2009年5月5日火曜日

映画『おくりびと』

2008年 監督:滝田洋二郎
at ギンレイホール


しまった。GWの夕方で『おくりびと』。
混むだろうなと思って20分くらい前に行ったのにすでに地下鉄の階段までの列ができている。
出る人も多いだろうからまだなんとか座れるだろうと思っていたのに、入ってみるとびっしり。
最前列でいっかと思って最前列に行ってみるとそこも全部埋まっている。
もういいやと思って立ち見にする。
次の日曜にすればよかった。

おくりびと [DVD]おくりびと (ビッグコミックススペシャル)

スペリオールに連載されていたさそうあきらの漫画(映画の漫画化)で読んだのであらすじは知っている。
妻の職業がピアニストではなくてWEBデザイナーだったりと細かく設定が違うけど大筋は同じ。
立ち見でかつあらすじ知っているって耐えられないんじゃないかと思ったけどなんとか最後まで見れる。
ただ、130分は長いよ。

脚本は不満はあるけど結構楽しく見れる。
納棺師という仕事に対する理解を妻や友人(生まれてくる子供のために重要)から手っ取り早く得るには納棺師の仕事ぶりを見せることなんだけど、これ以上ないベストタイミングでこれ以上ないベストの人が亡くなったりするという奇跡も映画だしまあいいでしょう。
夫モックンの仕事ぶりを見て理解を深めた広末が、横たわる故人を挟んでモックンと向かい合って微笑みかけるのは・・・これはないでしょう。
故人を笑顔で送り出す、はありだけど、この広末の笑みは故人そっちのけの笑みじゃん。
杉本哲太が号泣しているのに広末は故人の前で笑ってるんだぜ。

広末は映画で初めて見た気がする。
ちょっと単調で面白くないんだけどそこが妙に怖い。
笑顔の裏にはとてつもなく恐ろしいものが潜んでいます。
でもどうしても映画女優って感じじゃないんだよな。かもし出す雰囲気が。

音楽の使い方がよく分からなくて、モックンが山崎努が行う納棺の儀に初めて立ち会うシーンやモックンが広末と言い合うシーンとかで音楽を一切入れないところに感心したと思えば後半はほとんど無駄なBGMだらけになったり。

NKエージェントのビルはかっこいいよね。
坂の途中にあって。
このビルは正面からが一番かっこいいと思うのだけど、冒頭以外はほとんど正面から映してくれない。なぜに!?

クリスマスにフライドチキンを食うシーンがあって、食う口元のアップから食う音が大音量で流れる。
「これも死体だ」ということで生物の生と死とかの話の流れでこうなったのだろうけど、あまり気持ちのいい音じゃないのでやめてほしい・・・
そういえば昔見た森田芳光の『39 刑法第三十九条』でも鈴木京香と吉田日出子のくちゃくちゃ食事シーンがあったのだけど、これはシーンとしてかなり異様な空気になっていて面白かったな。
ついでに書けばあがた森魚の『オートバイ少女』では執拗に挿入される蟹食う人々がただ不快だった。

夫モックンの仕事振りが披露されるシーンでは遺体が驚くほど美しくなる驚愕の死に化粧のシーンが省かれている。
えー、そこが一番インパクトあるはずなのに。
棺に入っている遺体は綺麗に化粧されていたのでしなかったわけではないはずだが。


なんか文句ばっか書いた気がするけど、まあまあ面白かった。

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