) 午後4:00~午後5:14

皇帝の鶯 1948年・チェコスロバキア
〔監督・脚本〕イジー・トルンカ



イジー・トルンカ特集だね。
昔BS2で偶然トルンカの作品(「手」だったかな)を見て以来、いつかやらないかとチェックしていたはずだから、放映は10年ぶりくらいじゃないかな。
6月も続きます。
本当は5月に全部やるみたいだったけど国会中継で潰れて放送日が6月にずれ込んだっぽい。

2009年5月9日土曜日

熊木杏里 SPRING TOUR 2009 〜花詞〜

2009/05/09(土)、熊木杏里のライブに行ってきた。

最近タイガーフェイクファにはまっていて、3日前にはPerfumeのライブDVD見てPerfume熱も再燃して、ってことでここ3,4年で初めて暫く熊木杏里から遠ざかる。
とはいえ、熊木杏里のライブ。
次第にテンションが上がってくる。

眼鏡を会社に忘れてきたので、早めに出て会社に寄る。
後輩が一人で仕事していた。
くっちゃべってから吉野家で腹ごしらえして出発。
18時半開場、19時開演で、18時半頃に新大久保駅に着く予定だったのに、18時40分頃に到着。
東京グローブ座。
どっちにいけばよいかわからず適当に歩き出すと喫煙所があったので一服。
ついでにモバイルGoogleマップで場所を確認。
なんか線路沿いに行けばいいっぽいので歩き出すと全然着かない。
ハローワークを目印にもう一回調べると、北に行かなきゃいけないのに逆の南方向に歩いていたらしい。
まずい、18時50分。
とりあえず線路の高架をくぐって反対側に行ってから北に向かおうとしたのだけど、反対側に出てから右折するポイントを見失って大分西まで行ってしまう。
変に地図とか見ない方がいいもんだな。
慌てて右折して北に向かったけど、中央線に阻まれ西へ西へ追いやられつつ、大久保駅前を通ってようやく新大久保駅に戻ってくる。
滅茶苦茶走って19時2分頃に到着。

まだ始まってない模様。
1階の前から7列目の席。
19時5分頃に開場が暗くなって開演。
走ったことでまだ息を切らして体が暑い。

楽器構成はギター、キーボード、ドラム、ベース。
膝上ワンピースに黄土色のブーツで熊木杏里が登場。
前の席の人の頭で体半分しか見えない。

(以下、曲単位で感想だけど、MCの挿入箇所や内容などかなり記憶が曖昧な上、要約なので激しく間違っているかも。セットリストはどっかから拾ってきた)

1. ヒトツ/フタツ

初めて聞く曲。
熊木杏里の曲をいつもあまり大きな音量では聞かないのだけど、大音量でも優しく染み入ってくる声質は変わらない。
曲もいいしなあ。
今調べてみるとシングル「私をたどる物語」のカップリング曲らしい。
アルバムしか持っていないので知らなかった。

2. 一等星

まだ息を切らしていたのと、1曲目であの歌声の海に包まれて感慨にふけっていたので前奏聞いていても全然気づかなかったのだけど、ずっとライブで聴きたいと思っていた「一等星」だった。
これは感動するなぁ。
曲中何度か全身がざわっとする。
一等星 熊木杏里 歌詞情報 - goo 音楽

ドラムの人が女性で、服がきらきら光っているのでスパンコールのドレスを着ているのかと思ったらきらきら光っているのはスカーフだった。

3. 風の記憶

挨拶MCの後「風の記憶」。

4. 誕生日

この曲のサビだったっけな。声にエコーがかかっているみたいに聞こえたのは。
後のMCでのバンド紹介で、ドラムの人がドラム&コーラスと紹介されていてそこで気づいたのだけど、エコーじゃなくてコーラスだったんだな。

そういえば最近の熊木杏里は左手が不規則にあんまりゆらゆら動かなくなってどちらかというと歌詞の表現的な動きをするようになった気がする。

5. 花言葉

MCで、2008年は私にとって分岐点だったと言う。
何かあったのかと思ったら、友人が結婚した、と。
「小さい頃はお互い気持ちを素直に言えるのだが、大人になるにつれて言えなくなるもの。
結婚したその友達の事を想ってその友達のために書いた歌。
結婚式では歌えなかったけど・・・」
っていうようなことを言うので「七月の友達」かなと思っていたら「花言葉」という曲。
4/8に発売したシングルのカップリング曲だから、歌えなかったっていうのは結婚式の時は作られていなかったから、ってことかな。
初めて聞く曲。

曲についてのエピソードを聞いた後だと曲の聞き方も変わる。
歌詞の意味をとりながら聞いてみる。
歌詞がかなりシンプルで分かりやすい。
「七月の友達」でも思ったけど、この友達ってなんて幸せな子なんだろう。
結婚で幸せいっぱいな上、熊木杏里に曲を贈ってもらえるなんて。

この「花言葉」や例えば「やっぱり」とか聞くと分かるけど、熊木杏里って人は一見冷めている風な印象があるけど、相当情愛が深い人なんだな、と思う。
恋人でも友人でも家族でも。
花言葉 熊木杏里 歌詞情報 - goo 音楽

6. いつのまにか少女は

MCで「今日ここに来てくれている人の中には、ライブに何度も来てくれている人もいれば今日はじめての人もいる。そんないろんな人がここに集まっている事が不思議な感じがする」
というような事の後、初めての人のために自己紹介が始まる。
17歳で初めて曲を作ったけどそれは父と作ったとか、当時タレントスクールに通っていて深夜番組で番宣を作ろーみたいな企画でテレビ出演していたとか、正直話のつながりがよく分からなくてかなり勘違いして捉えている気もするけどどれも初めて聞く話。
「嗚呼!バラ色の珍生!!」の前にもテレビに出ていたのか。

そして当時父がよく聞いていた井上陽水の中で特に感銘を受けて曲を作り始めるきっかけになったという「いつのまにか少女は」って曲をギターの弾き語りで。

この曲いいな。無知で知らなかったのだけど1973年のシングル「夢の中へ」のカップリング曲だったらしい。
歌詞は他人視点から始まるけど娘を持つ親視点のようでもあって、なんかどうとでも取れる。
熊木杏里の歌詞も大体そうだよな。「こと」なんて好きだと言っている割に未だに歌詞よくわかってないし。

7. my present

ギター弾き語りは早々に引き上げて次はキーボードの弾き語り。
アルバム「ひとヒナタ」製作中に何かもう一曲作りたいと思って作った曲だそうだ。
作ったときに限りなく近い状態で歌ってくれる、と。
「大切に想う人を・・・思い浮かべながら・・聞いてください」
このライブの最初からそうだったのだけどMCの言葉が句ごとに途切れ途切れ。
途切れ具合が曲ごとに段々拍車がかかってきているようにも思う。

どちらかというとノリのいい曲なんだけど、キーボード(途中からギターも入ったっけ)でしっとり聞かせてくれる。
もともと歌が上手いのだけど、やっぱり弾き語りで歌うとさらに上手くなっている気がする。
伴奏の音が少なくて声が素のまま浮き立つからかな。

8. 君の名前

確か今度出る新曲。
こちらも続けて弾き語りで。
誰にでも、物にだって皆名前が付いている。
好きな人の名前は名前それ自体すら好きになってしまう。
というような感じのMCの後で
「大好きな人を・・・」
大事な人をって言ったんだっけな、ちょっと忘れちゃったんだけど、この沈黙の後に続く言葉を期待して待つと、他に思い浮かばなかったのか先ほどと同じ
「思い浮かべながら聞いてください」
で、歌いだす。

なんか知らないけど物凄い熱唱。
魅力的な裏声を存分に生かした曲で、聞き込んでからライブで聴きたかったな。間違いなく泣けるはず。
歌唱がすごかったのでぼーっとしちゃって歌詞は全然意味取って聞いてなかった。

ん、この曲からかな。チェロの五十嵐あさかさんって方がゲストとして紹介されてバンドに参加したのは。

9. ふるさと

弾き語りは「君の名前」で終了。
舞台真ん中に戻ってMCに入るはずが、なかなか入らずに放心したように立ちすくんでいる。
目がうるんで涙を飲み込んでいる。
おお、絶対最近なにかあったな。

途切れ途切れのMCが始まる。
自分の故郷の話をしていたと思ったら、「シンプルな歌詞なのに一字一句に全てが詰まっている」となにやら自分の曲の歌詞を絶賛しているっぽくて、なんだろうとMCを聞いていると、人の曲を歌おうとしているらしいと気づく。
作詞した人は同郷らしい。
そして曲名も言わずに歌いだすとそれは童謡「ふるさと」。
ああ、故郷って言葉は何度も言っていたので曲名の意味での「ふるさと」とどこかで言っていたのだろう。

10. 君

熊木杏里は全然テレビを見ないそうだ。
世界のなべあつの3の付く数字と3の倍数で阿呆になるギャグの誕生秘話をたまたま知ったと言って教えてくれる。
まだ流暢じゃないけどMCも復活してくる。
※名古屋のレポート書いた人のブログ見て「朝日の誓い」を歌ったと思っていたけど「君」という曲だったらしい。

ここらへんから音を聞くか歌詞を聞くか迷ってあれこれ考え出してしまう。
歌詞聞いていると思いにふけったり考えたりしてせっかくのライブの歌声が聴けなくなるし、声を優先すると歌詞の意味が入ってこなくなる。
ああ、生まれ変わったら器用な人間になりたい。

悪いことに左隣の席の太目のおっさんの肩が僕の肩と触れ合っているのも気になってしょうがなくなってくる。
別に僕は肘掛に腕を乗せているわけでもなく、こじんまりと座っているだけなのになんで肩が触れるのさ。
この人はたまに望遠鏡を取り出して覗いているのだけど、取り出すときと双眼鏡を妙に姿勢よく覗いているときに肘が僕の肩にがつんと当たるのも集中力を途切れさす。

11. こと

「自分は素直に想いを伝えられない駄目な奴で」といったMCの後「こと」。
集中力が最悪な状態だったけど、一番好きな曲。
最近衝撃のPV見て、あれっ、と思ったものの、やっぱりいい曲だわ。
好きなくせに歌詞はやっぱり未だによく分かってないのだけど。
歌詞を部分部分で聞いていたら
打ち明けてくれた話にぼくは
どれだけ君を見つけられたんだろう?
過去が心に居すわりながら
どれだけ君をひとりにしたかな

で彼女は過去に何かあって彼氏はそれを無意識に気にしているのかな、とか、それとも彼女は何か重い病気にかかったのかな、とか、
どんなことも ぼくには今しかないことで彼氏の方が病にかかっているのかなとか、おお、やべー混乱してきた。
ので無心に音と各フレーズで飛び込んでくる詩の響きだけ聞くことにする。

僕の席からは体の上半身しか見えないのだけど、人 転ばす力はいらないと 君は足をあげるで熊木杏里が足上げるかなと思って体ずらして見ていたけど上げなかったな。

12. 新しい私になって

ふられちゃったあれです、っていうMCの後「新しい私になって」。

13. やっぱり

「やっぱり」。
最近やっとこの曲の歌詞の意味を取りながら聞いて、なんていい歌なんだろうと思ってライブで聴くことを期待していた曲。
ステージのバックが照明効果できらきら青い星がまたたいて、どうなっているのか分からないけど何か遠近感が狂って本当に背後に宇宙が拡がっているような錯覚に陥る。
これは目が痛い。

「やっぱり」は恋の歌なんだけど、傷つきやすい繊細な心で感じる不安や希望をシンプルな言葉なのに微細に表現していく。
細かな心の襞まではっきり捉えているところが凄い。
でも、健気で献身的な女性像でもあるから一部の女性からはもしかしたら嫌われるかもな。
なんか聞いていると切なくなってくる。
やっぱり 熊木杏里 歌詞情報 - goo 音楽

14. 春隣

ここだっけな、これから後半戦だと言ったのは。
もう既に結構な曲数を聞いた気がして、前回のライブはまだまだ聞きたいのにあっけなく終わっちゃたためにそろそろ終わりかと心の準備をしていたところだったので、かなり嬉しい。
ほぼアカペラに近い状態から歌いだす「春隣」。

15. モウイチド

確かここあたりでメンバー紹介。
おお、前半と打って変わって流暢に言葉をしゃべるMC。
ここまで全ての曲を観客はしっとりと聴いていた。
手拍子は一切なしで。
そういう流れができていたから。
だってMCでの言葉の区切りによる長い沈黙とか「花言葉」で泣きそうになっている熊木杏里とか、ワーって盛り上がるような要素が全くなかったのだし。

でも、ここにきて「春隣」で温めた後の明るいメンバー紹介という自然な流れができたので、これはあれが来るなと思ったらやっぱり来た。「モウイチド」。
※どうしよう、こんな書き方してメンバー紹介別の場所だったら・・・
解き放たれたバンドメンバーの全開の演奏、かつ負けじと声を張り上げる歌声。
手拍子もたたきやすい。

このライブの最初からそうだったんだけど、ドラムの女性の方が演奏中8割方、楽しそうなにこにこの笑顔なのね。
これは特技だよな。

16. 雨が空から離れたら

手拍子は続いてこの曲にも。
でもちょっと叩きづらい。
ので僕は途中からやめちゃった。
声を張り上げ気味なためか少し声が荒れていた。

17. 水に恋をする

最後の曲らしい。
MCで私のテーマソングです、と。
「水に恋する」。

En1. バイバイ

初めて聴く。
まだ未発表の曲って言ってたな。

En2. 桜見る季節

桜の季節は過ぎたけど、って言うから「春隣」?って思うけどさっき歌ったしな、と思っていると「桜見る季節」。
マキシシングル「雨が空から離れたら」のカップリングらしい。

熊木杏里が大好きですと言いながらアルバムしか買っていないので知らない曲だらけという事実にショックを受けつつもまだ聞いた事無い曲がたくさんあるという事実に歓喜もする。
シングル集めようっと。
シングルなんてそういえば中古で買った今井美樹の「Peace of my wish」と店頭ライブで買った田川寿美の「花になれ」と最近買ったタイガーフェイクファの3枚しか持ってないな。


ああ、終わってしまった。
バンドメンバーと手をつないでお辞儀したときには熊木杏里の目は潤み、放心したような表情で観客席の中空を見つめていた。
この時の表情があまりに透き通って限りない愛情に満ちていたのではっとする。
あなたは弥勒菩薩ですか。
想いが体中に満ち溢れるとその表情は無心に透き通っていくのだな。
バンドメンバーが去った後も一人名残惜しそうにこちらに振り向きお辞儀をしていた。


ああ、忘れてた。どこかの曲の合間のMCでクリーニング屋のおばちゃんと世間話をする自分は大人だみたいな話からツアーパンフレットの紹介があったな。
退出する長い列に並んでホールを出ると、スタッフがツアーパンフレット残り少しですと言っている。
国際フォーラムの時はパンフレットだかCDだか知らないが物凄い行列ができていたけど、最後の方でホールを出たためか誰も並んでいなかった。
一人女性が興味ありげに近づいて購入しているのを横目で見ながらちらっと値段見ると1000円。
どうしようか。800円とかだと面倒だけど1000円っていうきっぱり感が気に入って購入。

外に出て人のいないところまで行って煙草を吸ってぼーっとしていると、グローブ座を携帯でパシャパシャやっている人がたくさんいた。
きっとブログとかなんかにアップするのでしょう。
そういう方達が書いたレポート読んで記憶がよみがえったら手直ししよっと。

また秋にライブがあるらしい。
平日だろうがなんだろうが行く。

ひとヒナタ(初回限定盤)(DVD付)私は私をあとにして風の中の行進無から出た錆殺風景

2009年5月7日木曜日

虫九日目

いつも夜中の2時か3時くらいにしか蜘蛛は現れなかったのだけど、今日は23時頃に仕事から帰ってきたらもういた。
カーテンのすぐ下に。

とりあえず腹減ったので飯を食べて煙草吸って、それから行動に移す。
昨日蜘蛛が消えたところにまた入り込まないように漫画雑誌を積み上げてバリケードを作成。
それから昨日と同様窓を開ける。
カーテンは今度は真上に向かって上げてから横に引いて開けてみる。
横に引き始めたくらいで蜘蛛がまた部屋の内側に向かって動き出したので、バタバタバタとうちわで扇ぐと一瞬ひるんだあとに引き返していく。
そして今度は衣類を入れている収納ボックスとカーテンの隙間に入っていって消える。

窓開けてもフローリングとベランダの間は10cmくらいの段差でしきられているのでそこは上ってくれないらしい。
まあ人間に攻撃されたらまず隙間に隠れようとするよな。
うちわですくってベランダに飛んでけ~ってできたら楽なんだけど。
無理。

2009年5月6日水曜日

虫八日目

またもや寝ようとした時にカーテンのすぐ下あたりに蜘蛛発見。
もしかしたら外に追い出せるかもと思って、閉じきっているカーテンの隙間に手を差し込んで窓を全開に開ける。
続いてカーテンを少し持ち上げながら開けようとしたら、カーテンの裾が蜘蛛の上方に少しなびいてしまい、外じゃなくて部屋の内側に蜘蛛が走り出す。
慌てて左手でカーテンをつかんだまま右手に持っていたうちわで蜘蛛を扇いで外に向かって追い出そうとすると、風にはびくともせずにすっと左折。
使っていないデスクトップPCやらプレステ2や外付けDVDドライブとかごちゃごちゃ置いているところに入って消えてしまった。

もうどこ行ったかわからないので寝ようと布団敷いて電気消して寝っころがったのだけど、やっぱり気になってしょうがない。
カーテン付近で消えたならまだしも、ここは枕のすぐ横じゃないか。
と、よくよく考えれば頭と足の位置を逆にすればいいじゃんと思って起き上がって電気つけて上下を逆にしてみる。
あ、なんか快適。
体は毛布にくるまっているので蜘蛛が徘徊したとしても這うのは毛布の上。
頭のある位置まではこないでしょう。たぶん。

2009年5月5日火曜日

映画『大阪ハムレット』

2008年 監督:光石富士朗
at ギンレイホール


大阪ハムレット (1) (ACTION COMICS)
(DVDがまだ出ていないみたいなんでコミックスの方を暫定的に)

これ、個人的には『おくりびと』よりいい。
森下裕美の同名漫画が原作。

父ちゃん(間寛平)が死んだ。
そして父ちゃんの弟(岸部一徳)がいつの間にか住み着いた。
母ちゃん(松坂慶子)。
長男政司(久野雅弘)。
次男行雄(森田直幸)。
三男宏基(大塚智哉)。
の5人で暮らしていく。

長男政司は受験を控えた中3(高校生役かと思っていた)。
街で出会ったお姉さん由加(加藤夏希)に一目ぼれして付き合いだす。
ふけて見える政司は成り行き上自分が大学生だと偽って。
しかし自分の中学に由加が教育実習生としてやってきて・・・
由加は由加で強烈なファザコンなのね。

次男行雄も中学生。
かなりのヤンキー。
教師に「行雄君はハムレットやな~」と言われて近所のハムレットという名前のハムスターに例えられたと思って激怒する。
誤解は解けてハムレットを読み始めるヤンキー。
「父ちゃんとおっちゃんは兄弟なのに全然似てないな」
という疑問から自分が父ちゃんに全然似てない、兄弟も全然似てないことに気づいて自分のアイデンティティに悩み始める。

三男宏基は小学生。
授業中に将来の夢で「女の子になりたい」と宣言する。

もてもての母ちゃんは「これ太ったんやないよ。お母ちゃん妊娠しとんねん」とさらっと告白。

フリーターの気弱なおっちゃんは家族に溶け込もうとおそろいのTシャツを買ってきたりと努力を惜しまない。

そんな大阪の家族の話。

母ちゃんの年の離れた妹に亜紀(本上まなみ)ちゃんというのがいるのだけど、癌で闘病中。
三男の宏基がこの亜紀ちゃんを慕っている。
人と同じことをするのが嫌いな亜紀ちゃんはそれだけ世間の冷たい目にさらされながら苦労して生きてきた。
女の子になりたいと言う宏基を一番に応援している。
この亜紀ちゃんと宏基まわりのエピソードがかなり泣ける。
「だから僕、亜紀ちゃんに勇気を貰ったんだ」
これから待っているだろう苦難を理解しつつもその小さく弱弱しい体で静かに決心する宏基とか。

兄弟が悩んだときにたそがれるコンクリートの河川敷がいい。
冒頭父ちゃんが死んて葬儀の後にまず3人がここに集まるのだけど、長男が自転車に乗って画面右奥に消え、続いて三男がコンクリートの堤防の上をすたすた左手前に歩いて消え、次男だけが残る。
こういう固定ショットの中のばらばらな動きっていいよな。
次男と三男が河川の釣り船の上で釣りをして、三男がすたすたその場を去るのに会話は続いているのとか。
奥の川にかかる橋を三男が渡っているときなんか距離的に大声じゃないと聞こえないはずなのに普通の声で喋っていて、そういう違和感より動きを優先するところがいかす。

「今までと変わらず努力しとったらええねん」
ちゃんと思いは伝わっているから。
ずけずけ物言うし平気で人傷つけるのだけど認めるものは素直に認めるし根底は心優しい人々。
偽善的ないい人だらけの気持ち悪い街ではないところにある温かさ。

「人間わろうてばっかりおられへんっちゅうこっちゃ」
「生きるべきか死ぬべきかって 行きとったら、それでええやん」

配役もいいな。
女の子になりたい三男役の大塚智哉はそんなに美少年ってわけでもないからリアル。
次男はいい顔してる。
長男は実際は20歳くらいらしいのだけど確かに年齢不詳。
松坂慶子は横幅大きくなっているところがまた色気を放つ。
岸部一徳は役通り気弱で優しいおっさんにしか見えない。悪役もいい人役もなんでもこなすし日本が誇る名バイプレイヤー。脇役は目立たない方がよさそうなのに、あのインパクトのある顔と演技と雰囲気で映画を引き締める。笹野高史がいくら背伸びしても岸部一徳の域には届かないだろう。
亜紀役の本上まなみ。前から思っていたのだけどこの人本当にいい女優さんだな。
由加役の加藤夏希。BSアニメ夜話でしか見たことなかったのだけど、「綺麗なお姉さん」の象徴みたいな子だな。すらっとしていて。おんぶされている時なんか膝くらいまであったスカートが太もも上くらいまでずりあがってたぞ。

脚本も絵もよくてかなりかなり満足な映画。

映画『おくりびと』

2008年 監督:滝田洋二郎
at ギンレイホール


しまった。GWの夕方で『おくりびと』。
混むだろうなと思って20分くらい前に行ったのにすでに地下鉄の階段までの列ができている。
出る人も多いだろうからまだなんとか座れるだろうと思っていたのに、入ってみるとびっしり。
最前列でいっかと思って最前列に行ってみるとそこも全部埋まっている。
もういいやと思って立ち見にする。
次の日曜にすればよかった。

おくりびと [DVD]おくりびと (ビッグコミックススペシャル)

スペリオールに連載されていたさそうあきらの漫画(映画の漫画化)で読んだのであらすじは知っている。
妻の職業がピアニストではなくてWEBデザイナーだったりと細かく設定が違うけど大筋は同じ。
立ち見でかつあらすじ知っているって耐えられないんじゃないかと思ったけどなんとか最後まで見れる。
ただ、130分は長いよ。

脚本は不満はあるけど結構楽しく見れる。
納棺師という仕事に対する理解を妻や友人(生まれてくる子供のために重要)から手っ取り早く得るには納棺師の仕事ぶりを見せることなんだけど、これ以上ないベストタイミングでこれ以上ないベストの人が亡くなったりするという奇跡も映画だしまあいいでしょう。
夫モックンの仕事ぶりを見て理解を深めた広末が、横たわる故人を挟んでモックンと向かい合って微笑みかけるのは・・・これはないでしょう。
故人を笑顔で送り出す、はありだけど、この広末の笑みは故人そっちのけの笑みじゃん。
杉本哲太が号泣しているのに広末は故人の前で笑ってるんだぜ。

広末は映画で初めて見た気がする。
ちょっと単調で面白くないんだけどそこが妙に怖い。
笑顔の裏にはとてつもなく恐ろしいものが潜んでいます。
でもどうしても映画女優って感じじゃないんだよな。かもし出す雰囲気が。

音楽の使い方がよく分からなくて、モックンが山崎努が行う納棺の儀に初めて立ち会うシーンやモックンが広末と言い合うシーンとかで音楽を一切入れないところに感心したと思えば後半はほとんど無駄なBGMだらけになったり。

NKエージェントのビルはかっこいいよね。
坂の途中にあって。
このビルは正面からが一番かっこいいと思うのだけど、冒頭以外はほとんど正面から映してくれない。なぜに!?

クリスマスにフライドチキンを食うシーンがあって、食う口元のアップから食う音が大音量で流れる。
「これも死体だ」ということで生物の生と死とかの話の流れでこうなったのだろうけど、あまり気持ちのいい音じゃないのでやめてほしい・・・
そういえば昔見た森田芳光の『39 刑法第三十九条』でも鈴木京香と吉田日出子のくちゃくちゃ食事シーンがあったのだけど、これはシーンとしてかなり異様な空気になっていて面白かったな。
ついでに書けばあがた森魚の『オートバイ少女』では執拗に挿入される蟹食う人々がただ不快だった。

夫モックンの仕事振りが披露されるシーンでは遺体が驚くほど美しくなる驚愕の死に化粧のシーンが省かれている。
えー、そこが一番インパクトあるはずなのに。
棺に入っている遺体は綺麗に化粧されていたのでしなかったわけではないはずだが。


なんか文句ばっか書いた気がするけど、まあまあ面白かった。

山羊王のテーマ

昨日amazonで以下を注文。
  • "山羊王のテーマ" TIGER FAKE FUR; CD;
  • "Perfume 『BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!』" Perfume; DVD;

TIGER FAKE FURは川本真琴。
川本真琴のライブビデオも欲しかったのだけど高かったのでちょっと保留。
朝日美穂、もりばやしみほ、川本真琴のユニットミホミホマコトのアルバム『ミホミホマコト(DVD付)』は中古しかない上に2倍以上の値段が付いていたのでこれも諦める。

Perfumeの武道館ライブのDVDは発売は知っていたけど、なんかずっと保留にしていた。
昨年末に見たNHK BS2の放送ではあまりに激しいカット割り(1秒に1回くらい切り替わる)に憤慨したのだけど、きっとDVDも同じような編集なんだろうと思って手が伸びなかった。
でも調べていると前のDVDと同じように3人のSubVoiceがあるみたいだし、特典映像がかなり秀逸らしい。
なので購入。


配送予定日が2009/5/8以降になっていたのになぜか今日の朝届く。
これから映画見に行くのでDVDは置いておいてとりあえずTIGER FAKE FURの方を開封して聞いてみる。

山羊王のテーマ

ニューオリンズ風からブルース、フォークまで。
どれもいいな。
gobbledygookの系譜で自由な発想の中、音をシンプルにしつつ音楽性の豊かさはそのままに音楽の幅を広げた感じ。

1曲目「山羊王のテーマ」は
歌え喜べ遊びたいな
キラリ瞳をして盗めダイヤ

山羊王のテーマ より



っていうサビなんだけどこの単純な韻踏みと当てられている言葉が妙に感動的。
パパゲーノでーす ビンゴー!!の流れで突入する時の上記サビもまた変わった表情になっていいねぇ。盛り上がりに拍車がかかってさ。

3曲目の「成城学園前の歌」は2001年に小さなライブハウスで各出演者が吉田戦車の詩に曲を付けるっていうコーナーがあって、所属事務所に内緒で出演したため変装してステージに上がって歌った時の音源らしい。

児童公園のない街 おハイソな街
高級スーパー成城石井は
トレイも牛乳パックも回収しない

成城学園前の歌 より



や、和田勉をよく見る街とかそんな面白い詩なんだけど、これにどう曲を付けるのか。
びっくりするくらいフレーズの区切りが自由な上、この歌詞に対して切なく情感のあるメロディー。
これはかなり凄い。
ゴジラが飾ってあるんだの意外な溜めとフレーズなんて感動物です。

2009年5月4日月曜日

虫六日目

夜、便所行って戻ると、あ、またいた。



パソコンやっていたのだけど、座っている位置からだと液晶の向こう側だったので全然気が付かなかった。
しかもこの位置は布団敷いたときにちょうど枕がある地点じゃないか。
パソコンやっているときに疲れてねっころがった時には伸ばした足が来る位置でもある。
いつもカーテン傍でしか見かけなかったのにここまで部屋の内側に入ってきているとは。
今日でけりをつけよう。



ぐお、足に縞模様があるじゃん。

ペットボトルを探してからちょっと練習。
ペットボトルを近づけすぎるとすぐ逃げられるので、ある程度離れたところから一気にかぶせる必要がある。
ただ、はさみで切断したペットボトルの口はかなり鋭利で、目測を誤ると蜘蛛が真っ二つになるという世にも恐ろしい事故が発生する可能性がある。
だから念入りに練習。

さあ、行くか。
と、ペットボトルをかぶせるためにはまず体を蜘蛛に近づけなきゃいけないという単純なことに気づく。
近づいている時点で逃げられたら元も子もないのだけど、なによりこの蜘蛛、恐ろしい・・
そろそろと近づいて少し前かがみの体勢でさらにペットボトルを持った腕を伸ばす。
幸い蜘蛛は微動だにしない。

20cm上くらいまでペットボトルを近づけたところで僕も固まる。
いざ行こうとするとかなりひるむ。
真っ二つになったらどうしようか。足だけ挟んだり切断しちゃったらどうしようか。

頭の中で3,2,1,GOと何度か繰り返してついに決行する。
振り下ろした初速で蜘蛛が物凄いスピードで逃げるのが見え、ああ、挟むかも!と思ったのと、フローリングとペットボトルが接触したときに思いのほか鳴り響いたカツーンという音にびっくりして飛びのく。
フローリングに直立しているペットボトルの中には当然蜘蛛はおらず、蜘蛛はテレビの脇にまで逃げている。
そこから僕を振り向くように見て、さらに奥に逃げていった。

小さい頃母が夜の蜘蛛は殺しちゃいけないと言っていて、その理由はなんかダジャレっぽい理由だった気がする。
調べてみると結局よく分からなかったのだけど、殺しちゃいけないのは夜じゃなくて朝の蜘蛛らしい。
夜は「よくも(夜蜘蛛)来たな」って事で殺す。
そういえば殺しちゃいけないと言いつつ母はティッシュで潰していた気がする。
でも地方によって朝じゃなくて夜の蜘蛛の方が殺しちゃいけなかったりするらしい。

調べている過程で見つけたのだけど、この蜘蛛は「アシダカグモ」という種類っぽい。
Googleでアシダカグモを検索すると面白い。
いきなりアシダカグモの画像が出てきて、びびる。手のひらサイズのでかさ。
こんなのに比べたらうちの蜘蛛はまだ可愛いほうだ。
益虫でダニやゴキブリを捕食してくれるらしい。けど、うちはあんまりゴキブリ出ないからなぁ。
いや、この蜘蛛が昔からいて食べてくれていたのか??
それにしても7年近く住んでいて初めて見たし。
2chではゴキブリを退治してくれるので軍曹の名で親しまれる。
むー、飼ってみるか。

さらに検索していると窓に大量のアシダカグモの子供がへばりついている画像があって、これは駄目だと思う。
それと寝ているときに体を這うことはないだろうと思っていたけど、振動で世界を感知しているからこちらに向かってくる事もあるとかいう話で、次見つけたら申し訳ないがやっぱり殺すことにする。
放置していて検索で引っかかるような蜘蛛のサイズまででかくなったりしても嫌だしな。

2009年5月2日土曜日

虫四日目

もうどっかに消えてくれたものだと思っていたら、またしても寝る直前に発見。




床にいるのはベストポジション。
捕まえやすい。
写真撮ってから便所の脇にある半分に切ったペットボトルをとりに行く。
軽く洗っていざ勝負と戻ってみると、あれっ、いないぃー。
写真なんか撮ってる場合じゃなかった。