2009年5月10日日曜日

虫十二日目



見えにくいですが画面右少し上にある黒っぽいものが例のあれです。
位置的に部屋の真ん中あたり。
いつも窓のカーテン付近にしかいなかったのに、ここまで進入しているのを見たのは初めて。
やつらは天井からぼとっと落ちてくるとかいうし、のんびりはしていられない。
とはいっても変に刺激したことで部屋の真ん中に落ちて隅に逃げられても困る。
とりあえずカーテンを開け、窓を開け、今日洗濯してベランダに干していた洗濯物を取り込む。
取り込めないのはなぜだろうな人なので洗濯したその日に取り込んだのは何年ぶりだろう。

戻ってもう一度見ると、あれ、また数cm部屋の中まで入ってきている。
急がなきゃ。
半分に切ったペットボトルに棒をガムテープで貼り付けて少し刺激してみる。
つつくのは危険なので奴のそばでペットボトルを天井にごりごり摺って威嚇する。
ぴくりともしない。
何度か振り回していると突然光の速さで20cm程窓の方へ移動する。
これはいけると思ってさらにぶんぶん威嚇すると



ここまで来た。
右上の影です。
さてどうするか。
外に出すにはカーテンが邪魔だなと思って、持ち上げて左にぐいっと引っ張ってみる。
でもその状態で止められそうなものがないので片手がふさがってしまう。
まあしょうがない。
で、ここからどうしよう。
こんな隅にいられるとペットボトルを近づけづらい。
何か投げつけてみるか。
いや、そうだうちわ忘れてた。
パタパタ煽いでみる。
ほんの少し移動した。
どうしよう。
このまま真下に逃げられるとまた収納ボックス等のごちゃごちゃした隙間に逃げられてしまう。
やっぱり捕まえるのがベストかなと思って駄目もとでペットボトルをゆっくり近づける。
なかなか逃げないなと思っているうちにペットボトルの口が壁に付き、カツンという音の後に蜘蛛がペットボトル内をすごいスピードでかさかさ一周する音がする。
あ、捕まえた。
でも蜘蛛はペットボトルの口に覆われた壁にへばりついているので、口をふさげない。
腕を伸ばしてペットボトルを力強く押し付けるという結構無理な体勢をしていたのだけど、どうしようもなくなってそのまま暫く固まる。
ペットボトルを動かすと足を挟んでしまいそうな気がする。
迷っているとペットボトルの中に移動してくれたので、左手でつかんでいたカーテンを離してそばに置いてあったうちわを取って素早くペットボトルの口をふさぐ。
ゆっくり壁からペットボトルを離してみる。
おお、動いてる。
そのままゆっくりうちわを上にして床に置く。

やったー。
毎日夢にまで見た捕獲。
ペットボトルを覗くと、観念してゆったり動く蜘蛛の腹が見える。
外に行って放すかベランダから放るか。
いや、まずは記念に写真撮ろう。
カメラを取ってペットボトルの傍にしゃがむと、ペットボトルの向こう側の床に蜘蛛がいてカーテンの裏にかさかさ逃げていくのが見える。
えっ・・・



空のペットボトル・・・
俺はなんて阿呆なんだ。写真なんかどうでもいいじゃないか。未だかつてない成功を成し遂げたのに全てをパーにしてしまった。
うちわなんて軽いんだからあのくらいの大きさの蜘蛛なら逃げられるとなんで考えなかったのか。
そもそもうちわを下にして置けばよかったのに。

後悔の念しか出てこなかったのだけど、どこかから夢を諦めないでという声が聞こえて、もう少し頑張ってみることにする。
たぶんカーテンの裏側にひっついているか、カーテンに隠れた壁に潜んでいるはず。
カーテンを恐る恐るつかんでゆっくりベランダの外に投げ出してみる。
壁が顕わになるが、いない。
カーテンにもいなさそう。
じゃあまた壁と収納ボックスのわずかな隙間に入っていっちゃったんだなと思って顔を上げると、うわっ、いた。壁に。
ベランダ側に投げ出されたカーテンを内側に引っ張って邪魔にならないようにする。



どうするかペットボトルを近づけて捕獲するのはもう無理そう。
今、蜘蛛が前でも後ろでも右でもなく、左だけに逃げるようにできないものか。
蜘蛛の右手からつつくと左に逃げるとは限らないし。
頭をフル回転させてアイデアを練っていると、ちょこちょこ蜘蛛が動く。
クーラーのリモコンの開いたカバーの裏に隠れる。
見ていると、さらにそこから上に移動しようと動き出すので慌ててペットボトルで進行方向をふさぐと、一瞬スピードを上げてペットボトルに向かってきたもののすぐ反転して真下に逃げていく。
まだなんとか見える位置の壁に引っ付いていてくれているけど隙間に逃げ込まれそうで危険な位置。


※写真は後撮りだからいないけど、壁が直角になっている部分にいた。

収納ボックス側面のへこみによる隙間。ここにいつも逃げられる。
なんかで塞げないかと蜘蛛を刺激しないように気をつけてゆっくりと薄い雑誌を突っ込んでみたりしてみるが嵌らない。
諦めて再びペットボトルによる捕獲を試みる。
収納ボックス側から近づけていくと、少し近づけただけでフローリング上を窓沿いに走り出す。
おお、反対側はテレビがあってこっちは何十倍もやっかいなごちゃごちゃゾーン。
テレビ側から蜘蛛に向かってペットボトルで襲うと一瞬止まった後に右折して段差を上ってあっという間にベランダに出る。
ベランダに置いてあるビーチサンダルの上を這って暗がりに逃げていく。
窓を閉める。

ぃやったーーーーーー!



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